西九州新幹線、ミッシングリンクの正体
こんばんナマステ❤️Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️
ホリエモンこと堀江貴文氏が長崎訪問の際に、長崎新幹線の新鳥栖ー武雄温泉間が着工すらできていないことを批判して、
これに対して「佐賀に新幹線」はいらない的なリプライがついて、それに対してホリエモンがいつもの「●●だろ、ばーか」みたいな口調で返すという不毛な感じになっている。
はっきりいってどちらも考えが浅いので見てらんない。
とりあえず整備新幹線の建設を決めるのはあくまで地元であり、しない決断をした地元に対して「妨害」などというのは筋違いだと、先日書いた。
プロレスのノリだねぇ、ホント。
プロレスラーが他団体どころ他の格闘技の人を名指しして試合に誘い、応じないと「卑怯者」「逃げ」扱いするみたいなもの。
佐賀県内に新幹線を通すか通さないか決めるのは佐賀県であって、かつそれは国がそう決めたことなんだけど。
とはいえホリエモンが仰るように、新鳥栖ー武雄温泉がミッシングリンクになっているのは長崎県のみならず佐賀県にとっても大きな機会損失ではある。
インド人のインバウンドも扱う自分にとっては深刻な問題として、インド人はほぼ全員長崎に行きたがるのに、実際に行ったインド人がほとんどいないということがある。
理由はもちろん新幹線がないのでアクセスが不便だから。
インド人が長崎という地名を知っているのはもちろん原爆投下があったからだけど、
実際に来てもらえれば、コーチンに雰囲気の似ている和華蘭(わからん)街並み、世界遺産の軍艦島、雲仙など、広島でいう宮島に負けないコンテンツは提供できるのに。
ちゃんぽんも、味変できるようにガラムマサラとか置いておけば、多くのインド人に楽しんでもらえる料理だと思うし。
高速鉄道規格で走れるようにするかどうかは別にして、山陽新幹線から佐賀・長崎まで直結できるようにはしてほしいなというのが正直なところ。
じゃあ何でそーなってないのかもう一度考えてみたい。
整備新幹線の建設とそれによる並行在来線の分離は、当該都道府県の同意なしには遂行されない。
そして佐賀県は並行在来線の分離に反発して新鳥栖ー武雄温泉間の建設に同意していない。
建設するとなれば県の建設費負担もあるけど、これに関しては新幹線が建設されて関西から乗り換えなしで来れるようになるメリットの方が大きいかなと。
結局は並行在来線の問題。
先般書いたようにJR九州が新鳥栖ー武雄温泉間の分離はないと宣言すればそれで解決する。
そもそも江北ー武雄温泉間は実質的に並行在来線だけど建前は並行在来線ではないので分離はされない。大村線の新大村ー諫早だって分離されてないでしょ。
そして鳥栖ー江北間にしても、輸送密度は今回分離されなかった諫早ー長崎間を上回るし、鹿児島線で分離されなかった久留米ー八代間、川内ー鹿児島中央間を上回る。
だから本来でいえば経営分離する必要はないわけよ。
じゃあどーしてJR九州はそー言わないのか。
答えは佐賀県ではなく長崎県にある。
仮に新鳥栖ー武雄温泉間をフル規格で開通させたとして、博多ー佐世保間の特急みどりを無くすことができないわけよ。
例えば長崎行きは新幹線、佐世保行きは在来線経由にした時、特急みどりは新幹線の停車しない二日市・鳥栖・神埼・江北に停車する代わりに新鳥栖を通過するという棲み分けが考えられる。
また江北まで肥前鹿島・肥前浜行きの特急かささぎ、早岐までハウステンボス行きの特急ハウステンボスを併結して走るオペレーションにすればいい。
でも、それはJR九州が絶対にやりたくないことなんだよね。
西九州新幹線で一番利用が多いのは博多ー佐賀間だけれど、この区間で新幹線かもめと特急みどりが重複して走ることで収支が共倒れになることを恐れている。
現実にJR九州は九州新幹線開業後、博多ー熊本間の特急有明を当初は微妙に残していたけれど、結局廃止してしまった。
九州新幹線に都市間輸送を集中させたということになる。
JR九州としてはこの区間を経営分離しない限り、特急みどりを残さなきゃいけないことを危惧している。
この話をホリエモンが知ったら、なんでそこまで佐世保に忖度するのか、武雄温泉乗り換えでもいいだろ、と言い出しそう。
