全国ご当地カレー27選
はじめに
こんばんナマステ💛Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ✨
よくご当地グルメ、ご当地ラーメンがあるならご当地カレーってあるの❓って聞かれるけど、答えとしてはあるけどラーメンほど多様じゃない、になるのかな。
というのはご当地ラーメンって札幌ラーメンとか博多ラーメンとか、基本的には自然発生的に出てきたものであって、まちおこしのために創作されたものもあるけど、基本的に前者がご当地ラーメンだと認識されているし、自分もそれを支持する。
カレーの世界では超大物である水野仁輔氏もほぼ同じ認識の様子。
翻ってご当地カレーというと、まちおこし創作系が大半で、しかも道の駅で売るレトルトカレーの開発が主じゃないかと。
個人的にはそこに魅力を感じないし、現地に行っても基本的に食べない。食べるのはその土地の老舗か、少なくとも県庁所在地クラスなら1〜2店はあるスパイスカレー的な店か。ガチでやってるインドなりスリランカなりの店があるならそれでもいい。
ということで、自然発生的に出てきたご当地カレーってどんだけあるのかと前々からずっと思ってきた。
そこで以下の基準で、自分なりにご当地カレーをまとめてみた。
➀カレーないしカレー粉などを使った料理
②自然発生的に生まれ地元の人たちに愛されている料理でまちおこしのために創作されたものでないこと
③単一の店舗、資本などで完結していないこと
➃広く普及しすぎて地域性を失っていないもの
⑤インドをはじめとした各国人が現地の味をほぼそのまま出しているものは除外
⑥カレー味のアレンジがあるご当地グルメは除外
⑦ご当地グルメをくっつけたカレーも除外
①、②はいいとして。
③は例えば帯広の「インデアン」、新潟のバスセンターのカレーなどは超がつくソウルフードかもしれないけど、他の店が模倣するといったことがないのでご当地カレーとは考えないことにするということ
➃は例えばカレー南蛮やカツカレー、カレーパンは東京発祥かもしれないけど、全国的に普及したので東京のご当地カレーではないでしょ、って話。日本ラーメン協会はつけ麺を東京のご当地ラーメンとしてカウントしているけど疑問を感じる。
⑤は東京西葛西のインド料理、富山県射水市周辺のパキスタン料理、大阪や茨城・千葉のスリランカ料理などは基本的に現地の味をそのまま出しているので、ご当地カレーというのはちょっと違うのかなと。もちろん外国人の料理人がそれを独自にアレンジしてその地に根付いたものはこの限りではない。
⑥はカレー味がレパートリィとしてあるご当地グルメは割と多いのだけど、デフォルトがそーじゃないのは除外。新潟のイタリアンとかね。
⑦は磐田のおもろカレーとか都城のチキン南蛮カレーとか、それっておもろやチキン南蛮の派生であってもカレーそのものにあんまり意味がないわけで。特産品を使ったカレーの亜種でしかないと思う。
この基準でリストアップしていった結果、日本全国で27種類見つかった。
断っておくけど、全然決定版なんて思ってなくて、多分何かしら知ってるはずなのに見落としてるものもあるし、生まれも育ちも関東なのでどーしても北や西の知見が及ばないのは事実。
だからこれを読んで抜け落ちてるものがあれば遠慮なく指摘してほしい。
それでもこーやってまとめてみることで、軽佻浮薄なレトルトばかりが並ぶご当地カレーの世界に対するささやかなカウンターになってくれたら嬉しいな。
じゃ⚫️んの人とか気を悪くしないでね😘
なお、イメイジ付きやすいようにできるだけ写真を載せたいけど、著作権の関係で無理なものもあるので、そこはご理解いただければ。
ってなことで北から挙げてくね❗️
1.スープカレー@北海道札幌市
初っ端にして最もご当地カレーらしいやつ。老舗から新進系まで様々だし、系譜もいろいろ。地元民も観光客もみんな大好き。元がラーメンスープの作り方ということもあり、ラーメンスタイルで出す店もある。
2.ルーカレー@北海道札幌市
札幌ではスープカレーの反動で、欧風テイストのルーカレーも盛ん。札幌の人と話していると、普通のカレーライスもルーカレーと呼ぶみたいだけど、店舗で出しているのは濃厚な欧風が主流。
3.無水チキンカレー(パキスタンカレー)@北海道札幌市
