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【twitter space連動】明日から多分ラマダーン🌙

こんばんナマステ💚Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ🌙

今日は恐らく明日3月22日の日没からイスラームの断食月ラマダーンが始まると思うので、それについて『インドの衝撃(インド大学)』のtwitter spaceで喋るので、その内容をここで書いておく。

Clubhouseの方では昨年、割とかっちり話したので、

そんなに深-く話していくつもりもなく、基本的なことだけ確認してあとはみんなでディスカッションできたらいいなぁと。

twitter spaceの方はオンライン旅行会社のステマブログのレヴェルで話す、ということにしているので。

まずどーして『インドの衝撃』でラマダーンの話をするのか、という点について。

13世紀からはじまるデリースルターン朝以降、19世紀に滅びるムガール帝国までインド史の主役はイスラーム王朝であり、パキスタンと分離独立後の今でもインドの総人口の約2割、世界的にもインドネシア、パキスタンの次にムスリムの絶対数が多いのがインド。今世紀終わり頃にはムスリムの絶対数で世界一になるとも言われている。

地域差はあるけれど、イスラームを無視してインドを語ることはできないし、観光という面においてもそれは同じ。ラマダーン中にインドを旅することはプラスにもマイナスにも働く。

そういう予備知識を持ってもらえたら、ということで話をしていく。

まずラマダーンはイスラームの暦であるヒジュラ暦で9月を指し、意味は「熱い月」。

ヒジュラ暦は純粋太陰暦、つまり太陽の動きを一切気にすることなく月の動きだけを基に決めていくため、1ヶ月の期間は非常にきっちりしているけれど、季節とは合わない。そのため、太陽暦から見ると毎年ヒジュラが約11日ずつ前倒しになっていき、33年で一周する。ムスリムは一生に2度同じ季節のラマダーンを経験すると。

今年のラマダーンは理論的には3月22日の日没から4月21日の日没までということになるけど、実際にそうはならない。

なぜかというと長老2人で新月を目視してラマダーンの始まりを宣言しないと始まらないんだな。

日本新月観測委員会も存在して都庁などで観測しているけど、見えた例もなく、一番近いイスラーム国家であるマレーシアの観測に従うことになっている。

ということで、国、地域、あるいは宗派というよりは学派というもので見えたとこと見えなかったとこでは期間がズレる。

さて、断食というのはずーっとやっているわけじゃなく、太陽が出ている時間は食べちゃいけないし、水も飲んじゃいけない。酒はもともとダメだけど、タバコも禁止、性行為も禁止。積極的に寄附を行うことともされている。

したがって未明に起きてある程度飲み食いしておき、日没とともに飲み食いしまくる。ご馳走が出てきて、親族なり友人なり集まって毎晩パーティーになるんだよね。

この晩餐のことをイフタールと呼び、日本人にはおせちと説明したらわかりやすいと思っている。イフタールは本来朝食を意味する言葉で、イスラーム圏の1日は日没から始まる。つまり朝活なんだよね。

なぜこんなことをするのかというと、元々はイスラームを開いたムハンマドがメッカからマディーナに移ったヒジュラの辛さをみんなで追憶するという意味がある。

すると気分が高揚するので、イフタールに食べ過ぎてかえって肥るというし、寄附を逆手にとってイスラーム圏ではラマダーン商戦が行われるからみんな爆買いする。景気刺激策なんだな。

ラマダーン期間にはラマダーンムバラクやラマダーンカリームという挨拶が使われるけど、あけおめ、メリクリ的なハッピーオーラに包まれたもの。決して苦行というわけじゃない。

今日はたまたま春分の日なので昼が約12時間。これくらいならちょうどいいし、実際メッカは北緯21度で夏至でも昼間が13.5時間しかない。ムスリムの大半が緯度の低いところにしか住んでいない理由をご理解いただけだたろうか。

今は欧米への移民が増えているけど、それこそ夏に昼が20時間を超えるような国でのラマダーンは地獄でしかない。しかしこの先しばらくは逆にラマダーンが北半球の冬に差し掛かっていくため、欧米への移民は増えていくだろう。

緯度の低い地域においてであれば、年に1度みんなで断食することによって、コミュニティの連帯感が高まっていく合理性を持ったシステムなんだよね。

なお、断食は旅行者、重労働者、妊婦、乳幼児、老人、病人などは免除され、コロナ禍においては医療従事者の断食免除も発表された。旅行者と軽い病人は完全免除というよりは後で断食をし直す。国民年金の免除制度みたいな。子どもはだいたい10歳くらいから始めるらしいけど明確な規定はない。

重労働者というのはもちろん肉体労働者だよね。ラマダーン期間中に橋が壊れました。お腹空いて橋を直せません、お腹空いて注意力が散漫になり事故に遭いました、じゃ誰も得しないでしょ。だから彼らは断食しなくていい。

アスリートは重労働者に含めるべきだと思うのだけど、なかなかそうはならない。昨年カタールで開催されたサッカーワールドカップが11月終わりから12月だったのは現地の気候もあるけれど、4月のラマダーンから外れてコンディションを整えられる時期というのもある。

さて、イフタールではイスラーム圏共通でまずデーツ(ナツメ)から食べる。これはムハンマドの好物とされているけれど、ずっと食べてなかったからまずは血糖値を上げていかなきゃ、という意味で合理的。そのあとフルーツをつまみつつ、あとはその国や民族によって料理は異なる。中東や中央なら羊を中心に結構ガッツリした肉料理になるし、南アジアならやっぱりカレーやビリヤニ。

それだけイスラーム圏のなかでデーツが流通しているってことだし、フルーツってのもトロピカルな宗教ってことかな。

基本的に無料で振舞われるものだけど、日本のレストランとかイスラーム団体ではお金を取ってイフタール料理を出すようなところもある。

ラマダーン明けにはイードアルフィトルという大祭が繰り広げられ、これが本当にみんな楽しみにしていたガチパーティーになる。この時の挨拶はイードムバラク。

2020年のラマダーン期間ではイフタールがクラスターになったため、2021、2022年のラマダーンではおうち時間でのイフタールが奨励された。それだけに今年のイフタール、イードを心待ちにしているムスリムはたくさんいる。

日本人でもこの3年間はイフタール、イードへの参加を自粛していた人がいるだろうから、今年こそ久々に、とかイフタールデビューをしたいと思っている人がいるんじゃないかな。

近年は国内のあちらこちらにモスクやマスジドができているし、そうじゃなくてもトルコ料理とかなんかしらのムスリムの居場所はあるだろうから、そういうところで勇気をもってラマダーンムバラク❣って言ってみたら、イフタールに参加できるかもしれないよ。

また、インドだけでなくイスラーム圏に旅行へ行く時は一定の注意が必要。

例えば店や観光施設がやっていない、交通機関が動かないということは当たり前にある。インドの場合、特にムスリムの多いベンガルでは結構そういうイスラーム圏に近い状況がある。

この期間は普通の観光をする、というよりはラマダーンを楽しむ、という頭で旅をした方がいい。

特に日本人は気に入ってもらえて、イフタールにお呼ばれされる可能性高い。そこでパリピになっちゃえばいい。

基本的に彼らがフルでおもてなしをするものではあるけれど、総じて甘いもの好きだから、日本からなんか甘いお菓子でも持っていったら喜ばれるんじゃないかな。

今回はあんまり深くしない方向で、なぜそれがそうなっているのかって話を全然しなかったけど、そのへんが知りたい人は是非昨年の記事を読んでほしい。

それじゃあバイバイナマステ💚暑寒煮切でしたっ🌙








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