煙草の匂いのする部屋を見ました。【ネタバレ含む】
こんばんは。くろさわです。
久々に推しのコントの感想を書きます。
今回のコントは『煙草の匂いがする部屋』です。
別れて同棲解消するカップルの彼氏が、彼女との部屋でタバコを吸って、最後の思い出作りをしようとするとするがうまくいかないというコントです。
結構前々からあるコントで、何度か見ていたのですが、今回のテイクがとても良かったので、どこが良かったのか書きます。
まず、カップルの温度感が良かったなと思います。前のバージョンだと、彼氏側が良くも悪くも「彼氏」って感じで、虚構っぽかったんですよね。
それに対して、今回はかなり人間っぽい温度感だったのが良かったです。
コントあるあるだと思うのですが、コントの中の彼氏彼女って、お客さんに対して この人は彼氏なんだ っていうことを認識させなければいけないから、すごく説明的な人間になると思うんですよね。
でも、そんなに説明的な人間はいないので、どうしても虚構っぽいというか、コントのなかの存在になってしまうところがあるかなと思います。
特に、今回のストーリーの筋だと【絵になる(虚構)に憧れてやるけどうまくいかない】っていうのが面白さ(愛おしさ)に繋がるので
役割としての彼氏(虚構)→彼氏がいい恋愛の終わりを作ろうとする(虚構の動き)よりも
人間味がある彼氏→ 彼氏がいい恋愛の終わりを作ろうとする(虚構の動き)
のほうが、振れ幅がでるので効果的なのかなと思います。
台詞回しもそうですね、どうしても居ない相手と会話するコントなので、説明台詞が多くなってしまうのですが、それもコントの役割=虚構コミュニケーションになるので、できるだけない方が振れ幅がでるのかなと感じます。
1番感心したのは、同じ銘柄のタバコを吸ってた時に、確か以前は、さくらちゃん同じ煙草吸ってるの?→破綻したの流れだったんですが、セリフが逆になってるのが良かったです。
人と話している時を想像すると、「同じ煙草吸ってるんだ」と言われて、「同じタバコ吸ってるの?」って返しの前に、リアクションをして、その後、確認で「本当に同じ?」みたいな聞き返しをするほうが、自然な流れに感じます。
この、コントとして必要な情報をいかにリアルに、いかに短い表現で伝えるのかっていうところに、色気が宿るのかなと思います。そういう意味でこのコントはめっちゃエロいなと思います。
たとえば、この技法は遠藤でも使われていて、
この一言目が、「遠藤、職員室やボタン」なんですけど、これめっちゃすごいんですよ。
こいつが遠藤であること、九月が演じる人間が先生であること、ここが職員室であること、これから説教が始まること、遠藤がおそらく普段から素行が悪いこと
をこの一言で伝える。これは本当にすごいと思います。これもめっちゃエロいですね。すごい。
九月のコント、面白いのはもちろんのこと、かなり技巧的なので、そういうところに着目しても楽しく見れるかなと思いますので、ぜひ見てみてくださいね。
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