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【学校の気になるあれこれ】教員の勤務時間@現役中学教師
このシリーズでは、学校の実情や裏側についてお話しします。特に、教員ではない方に向けた内容となっていますが、現職の先生方にも共感いただける部分があると思います。
ここでの内容は、捉え方によっては『教師の魅力』とは正反対の内容かもしれません…
しかし、多くの人に理解してもらうことが、更なる『教師の魅力』につながると考えています。
また、最近では教師の多忙さが話題になることが多く、学校に子供を通わせている保護者の方も「先生にどこまでお願いしていいのか」と迷うこともあるかと思います。
現役教師の視点で、具体例を交えながらその基準もお伝えします。
ニュースで目にする「教師の働き方改革」や「過重労働」の背景には何があるのか…
教員の勤務時間
突然ですが、皆さんは教員の勤務時間が何時から何時までかご存じですか?
市役所や郵便局の営業時間はネットで調べて行動することが多いですが、教員の勤務時間を意識することは少ないのではないでしょうか。
この記事では、教員の勤務時間とその実態についてお伝えしつつ、保護者の皆さんへのお願いもしたいと思います。
私の場合、以下のような勤務時間が定められています。
・勤務開始:8時10分
・昼休み:12時10分~12時40分
・勤務終了:16時40分
法律上、この時間内で働けば問題ありません。ですが、実際にはそれ以上に学校で過ごすのが当たり前になっています。
生徒と教員の1日のスケジュール比較
生徒の1日
登校:7時50分~8時10分
朝の会:8時10分~8時30分
午前の授業:8時30分~12時30分
給食・掃除・昼休み:12時30分~14
午後の授業:14時~15時50分
帰りの会:15時50分~16時10分
部活動:16時10分~18時
(冬は16時40分まで)
教員の1日
出勤時刻:7時~7時50分
(登校に合わせて学校を開けるため)
授業準備・朝の対応
8時10分の前から活動開始
授業:1日4~6コマ
(教科や学校の状況により異なる)
(小学校の先生はほぼ休みなし)
昼休み:生徒と過ごすため、実質ありません
部活動指導:16時10分~18時
(冬は16時40分まで)
放課後対応:不登校の生徒の相談
保護者対応、事務作業
教員の働き方 3つの問題
1. 勤務時間外の負担
1日の流れを見てわかるように、勤務時間より前に生徒が登校し、部活動は勤務時間を過ぎてまで行われています。
そもそもが時間外勤務をするようにできているのです。
さらに、教師の仕事は、授業準備だけでなく、成績処理や行事の計画、場合によっては、論文や教育委員会への報告書の作成など、多岐に渡ります。(教師の仕事内容の詳細はまた別の記事にしたいと思います)
2. 教員の勤務時間の認知不足
保護者の方から
「仕事の関係で18時まで子供を学校にいさせてほしい」
「20時以降に電話をしてほしい」といった依頼を受けることがあります。
悪意ではなく、教員の勤務時間が浸透していないために起きる問題です。
3. 残業代が出ない「給特法」
「給特法」という言葉を最近、よく耳にするようになりました。
教員には「給特法」により、残業代は支給されず、月給の4%が一律で上乗せされています
給特法とは?
教育職員の仕事は、「自発性」や「創造性」が必要とされ、正解や上限がない仕事といわれます。給特法は、そうした職務を担う公立の義務教育諸学校等の教育職員の職務と勤務態様の特殊性に基づき、その給与その他の勤務条件について特例を定めた法律です。
これがあるために、残業代が教員はでません。(本来、給特法による支給される金額=残業代というわけではありませんが…)
ちなみに、教員の平均残業時間は88時間とされています。
例①)初任者の給料 約22万
22万×0.04=8800円
8800円÷88時間=100円
残業代 時給 100円
例②)30代中盤 子供あり の給料 約35万
35万×0.04=14000円
14000円÷88時間=159円
残業代 時給 159円
このように、実際の残業時間に見合った金額ではなく、「定額働かせ放題」と揶揄されることもあります。
読者(保護者)へ
1.教員の勤務時間を意識してください
市役所や銀行の営業時間に配慮するように、教員にも勤務時間があることをご理解いただけると助かります。
遅い時間に連絡が必要な場合は、メールやアプリを活用し、翌日以降の対応を待つようにお願いできればと思います。
もちろん、緊急性の高いものは遠慮せず連絡してください。
2.連絡事項を厳選してください
子どもの安全や健康に関わることはもちろん最優先ですが、ご家庭で解決できることはできるだけご配慮いただけると助かります。
必要な連絡を厳選することで、教師も子どもたちと向き合う時間を確保できます。
3.個人の電話番号への連絡は避けてください
先生によっては、個人の連絡先を教えている方もいると思います。(部活の連絡などのため)
教員のプライベートの時間を守るため、学校を通じた連絡を基本としてください。
夜12時ごろに電話がかかってきたり、休日に家族と出掛けている際に「子どもが宿題を教えて欲しい」と言っていると電話がかかってきたり、信じられないかもしれませんが、よく聞く話です。
深夜や休日の電話は、常識の範囲内でお控えいただけるとありがたいです。
最後に
この記事では、教員の勤務時間や働き方の実態についてお伝えしました。
決して「子どものために働きたくない」というわけではなく、教員が子どもと向き合う時間をしっかり確保するために、保護者の皆さんと協力したいと願い、私なりにお伝えしました。
今後も、教員の仕事や学校の裏側について、様々な角度から記事を更新していきます。
興味のある方はぜひフォロー、スキをお願いします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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