札幌第3のカレーとしてインスパイアする店が多くできているのが、札幌のなかでもだいぶ南の果てにある名店「カラバトカリー」が生み出した水を使わないパキスタン・パンジャーブ州風のチキンカレー。どちらかというと札幌の外の人が無水チキンカレー、地元の人がパキスタンカレーって呼ぶ傾向にあるのかな。
4.カレーそば@北海道夕張市
炭鉱マンに愛されたとろみのあるカレーの入ったかけそば。同じように炭鉱の街だった芦別にはガタタンというとろみのついたスープがあり、極寒の土地で肉体労働に従事する人達の癒やしだったといえる。
5.カレーラーメン @北海道苫小牧市、室蘭市
苫小牧市の「味の大王」が始めたけれど、室蘭に行った暖簾分けによって室蘭でも波及。室蘭出身の元モーニング娘。安倍なつみが言及したことで一気に室蘭名物に昇華。対抗意識から苫小牧でも近年アッピールをしている、というところ。大前提として北海道のラーメンは塩から始まり、正油(醤油)、味噌と味を加えていったので、新しい味を入れやすい。これは次項にもいえる。
6.味噌カレー牛乳ラーメン@青森県青森市
青森に渡ってきた札幌ラーメンが青森で独自進化。地元で愛されている煮干しラーメンよりインパクトがあるので、観光アッピールに使われている印象。
7.カレー焼きそば@福島県会津若松市
濃厚なカレーと太麺がよく絡む。新潟との交流が強い土地で、新潟のミートソースが載った焼きそばであるイタリアンの影響も指摘されている。
8.インド煮@栃木県鹿沼市
鹿沼の給食メニューとして生まれたカレー味の煮物。道の駅で売っているので観光客も気軽に食べることができる。
9.ビルマ汁@栃木県芳賀郡益子町
戦地から帰ってきた人達が現地で食べたスープ(ヒン❓)が忘れられずに、カレー粉など益子で手に入るものでなんとか再現しようとしたもので、それから今までソウルフードであり続けた。夏野菜をふんだんに使うので基本的に夏の料理。
10.カレー焼きそば(カレー麺)@千葉県香取市旧小見川町
会津若松や宮津と違い、スープタイプのカレー焼きそば。これだけでなく元々カレーつけ麺があったり(都内へ進出したが小見川の店はなくなってしまった)、カレーラーメンを置く店舗が珍しくなく、総称してカレー麺と呼ぶべきだという声もある。
11.カレーラーメン@千葉県我孫子市
我孫子には局地的にカレーラーメンが根付いてるんだって。
12.カシミールカレー@千葉県東葛地域
全国結構いろんなところに元を辿れば東京湯島の「デリー」に繋がる系譜の店があるし、それは松戸や柏を中心にした東葛地域でも「ボンベイ」という店が強いんだけど、東葛の場合それと関係あるんだかないんだかって店がカシミールをはじめとした「デリー」系のカレー出してて、ちょっとした地域文化になってる感があるので入れてみた。ちなみにインドとパキスタン➕中国が領有権を争うカシュミール地域とは関係ないし、カシュミールチリも使われていない。
13.半身揚げ@新潟県新潟市
鶏肉の半分を揚げた料理で、同様のものは他の地域にもあるけど、新潟のそれはカレー味。新潟市のカレーというとバスセンターのイメージが強いけど、それは自分の定義ではご当地カレーとはいえないのでこちらを選んだ。
14.カレーラーメン@新潟県三条市
室蘭と並ぶカレーラーメンの有名な土地で、こちらは本州系の中華そばがベースなので室蘭とは味わいが全然違う。東京のラーメン評論家が当初、隣の燕市の背脂煮干ラーメンを燕三条系と呼んだせいで三条カレーラーメンが霞んでしまったけれど、現在は三条はカレー、燕は背脂煮干という認識が全国的に固まってきた。もちろん三条市内にも背脂煮干の店は進出しているし、逆に燕の背脂煮干の元祖の店でもカレーラーメンがメニューにあるのを確認したので、両市において両方の文化が併存しているといえる。
15.金沢カレー(加賀カレー)@石川県金沢市、加賀地域
黒い濃厚なグレイビーにキャベツが載り、予めソースがかかったカツカレーがメインでフォークで食す。チェーン店や松井秀喜氏のおかげで知名度が高い、ご当地カレーらしいご当地カレー。ベースは金沢の洋食文化にあるけれど、広まり方としては小松市など加賀地域全体という感じなので、個人的には金沢カレーより加賀カレーの方が正確ではないかと思う。松井秀喜氏だって金沢市出身じゃないし。
16.もつカレー@静岡県静岡市清水区
元祖はカレー味のもつの土手煮だけども、後進の店はカレーライススタイルにしたり、近年はラーメンにしたり。静岡市に併合された今では静岡おでんと並ぶ静岡市の2枚看板と呼べるグルメになっている。ただ、清水は静岡とは違う味噌おでん文化があり、そちらがまったく知られていないのは市町村合併の影の部分。
