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首都圏カレーフェス進化論④カレーフェス勃興の先にあるもの
はじめに
こんばんナマステ💛Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️
今日は首都圏カレーフェス特集第4弾をやっていくよ‼️
第1弾では首都圏カレーフェスの「第一世代」横須賀と土浦を取り上げ、
第2弾は「第二世代」として神田、下北沢、武蔵小杉を取り上げ、
第3弾ではコロナ禍に直面してカレーフェスはどーなったのかを取り上げた。
今日は時期はコロナ禍と前後するけど、「第二世代」登場後、首都圏の色んな街で行われているカレーフェスの少しその先のかたちを書いてみたいと思う。
今回のシリーズは昨年秋のClubhouse『インドの衝撃(インド大学)』で話した内容をベースにしてるけど、今年の情報を入れて少し加筆してるので完全に同じでないことを注意してほしい。(約29分)
それじゃあ今日もカレーだけに華麗に書いていくよっ✨
フローからストックへの進化❓
カレーフェスと呼べるかどうかは微妙なんだけど、確実にカレーフェス「第二世代」の影響を受けている街として千葉県柏市がある。
2019年夏にかしわカレースタンプラリー、2021年春、そして今秋にかしわカレークエストと題したスタンプラリーが行なわれているけれど、
この母体は2018年より発行されている『かしわカレー図鑑』というフリーペーパー。
フェスのような大きなうねりはないけれど、常時柏のカレー文化を盛り上げる装置として市内外に浸透していて、この土台を有してのスタンプラリーがコロナ禍でも行なわれている。
各地に「第二世代」のカレーフェスが乱立して効果が薄くなっている今、より地域に密着できるかたちとして注目できるのではないかな。
ただし、一見してコロナ禍に強いモデルに見えるがコロナ禍が理由でフリーペーパー出資者との契約が打ち切られてしまう危機に陥る。
新号発刊を掲げて2020年12月よりクラウドファンディングを募ったところ1ヶ月強で予定の70万円を上回る846,500円を集めた。
それだけ柏市民やカレー好きに愛されてきたことが証明され、昨年は満を持してのカレークエスト開催、カレー図鑑の新号発刊に至った。
今年もカレークエストと新号発刊を果たしており、柏のカレーインフラとしての地位を確立しつつある。
競争から共創へ
2020年2月には横須賀にて「カレーの街よこすか20周年シンポジウム」と題して横須賀、神田、下北沢、武蔵小杉、柏の仕掛け人が集結してディスカッションが繰り広げられた。
当日ファシリテーターを務めたカレージャーナリストはぴぃさんが議事内容をまとめてくださっている。
これまでも各地のカレーフェス同士は公式非公式に交流がなかったわけではないけれど、こういう場で経験・知見を共有してネットワーキングできたことは大きい。
カレーの街連携プロジェクトなんてのも始まったらしいし。
コロナ禍が無ければ各地の交流の成果が既に出てくる頃だったのではないかと思われるけど、ちょうどこの月の途中から世の中は荒廃していく😢
横須賀の商工会あたりでこの企画が持ち上がった時には、異論もあったんじゃないかと思う。後発のカレーフェスなんか呼んでどーするのかってさ。
でも元祖の座に胡座をかかず、他に学ぶ横須賀の姿勢には頭が下がる。
ただ不思議なのはご当地カレーのシンポジウムにしなかったということ。
それこそトマトカレーでブイブイ言わせてる北本とか呼んで披露し合うという場にはしなかった。
それについては前例があり、そこに横須賀も呼ばれていたから二番煎じはしたくないと思ったのかもしれないけど、
それ以上にこれまでやってきた海軍カレーのゴリ押しに疲れてきてるんじゃないかという気がする。
やはりこのシンポジウムのレポートなんだけど、興味深いことが書かれている。
