【教師の魅力】感動の連続@現役中学教師
このシリーズでは、『教師の魅力』について様々な面から語っていきたいと思います。個人の見解なので、人によってはそれは違うと思うかもしれませんが、私自身が魅力と感じる部分を紹介し、少しでも教師の良さをわかってくれればと思います。
長文になるので、お時間がある時にお読みください🙇
感動体験
皆さんは最近感動したのはいつでしょうか?
嬉しくて涙を流したのはいつですか?
教師として働いて10年以上になります。他の職業を経験したことがないので比較はできませんが、教師以上に感動の連続がある職はないと感じています。
今回は、その中でも特に印象に残っているエピソードを紹介したいと思います。
就職3年目 初中学3年生担任
私が就職して3年目のことです。担任としては2年目、初めて中学3年生を受け持った年でした。
当時の学校は少し田舎で、優秀な子から元気いっぱいの子まで様々な生徒がいました。
そのクラスの中に、やんちゃな男の子がいました。中学2年生の頃から暴言や授業離脱が目立っていた生徒です。
私とは比較的話しやすい関係だったようですが、それでも時には暴言を吐かれたこともありました。
1年間その子と接していく中で、彼の悪い行動を根本から改善することはできませんでした。
卒業が近づき、進路への不安や学力への焦りから、授業中の態度がますます荒れることもありました。
それでも、彼の良いところを見つけようと努めながら過ごした1年間でした。
卒業式練習 返事をする理由
卒業式の練習が始まり、証書授与の返事の練習が行われました。クラスの大半の生徒は、卒業式が近づくにつれて練習にも気持ちが入り、立派な姿を見せるようになっていきました。
しかし、その生徒だけは返事をしようとしません。
彼にとって、大勢の前で返事をするのは恥ずかしかったのだと思います。
それに、普段の行動から「悪ぶる姿」を見せてきた自分が今さら真面目に返事をするのは照れくさかったのかもしれません。
卒業式2日前の放課後、私は彼を呼び止め、「親や先生に立派に成長した姿を見せるためか,大きな声で返事をしよう」と伝えました。
しかし、彼は「俺は親も嫌いだし、先生も好きじゃない。返事をする理由がない」と返してきました。
私は上手に答えられず、ただ「返事を頑張ろう」と繰り返すばかりでした。
すると彼は、「しつこいよ、先生。なんでそんなに返事してほしいんだよ」と言いました。そのとき、
「だから、君の立派な姿を‥」と言いかけ、
途中で
「俺が一生懸命名前を呼ぶから、その声に応えてほしい」
と口にしていました。
自分でも驚きましたが、それが本心だったのです。
彼は少し黙った後、「もう帰るよ」と言って教室を後にしました。
その時、思わずでた私の自分勝手な返答に気分を悪くさせてしまったと反省したことを覚えています。
卒業式当日 響く返事
迎えた卒業式当日。証書授与の時間になり、私は緊張しながら生徒たちの名前を呼び始めました。順調に返事が続く中、彼の番が来ました。
「〇〇 〇〇」
一瞬の静寂の後、彼が静かに、でも確かに「はい」と返事をしました。
私の息が詰まったのか、その子の返事に友達が驚いたからか、一瞬、時が止まったように感じました。
その声は決して大きくはありませんでしたが、確かに会場中に響き渡りました。
私は胸が熱くなり、涙が溢れそうになるのを必死にこらえながら次の生徒の名前を呼び続けました。
卒業式後 彼からの言葉
式が終わり、クラスに戻って最後の学活が行われました。生徒たちから手紙や色紙、プレゼントをもらい、感動的な時間を過ごしました。その後、卒業生を送り出す際、彼が私のところに来てこう言いました。
「ちゃんと返事しただろ? 1年間、先生が担任でよかったよ。先生と話すの、楽しかったからさ」
その言葉は、何にも代えがたい宝物となりました。
5年後の再会
月日が流れ、彼らの成人式に呼ばれました。会場で見た彼は、当時の面影を残しつつも、しっかりと成長した姿を見せていました。
金髪にピアスという少しやんちゃな見た目でしたが、私を見るなり駆け寄り、笑顔で「先生、久しぶり! 会いたかったよ」と抱きついてきました。
その無邪気な笑顔に、彼がこれまでの人生をしっかり歩んできたことを感じました。
感動の連続
このエピソードを決して特別なことではありません。私の感動した数ある体験のうちの1つです。
それだけ、教師という仕事は感動の連続です。
そして、これ以上の感動的なエピソードが全国の先生の数だけあります。
もちろん、綺麗事だけではありません。
このエピソードのように、上手くいくばかりではなく、語ろうと思えば、失敗や挫折の方が多く語れるかもしれません。
それでも、ドラマ以上に感動できる瞬間があるから、教師はやめられません。
日々、感動を与え、感動をし続けることができるのが
『教師の魅力』です!
最後に
これからも、私の経験を紹介しつつ、『教師の魅力』を伝えていきたいと思います。
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今後の励みになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。