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夕焼けまでの寄り道日記|Chp.1

2025年1月23.24日、愛知県の名古屋市ー豊橋市をチャリ走で往復した。きっかけは、YUTABIという方がユーラシア大陸をママチャリで横断しているという動画を見たことにある。その方の海外で野宿をしている姿を見て、日本なら自分でもできるだろうと、野宿してもいい覚悟で名古屋に向かった。また、数日前に「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」という坂口恭平さんの本を読んで、ホームレス生活をいろんな階層から見たくなったことから、名古屋の食糧配給をされている場所で生活・医療支援をされているボランティア団体に連絡をして、お邪魔させてもらうことにした。

愛用ロードバイク


さあ、いよいよ名古屋に向けて出発。最初は家にあるママチャリで行こうとした。が、空気を入れるとこの状態が悪く、空気を入れても、プシューっと抜けてしまった。流石にこれではいけないので、普段自分が愛用しているロードバイクで行くことにした。午後13時にスタートを切った。18時半の配給に間に合うように行きたかったため、Googleマップのルートを走った。4分の3はただただ1号線を疾走した。ナーンにも考えることなく、ひたすらと。そうすると不意に通り過ぎたトラックの音が豚のブヒッという鳴き声に聞こえたり、ハーレーダビッドソンの店先の匂いからお花畑にいるかのような気分を味わったりと、五感がいつも以上に刺激された。そんなこんなで5時間半、ペダルを漕ぎ続け、名古屋の久屋大通公園付近に到着した。そこには100人ほどがもうすでに集まっていた。私は近くのボランティアの方に声をかけて、一緒に挨拶をしながら体調を聞いて回った。ボランティアの方からは、路上生活者のリアルなストーリーを聞かせてもらった。楽しげな話から寂しい話まで様々あったが、そこには常に”関係”が存在していた。人と人、それは支え合うもの。私が挨拶しているときも、ボランティアが支える立場、ではなく、会話を通じてお互いを支え合っている、そんな印象を受けた。人を想う気持ちの大切さを肌で感じた。

さて、食糧配給が終わったことだし、野宿スポットを探そうか、とはならなかった。まだその覚悟はなかったみたい。近くに住んでいる友達に電話をかけ、ありがたく泊めさせてもらった。家とはなんなのか。お金とはなんなのか。土地が商品として売られているのはなぜなのか、、、そんなことを頭の片隅に置きつつ、今食べている食べ物(矢場とんの味噌カツ)にいつも以上に思いを馳せた。

矢場とん-わらじ定食-


翌朝、友達の外出に合わせ、9時に出発し、帰路を辿った。帰りはマップを一切見ないことを決めた。じゃあどうやって帰るのか。最初は方位磁針を使って帰ろうとしていたが、それでも度々スマホを取り出す必要がある。名古屋から見て、豊橋は南東方向にあるよなーって思っていた時にふと、数日前に太陽の日の出、日の入りの位置を検索したことを思い出した。今の太陽の登り沈みの角度は富士山のような形をしていた。つまり、南東から登り、南西に沈む。「これだ!」と思った。
太陽だけを見て、方角を推測して帰る、そう決めた。太陽を見て一心不乱にペダルを漕ぎ続けた。途中、行きに通った見覚えのある道に出くわしたときは、あえてその道を外れて走った。大きな道路から一歩外れると、すごく孤独を感じる。誰もいなくなる。看板もない。不安が襲ってくる。見たことのない景色に新鮮さを感じつつ、心は焦っていた。4時間ほど経ったころ、山道を走っていた。一瞬、スマホを取り出そうか迷った。先が見えない。だけど、ここで見たらゴールした時に達成感がなくなってしまう、いつかは必ず辿り着くはずと思い、自分の心と闘った。そして、午後15時半に豊橋に到着した。気づけば6時間半も漕ぎ続けていた。達成感がすごくあった。自分の心をちょっとだけ成長させることができた。

上が行き、下が帰り

行きはマップを見て、帰りは太陽を見て、走ってみて思ったこと。
それは、マップを見れば、何も考えずに楽に最短ルートで目的地に辿り着くことができる。一方で太陽を見ながら走るとなると、自分で道を決めることになる。道を外して、遠回りすることもしょっちゅうある。が結果として自分のルートで目的地に辿り着くことができる。

人生においても同じことが言える。
シナリオ通りに歩む人生。みんなのいる大きな道の上を走っていく人生。悪くない。何かあったら誰かがすぐに手を差し伸べてくれる。
一方で自分の道を歩む人生。大きな道から外れ、孤独と向き合い、自分だけ道を開拓していく人生。冒険の人生。どっちを取るかは人それぞれで、正解はない。けれど、道を踏み外しても必ず大きな道に戻ってこれる、目的地に辿り着くことはできる、ということを帰り道で思い知った。だったら、少しくらい道を踏み外しても、そんな大したことではない。もし、自分の理想とする未来があるのなら、その未来に向かってまずは一歩踏み出してみること。その一歩には勇気がいる。一歩外れると必ず孤独を感じるから。孤独はつきもの。でもそれでも未来を想像し続けて、諦めなければ、その未来は必ず創造できる。ゴールに辿り着くことができる。そう思った。

ー描きたい未来があるのなら、まずはあなたがその変化になりなさいー

マハトマ・ガンディーの言葉だ。周りと違うことをすると出る杭が打たれる。変人だと言われる。それでもいい。変人は”変化を起こす人”なのだから。もし、あなたにとって理想とする描きたい未来があるのなら、一緒に変人になって、創造していきましょう。


行きの道中に出会った夕焼けは豊明市。反射で太陽が3つになって、1人で興奮してしまった。
明日の夜明け、そしてまたあくる日の夜明けへと、
毎日が豊かでありますように。と願った。

P.S
都会に植えられている木が泣いていた。ように見えた。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

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Kyota Nakamura | 中村響太
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