『日本の自殺者数9年連続減少』は統計不正ではないか?
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_tyosa-jikenjisatsu
本当に自殺者数は減少しているのだろうか?この9年でそんなに生きやすい世の中になったのだろうか?
個人的にはそのような実感がまったくない。統計によると自殺者数は2003年にピークを迎え、翌年減少するもそれからはしばらく横ばいで推移したのち2010年から減少傾向にある。
リーマンショックが2008年だから影響がなかったどころかこれがきっかけで自殺者が減っているようにすら感じる数字である。
はっきり言って胡散臭い。
統計に不正があるとして思いつくのは自殺とカウントすべきものを他の死因としてカウントすることだが死因別のデータはあるのかと探したらすぐに見つかった。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html
見たい年度 → 死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対)
自殺を誤魔化すのに使えそうな死因って何だろうかと考えながら見始めたがそういうのは『自殺』と同じカテゴリーに分類されていて手間が省けた。
まあ似たのをまとめるのが分類ってものか。
そのカテゴリーというのは『傷病及び死亡の外因』でこれは『自殺』以外に『他殺』や『不慮の事故』やその他をまとめたものだ。
以下、自殺者数がピークだった2003年度と連続減少9年目の2018年度の『傷病及び死亡の外因』とそれを構成する各死因の数字を貼る。
『不慮の事故』は『交通事故』から『その他の不慮の事故』までの各種事故の合計値だ。
■2003年度■
傷病及び死亡の外因 75638
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不慮の事故 38714
交通事故 10913
転倒・転落 6722
不慮の溺死及び溺水 5716
不慮の窒息 8570
煙,火及び火炎への曝露 1498
有害物質による不慮の中毒及び有害物質への曝露 814
その他の不慮の事故 4481
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自殺 32109
他殺 705
その他の外因 4110
■2018年度■
傷病及び死亡の外因 69041
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不慮の事故 41213
交通事故 4596
転倒・転落・墜落 9645
不慮の溺死及び溺水 8013
不慮の窒息 8879
煙,火及び火炎への曝露 1017
有害物質による不慮の中毒及び有害物質への曝露 538
その他の不慮の事故 8525
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自殺 20032
他殺 272
その他の外因 7524
見ての通り『傷病及び死亡の外因』は6317人減少しているがこれは交通事故の減少分6597人とほぼ同じ。
『自殺』も12077人減少しているのだからあとそれくらい減っていてもおかしくないはずだが、そうなっていないところを見るとやはり自殺とカウントされるべきものが他の死因に振り分けられているように思える。
増えているのは『転倒・転落』『不慮の溺死及び溺水』『不慮の窒息』『その他の不慮の事故』『その他の外因』でどれも『自殺』を振り分けるには都合がよさそうだ。
これらの増加分の合計は12987人でやはり自殺者の減少分に近い。
ちなみに『その他の不慮の事故』は自殺者数が減少傾向に入ったとされる2009年度から2010年度に4957人→6966人とあからさまな増加を示していて『傷病及び死亡の外因』もそのぶん増加している。
リーマンショックの影響にいよいよ耐えられない人が増えてきたのがこの年だったのか。
少なくともそう考える方が減り続けているとされる統計結果よりも実感に近い。
■2009年度■
傷病及び死亡の外因 73598
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不慮の事故 37756
交通事故 7309
転倒・転落 7312
不慮の溺死及び溺水 6435
不慮の窒息 9401
煙,火及び火炎への曝露 1364
有害物質による不慮の中毒及び有害物質への曝露 978
その他の不慮の事故 4957
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自殺 30707
他殺 479
その他の外因 4656
■2010年度■
傷病及び死亡の外因 75965
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不慮の事故 40732
交通事故 7222
転倒・転落 7517
不慮の溺死及び溺水 6948
不慮の窒息 9879
煙,火及び火炎への曝露 1338
有害物質による不慮の中毒及び有害物質への曝露 862
その他の不慮の事故 6966
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自殺 29554
他殺 437
その他の外因 5242
結論
交通事故死者数の減少は素晴らしいが自殺者数はたぶん減っていない。
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_general-report20190716j-03-w370
他の年齢層の自殺率は下がって若年層だけ上がるというのは奇妙な話だ。未成年の自殺は比較的しっかりと調べられて誤魔化すことができないからではないか。
全体の実態も20歳未満と同じく微増傾向にあるように思う。