レトルトカレー販売で有名なヤチヨの鈴木社長より、横須賀のカレーの実態の説明あり
外食の飲食店でカレーを食べる客は、観光客がほとんど。市内在住者は飲食店でカレーを食べていない。
海軍カレーが有名になりすぎ、護衛艦カレーが芳しくない
一生懸命「カレーの街」を売り出して観光客は来るようになった。だけど、それがまちづくりには貢献できてないんじゃないかっていうのが横須賀の課題なんだろう。
そこで、盛り上がりを見せている首都圏各地のカレーフェスに学びたい気持ちがあったんじゃないかって思ってる。
カレーは家でつくるもの、というのは日本人の大半の常識なので、別に外食しないことはいいんだけれども、
横須賀市民は「カレーの街」として横須賀が有名になっていくことに対して置き去りにされている状況があり、それは海軍カレーの当事者達も気がつき始めている。
自分も以前、似たようなことを横須賀のレディオで喋ったし。
なお、シンポジウムに至る前段として、2019年のよこすかカレーフェスティバルでは下北沢と神田を招待してカレー焼きそばの味を競う企画があったことを付記しておく。他のカレーフェスとの外交が始まっていたのだ。
逆説的カレーフェスと相互送客の模索
昨年秋、渋谷で新しいカレーフェス、Japanese Curry Festivalが始まった。
各地から新進気鋭のカレー店が渋谷に集結して期間限定店舗を開き、地元渋谷のカレー店も参加するという内容で、
地域振興の意味合いもなくはないだろうけど、全国各地からカレーを呼び寄せる「第一世代」、カレーを媒介にしたまち歩きをさせる「第二世代」の方法論を忠実に継承しつつ、
これまでのカレーフェスが掲げてきた「カレーを通じた街おこし」から「街を使ったカレー文化の振興」という意義の反転に思える。
ということを仕掛け人であるカレー細胞さんに言ったら、その通りだと肯いてくれた。
実はこれ、カレーフェスの進化の過程の最新形でもある。
横須賀は海軍カレー押しで地域の店は基本的に無視、
土浦は横須賀を模倣しつつも結構地域の店も参加させており、
神田は地域の店を主役にして、
下北沢は完全に地域の店を廻るかたちとし、
渋谷は地域の店に全国各地の店が入り込んで地域の店と協調、競争していくという流れ。
また行政や商工会主体の横須賀から民間主体の下北沢、渋谷というのもそう。
また昨年については開催時期の重なった神田、下北沢、渋谷が合同で相互参加者向けのスタンプラリーが行なわれた。
横須賀のシンポジウムでの話し合いが活きたのだろうか。
しかし今年は渋谷は暦の上では秋、要するに8月に行われ、下北沢は10月をまるまる使い、神田のスタンプラリーこそ両地と重なるけど3年ぶりのグランプリ決定戦は11月と日程が重ならなくなり、このような相互誘客の取り組みも消えた。
カニバリズムを防ぐために分散させたと考えることもできるけど、それならそれで他のカレーフェスを告知したり、相乗り出店などがあってもいいのではないかと思う。
相互誘客についてはまだまだ模索中といったところかなぁ。
おわりに
首都圏のカレーフェスについて横須賀、土浦、神田、下北沢、武蔵小杉、北本、柏、渋谷の事例をここまで取り上げてきたけど、
バラバラに取り組まれているようでも実際は結構互いを意識し、後発のものは必ず先発のものにない要素を入れてくるのが面白い。
といっても「第二世代」の成功を受けて、あちらこちらで似たようなのやってて、それらはとりあえず自分が調べた限りは新しい価値というのは見つけることができなかったから取り上げていない。
今後何かこれは面白いなというものが見つかれば、それはそれで紹介したいと思う。
カレーフェスについての総論的な話を次回書くつもりだけど、それは具体例というよりは抽象論になる予定。
そして、来週火曜日20:00から『インドの衝撃』でブータンについて話すからみんな聴いてねっ🇧🇹🇧🇹🇧🇹
それじゃあバイバイナマステ💛暑寒煮切でしたっ✨