17.カレーうどん@愛知県名古屋市
カレーうどん自体は東京または大阪発祥と言われているけれど、名古屋では鶏ガラベースのスープに濃厚かつスパイシーなカレーを加えた独自の食文化として定着し、とくに「若鯱屋」が全国にそれを広めている。余談だけど、味噌煮込みうどん風に生煮えの麺を食すカレー煮込みうどんというのも最近売り出されているけど、マーケティング感が強いのでリストアップ保留中。
18.インディアンスパゲッティ@愛知県名古屋市
名古屋のパスタ文化として、インディアンと頼めばカレー味で出てくる。喫茶店文化が恐らく始まりだけど、名古屋めしのひとつ鉄板スパゲッティでもそれが受け継がれている様子。台湾ラーメンでもインディアンといえばカレー味の台湾ラーメンが出てくる店があるので、そういう符牒なのだろう。
19.カレー焼きそば@京都府宮津市
台湾人による町中華がカレー焼きそばを始めて以降、多くの店が模倣して広まったといい、ドライタイプとウェットタイプがある。店舗数からしても会津若松より盛り上がっている気がした。
20.大阪カレー@大阪府大阪市
生卵を加えてかき混ぜるスタイルで、立ち食いのカレースタンドもかつては多かった。スパイスカレー全盛の今でも根強い。
21.スパイスカレー@大阪府大阪市
今の日本で一番カレーが盛り上がっているのは間違いなく大阪のスパイスカレー。大阪の伝統的カレーに対するアンチテーゼとして小麦粉を入れないスタイル、かつ近年は和出汁を加えたものが主流になっているが、もうなんでもアリ。ただ、混ぜて食べることが多く、そこだけは大阪のカレー文化を継承している。
22.えびめし@岡山県岡山市
東京渋谷のカレー店が生み出した料理だけど、岡山ののれん分けの店のおかげで岡山で一気に定着した。カレー粉、ソース、ケチャップなどで炒めたえびのチャーハンってとこかな。
23.フィッシュカツ@徳島県東部
魚のすり身をカレー味に揚げたソウルフードで、カツといえばフィッシュカツを指すほど。酢橘を絞って食べるのはやっぱ徳島だなぁと思う。
24.焼きカレー@福岡県北九州市門司区
ライスの上にカレー、チーズ、卵を載せてオーヴンで焼く料理で、日本三大ご当地カレーといえば、札幌スープカレー、金沢カレー、そして門司港焼きカレーと言い切っても、あまりみんな文句がないと思うくらいソウルフードと観光資源を両立している。ただ金沢カレーと焼きカレーはイノヴェイションが起きにくい気はする。ちなみに西日本各地にカレー焼きという細長い鉄板焼きのなかにカレーが入ったものがあるけど範囲広すぎなので加えなかった。
25.九州ランカ@九州各地
本来のスリランカカレーはとても辛いものだけど、九州ではココナッツをふんだんに使い九州らしく非常に甘く仕上げた店が多く、そして老若男女が食べに来ている。天才的なローカライズだと思うよ。
26.トルコライス@長崎県長崎市
今ではすっかりカステラやちゃんぽんに並ぶ知名度を得た、オトナのお子様ランチというか。とんかつにナポリタンにカレーピラフ、店によってはさらにカレーソースをぶっかけるカレーの天国。実は日本各地にトルコライスがあるけど、カレー要素が必須なのは長崎だけ。稚内もトルコライスが根付く街でカレーが入る店もあるけど、そーでない店もあるので結構迷ったんだけどリストから外した。
27.黄色いカレー@沖縄県
沖縄といえば黄色いカレー。沖縄にたくさんある⚫️⚫️食堂における定番。こちらが本来のジャパニーズカレーであり、欧風カレーに引っ張られて飴色玉葱をふんだんに入れた固形ルゥによって茶色や黒のカレーだらけになってしまったヤマトと違い昔のカレーを遺しているといえる。韓国・北朝鮮・台湾のカレーも黄色いからね。それだけでなく元からうっちん(ターメリック)が好きな沖縄の人は、それをたくさん入れてるという理由もありそう。
おわりに
書いてみて思ったのは東京のご当地カレーにあたるものを見つけられていないのがなんか悔しいなと。カレーパン、カレー南蛮のように生み出されても発信力が強すぎて全国的に普及してしまうし、多様なものが集まるからこそローカルなものが見出しづらい。
そしてご当地カレーを見つけられなかった県もあり、継続的な調査が必要だと感じた。まだまだあるはずなんだ、絶対に。
ということで情報お待ちしてます💕
それじゃあバイバイナマステ💛暑寒煮切でしたっ✨