
エンタメの死に方 キズナアイの決断
こんにちは、バーチャルアナウンサー京野聖也です。
最近Vtuber業界で大きな発表がありました。
今回はこの「キズナアイ独立」に関して私の思うところを書いていこうかなと思います。
なお今回の文章は「キズナアイの独立という判断を私がどう思うか」にのみフォーカスを当てるため、「キズナアイの過去の失策」に関しては書きません、書くととんでもなく長くなりますし、このnoteをご覧の皆様にはその説明は不要でしょう。
【エンタメコンテンツの生まれ方と死に方】
私の思うところを述べるためには、エンターテインメントの生まれ方と死に方をサクッと説明する必要があります。
まずは生まれ方から。
私は過去にゲームパブリッシャーにインターンシップに参加したときに、エンターテインメントコンテンツの企画の仕方や世に出すまでの工程を教わりました、その工程は時系列順にこちら。
➀テーマを決める
➁ターゲットを決める
③コンセプトを決める
④スタッフを集める
⑤お金を集める
⑥プリプロダクション
⑦本プロダクション
⑧生まれる
といったような流れです。
続いてはエンタメコンテンツの死に方です。
これに関しては私の考えなのでその限りではありません。
前提条件としてある程度ヒットしたコンテンツとします。
➀ヒットする
➁ヘビーユーザーとライトユーザーに分かれる
③運営がヘビーユーザーを贔屓にする
④ライトユーザーが離れ新規参入者がいなくなる(閉じコン化)
⑤刺激がなくなったり他のコンテンツの出現によりヘビーユーザーも離れる
⑥儲からなくなり死ぬ
このような感じです。
【健全なエンターテインメント】
最近スクウェア・エニックスの「グリムノーツ」というゲームがサービスの終了を発表したと同時に、石井諒太郎プロデューサーがnoteにてその理由を語りました。
かいつまむと「お金を使う人が減ってきている中で、それを補うように一部の人が大金を投じるようになってきていた。これは健全なゲームではない」ということです。
話題となったこの赤裸々なnoteですが、私はエンターテインメント界に一石を投じる英断であったと考えており、とても支持しています。
100万円儲けるにしても、1人から100万円課金するのと100人から1万円ずつ課金するのでは内容が大きく異なります。
現在のスマホゲームのマネタイズはガチャが中心、ヘビーユーザーに依存しているスマホゲームは果たして人々を楽しませるエンターテインメントとしての役割を果たしているのか、私はNOだと思います。
現在のVtuber業界は先ほどの死に方工程でいう④に入りつつあると考えています。
これまでのnoteも読んでくださっている方がいたとしたら「何回同じこというねん」と突っ込まれると思いますが、それでも私は声を大にして言います。
「閉じコンに未来はありません」
【キズナアイの判断】
では本題のキズナアイ(並びに運営)の判断を私がどう思うかに関してです。
全てはupd8代表取締役大坂武史さんのこのツイートにあります。
話をエンタメ生み方工程に移します。
➀テーマを決める~⑧生まれるまで工程がありますが、その中でも最も大切な箇所はどこでしょうか?
答えは③コンセプトを決める。
なぜならコンセプトは企画途中であれ運営途中であれ、迷ったときに戻るべき場所、つまり原点だからです。
それでは大坂さんのツイートに戻りましょう。
「ミッションであるみんなとつながりたいを実現するために」
という言葉があります。
あくまで建前かもしれませんが、この言葉からキズナアイ運営はこれまでの反省からコンセプトに立ち戻ることができたと考えます。
なぜコンセプトに立ち戻ったことをこれだけ私が評価しているかというと、コンセプトに立ち戻ることはとても難しいからに他なりません。
利益、運営、営業、技術などなど、忙しいときや順調なときほどコンセプトは忘れ去られてしまうものなのであります。
そもそもコンセプトに立ち戻ることを重要と考えていない人だっているでしょう。
コンセプトに戻ることができなかったばかりに消えてしまったエンターテインメントコンテンツなんて無数にあります。
そう考えたら、過去にファンを失望させたとしても、コンセプトに立ち戻ることができたのは喜ばしいことではありませんか。
私はその一点において、キズナアイの判断を支持しております。
【最後に】
私は正直に言ってキズナアイがあまり好きではありませんでした。
キズナアイが好きではなかったというか、「業界の先駆者であるキズナアイを皆が親分としたって崇めている雰囲気」が新興宗教のようで好きではありませんでした。
でも実際私がVtuberになったことや、Vtuberファンとしていろいろな情報を集めているなかでわかったことがあります。
それは「ファンを含むVtuber業界にとってキズナアイは、先駆者であると同時に希望の道しるべである」ということです。
業界のトレンドは動画から配信へと移り、はっきり言ってしまえばキズナアイはVtuber業界にとって過去の産物となりつつあります。
それでもキズナアイは希望の道しるべなのです。
根拠はなにもありませんが、閉じコン化へ向かうVtuber業界に希望をもたらしてくれるのは我らが親分であるような気がしてなりません。
新会社であるKizuna AI株式会社にはその役割を期待しています。
最後に、競馬やプロ野球に関する動画を制作しております。
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