佐世保に忖度しなきゃいけない理由は、
①原子力船むつの事故によるバーターとして当初の西九州新幹線は佐世保市内を経由することになっていた。
②佐世保経由では建設距離が長すぎて長崎までの時間短縮効果が薄いうえに建設費が高騰するためJR九州が武雄温泉ー新大村間のショートカットを言い出し、①の約束は反故にされた
ということがある。
JR九州が思い描くシナリオは鳥栖ー江北間の経営分離による特急みどり廃止、武雄温泉ー佐世保間に新幹線かもめからのリレー快速を走らせることだろう。
佐世保市との政治的な交渉から逃げるために、本来なら経営分離する必要のない佐賀近郊区間を切り離すわけ。
これに対して、鳥栖ー江北間をJRの路線として残すには、博多ー佐世保間を直通する列車をなんらかの形で確保すること。
それを単純に在来線経由で残す場合、JR九州が絶対に拒否をする。押し通すなら佐賀・長崎両県はかなり大きな額の補償をJR九州に貢ぎ続けなきゃいけない。
それを避けるなら博多ー武雄温泉間で新幹線を経由する佐世保行きの列車を走らせる必要が出てくる。
一般論として新幹線と在来線はレールの幅が違うので直通できないけれど、
①新幹線と同じスタンダードゲージ(1,435㎜)の新線を建設する(新幹線の支線を建設する)
②在来線のレールをスタンダードゲージに替える(山形・秋田新幹線方式)
③フリーゲージトレインを導入する(本来の西九州新幹線で予定されていた方式)
このどれかによって実現は可能。
①は今度はそれによって、既存の佐世保線をどーするのかという問題も出てくるので非現実的。佐世保線の複線化名目にして現在線にプラスしてスタンダードゲージの単線を整備するという感じかな。
②が一番現実的。佐世保線は基本的に袋小路なので他の在来線と直通できなくてもそんなに問題ないけど、早岐ー佐世保間では大村線が乗り入れてくるため、レールを3本敷いて新幹線と在来線の両方が走れるデュアルゲージという方法を採用する必要がある。
③はそもそも上手くいかなかった方式を今更持ち出してきても… という話ではあるけれど、博多ー佐世保間の運転でよければ、そこまで高速で走らせる必要がない。
ただ、現在も佐賀県が200km/hでのフリーゲージトレインの運行を訴えているのに対して、国が承知していないので画餅でしかない。
でも、近鉄が京都ー吉野間で導入する予定のフリーゲージトレインが実現すれば話も変わってくる。
近鉄京都線が105km/h、橿原・吉野線が100km/h、佐世保線が95km/hなので、近鉄のフリーゲージトレインが実現すれば、新幹線内105km/h、佐世保線内95km/hなら可能。
もっとも特急みどりは博多ー江北間では130km/hなので、本気でそれをやれば大改悪なんだけどね💦
武雄温泉での新幹線から在来線への行き来の時間も考えると、新幹線内で160km/hくらいは出さないといまのクオリティを最低限維持はできないことになる。
すぐにってわけにはいかないのかな。
もうひとつ新鳥栖ー武雄温泉間の新幹線をデュアルゲージにする方法もある。
博多ー新鳥栖間は在来線経由、新鳥栖ー武雄温泉間は在来線最速の160km/h以上で走るというイメージ。
これが一番アリな気はしてきた。新線区間のデュアルゲージ化なので運休が発生しないし。
新鳥栖ー武雄温泉間は完全に在来線が並行してるのに、わざわざ在来線特急が新幹線を走れるようにするのは阿呆くさいけどね😓
これで佐賀県・長崎県・JR九州・国のすべてが妥結でき、建設費もそこまで高くならないならいいじゃん、それで。
特急が走らなくなった在来線は通過待ちがなくなって速くなるのが岩手や富山などで起きていることなので、在来線の方もかもめのみならずみどりも無くなれば便利になることでしょう。
ひとまずどちらでも転べるように路盤を敷いておき、いざレールを敷く段階で新幹線のデュアルゲージとフリーゲージトレインのどちらが現実的なのかを決めればいいんじゃないかな。
それじゃあバイバイナマステ❤️暑寒煮切でしたっ✨
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