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日記 2024年2月7日 謎の依頼と美濃桃山陶展(青山スパイラル茶会)とプロレスと


青山スパイラルのこの螺旋階段沿いの展示方法、上から作品が眺められるのがいいんだよね
鮮やかな桃色の水差しが美しかった
表参道交差点。マルジェラかな

今日は色々てんこ盛りの日でした。

まず午前中「赤ちゃんの写真を撮って欲しいんですが」と某アプリを通じて依頼。ニューボーンフォトってやつかな?と思ったら「あの、言いにくいんですがヌードを撮って欲しいんです」OK!赤ちゃん裸ん坊写真ねカワイイと思ったら

実は私たち夫婦は全身に刺青があるんですが、赤ちゃんと一緒に3人のヌードを撮って欲しいんです」なるほど!赤ちゃんはまだ真っ白のキャンバス。その対比で3人ね。「あ、いいすよ〜」と即答したものの、墨入ってるご夫婦のお家に行くのは、ちょっとやだな、と思ってスタジオを探すことにした。

真っ白のキャンパス、ってなんで赤ちゃんも墨入れる前提の話をしてるんだ?私。この出張撮影サービスで依頼してくる人は本当にいろんな人がいるし、割とどんな依頼でもOKしてるけど、お宅に行くのだけは本当に警戒してるのだ。

夕方からは青山スパイラルで今日まで開催されていた美濃桃山陶展へ。
茶会ではガチャガチャを引いて出た茶碗で、お茶を入れてくれる趣向だった。
粋だね〜。私が引いた茶碗は、黄瀬戸。大ぶりで分厚いけれど、軽く、メレンゲ菓子のような風合い。凹凸があるから手が当たる場所によって、熱の伝わり具合いが違うのが面白かった。

他にも瀬戸黒、志野、織部の焼き物があり色鮮やかで華やかだった。現代の作家さんによる大きい作品の中には曜変天目を再現したという作家さんのものもあり、上から見ると確かに星空のよう。茶碗の中に宇宙を見る、なんて豊かな感性なんだろう。

今習っているお茶の先生にお茶も点てていだだいた。織田信長や豊臣秀吉が愛した茶器は、華やかだけど、どこか無骨で少しいびつ。不完全なものも愛する、昔の日本人の大らかさを感じた。陶芸作品は、手法についてのレクチャーもあり、クリエイティビティの高さにも驚いた。

夜は一転、歌舞伎町へ。
プロレスラー坂口征夫選手の引退試合だった。
DDTのプロレスを観に行くようになって日が浅いんだけど、若くて元気な選手の中で、背中に墨入ってて、とんでもない色気と殺気を放ってる中年のレスラーがいて、この人誰なんだろう?と気になってた。異質だった。
昭和の名レスラー坂口征二の息子で、弟は俳優の坂口憲二ということは後から知った。

最初の5分はマットで組み合ったままの攻防が続き、その後のキックの応酬は、鞭のような鋭さで皮膚が裂けるんじゃないかと思うほど。さっきまでビール片手に「ウェーイ!」やってた客も固唾を飲んで見守っていた。温度差もの凄い、これがプロレスなのか・・!
今んとこDDTしか知らないけれど、まあ奥深い。

プロレスって、何かと対決する理由を作って少年漫画のようなマイクパフォーマンスで煽ったり、演劇的な要素も強いエンタメスポーツだと思った。だけど生身の人間が殴り合っているのは確か。虚構の部分とリアルの部分がないまぜになって、急にリアルが顔を出す瞬間に鳥肌が立つ。その瞬間がえげつないくらいの輝きを放つんだよね。

坂口選手が名残惜しそうに、リングを降りる姿、スポットライトも相まって山口百恵引退コンサートみたいだった。
帰りは新宿ベルクでコーヒー。ふいに宮本浩次「Woman”Wの悲劇”より」が流れた。ベルクのBGM最高か・・・












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