終末絵図(誠司の場合)下
「らっしゃっせー」
明らかにやる気のない声が誠司たちを迎えた。終末の深夜にもかかわらず、危険人物も無く、平穏に保たれているコンビニが、誠司には少し、妙にすら思われた。雑誌コーナーには一か月以上も以前の雑誌が並び、防災グッズの並んでいる棚には何もなかった。誠司たちはコーラとジャスミンティーとカフェオレを買い、アヒルグミを三つ買うとレジへと向かった。
「らっしゃっせー。東条さん、今日はお友達と一緒っすか」
武藤というネームプレートの店員が商品をスキャンしながら親しげに彩花に話しか