看護師をやってきて思うこと
こんにちは。
私は看護師を長年やってきて、これは看護師の仕事だなと思うことはなにかな。。。
27年も看護師をやっていると色々なことがあります。患者さんも十人十色いろんな人がいますし、同じ人でも毎回対応変えないといけません。
看護師を長くやっていると、《察する力》がついてきます。察する力ってなに?って思いますよね。
患者さんって本音は言わない。我慢する。怒るし怒鳴る。それってなんでだろうと考えたことがありますか?うっとうしい患者だな怒鳴ってばっかりで、すぐ怒る、嫌な患者だしとか思いがちです。
根本的なこと見落としていませんか?患者さんであることを、つらい、痛い、寂しい、不安だ、なぜ?、どうしてこんなことにetc...病気で入院するといろんなこと考えてしまうんです。そして一番ぶつけやすい看護師にその気持ちがストレートに来るので怒るなどの行動に繋がるんです。
お気づきですか?
言われたと言うことは、裏を返せばあなたにしか言えない!というサインなんです。だからこそ《察する力》が必要です。
患者さんの底の底のそこにある本音を引き出して、対応していくことが大切だと思います。
私は昔ある患者さんに土下座して謝れと言われたことがあります。その日はどうも機嫌が悪く私のちょっとした言い方が気に入らなかったようです。たぶんその時は歩かないと治りませんよ。と言ったかと思います
「医者でもないくせになんだその言い方は!俺を誰だと思っとるんだ!土下座して泣いて謝れ、詫びろ」と一瞬なにが起こったかわかりませんでした、私は怒鳴られたことにもビックリしてしまい、とりあえず謝りました。そしてその場は去り、医師に経緯を伝えて説明してもらいました。
医師の説明はたった3分それで患者は納得しました。ニコニコし、「先生はぜんぜん来てくれないからなぁ」と超ご機嫌。でもその先生は最後に言ってくれました。「あなたの身体が今良くなって来ているのは誰のお陰かわかりますか?手術後24時間体制で看護師が付き添って、観察して、清潔を保って、身体を動かそうと努力してくれているからです。それは僕には出来ないことです。看護師は医師の代弁者です。ちゃんと言ってること聞いてください。僕なんかが説明するより分かりやすく、丁寧に時間をかけて対応してくれるはずです。聞く耳を持って言うこと聞いてください。」と一応患者さんはその場は謝ってくれました。
私納得できなかったんですよ。だって医師が言ったから謝ったんですよね。なぜ?なぜ看護師ではダメだったのか?考えて、考えて、考えて出た答えは《察する力》がなかった、傾聴してなかったんです。一方的にこちらの要求を押し付けるだけで、気持ちを理解しようとしていなかったんです。
察する力とは
1・相手の感情をしっかり受けとめて、言葉の裏の真意を察する「徹底した感情移入の力」。
2・自分の感情に振り回されずに相手に関心を向ける「感情コントロールの力」。
3・相手の話の中から必要なことを聞き分けて、問題を解決する質問力。すなわち
「聞き分けて訊く力」。
あの時の私はひとつも出来ていませんでした。
それからというもの徹底してその人のもとへ行き、1.2.3徹底しました。。。
そしてその人が本当は人一倍心配性であること、さみしがりやであること、知らないところで努力してることを知りました。そして退院が決まった前日、呼び出されたんです。あーっまたなんかやっちゃった?私そう思って伺うと、奥さまがいて、患者さんはベッドに正座してて私が入るなり「あの時は済まなかった。なんと詫びたらよいかわからん。」と泣きながら言われました。えっ???と戸惑っていると奥さまが、「この人ねずーっと謝りたかったみたいなの。でもプライド高い人でねぇ、言えなかったみたい。だから私に立ち会えってそれなら言えそうだからって」と笑いながら言われました。心が通じた瞬間でした。
察する力実践することはなかなか難しいですが、気持ちの切り替えで気難しい患者さんから変わるかたもいます。その患者さんは8年たった今でも病院の廊下で私を見つけると声を掛けてくれます。
目線を変えて看護師が見ることで、変わることがあります。面倒な患者さんではなくて、《察する力》使って見てみませんか?何かが変わるかもしれません。
以上です。
ありがとうございました。
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