開業169年の鉄道一流国インド🇮🇳から見た開業150年の鉄道三流国日本🇯🇵④線路はどこまでも続かない
こんばんナマステ💚💚🧡💙💙❤️Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️
インドに遅れること19.5年、1872年10月14日に新橋(現汐留)ー横濱(現桜木町)間に日本初めての鉄道路線が開業してから150年が経ち、
日本人のほとんどは19.5年の差を埋めたどころか、むしろ70年以上差をつけていると思っているけれど、
実態は真逆でスペックの低いレールを放置してきた日本はインドの鉄道よりも低いパフォーマンスを強いられている。
JR西日本のローカル線に乗ってスマホもまともにいじれないほどの揺れを感じると、日本は本当に衰退してしまったんだな、と痛感する。
そんなことを書いてきた過去3回に続いて今日も書いていくよ❗️
日本の鉄道が失われた150年になってしまった理由は3つあり、ひとつめの蹉跌はスペックの低いレールを採用してかつそれを放置していることを挙げた。
今日は2つ目の蹉跌を書いていきたい。
線路には幅があり、そして幅は広い方が基本的には優れているけど急カーヴを曲がりにくいのと導入コストが高いと書いてきた。ただし、カーヴに関してはだいぶ車両の性能が向上してきているので今となってはそんなに気にすることでもない。
幅についてもうひとつ重要なことがある。
それは原則として同じ幅でなければ、車両は走れないということ。
そうはいっても1,676㎜のインディア=ゲージを用いるアルゼンチン🇦🇷では関係の深いスペイン🇪🇸から輸入した1,668㎜イベリア=ゲージ用の車両を特に改造もせず走らせている。8㎜程度の差ならなんとかなるくらいの冗長性はあるみたい。
同じエリアに幅の違うレールが共存していたら、それは原理原則として互換性を持たないし、コストも嵩む。
地域輸送に限られる路面電車、地下鉄、日本の私鉄やサンフランシスコBARTのような近郊電車が幅の違うレールを使っていても、モノレールなどもあるんだしそこまで大きな問題にはならないけれど、広域で走る路線はできる限り統一しておきたい。
東海道線が1,067㎜のケープ=ゲージを採用してしまったのは痛恨だったけど、その後の日本の広域鉄道網が1906年の鉄道国有法までは民間によって敷設されていったのにもかかわらずケープ=ゲージで統一されていたことは非常によかった。それらは当初こそバラバラだったかもしれないけど、有機的に結合していき、日本の富国強兵に大いに貢献した。
昨日も書いたけど、インドは最初の路線こそインディア=ゲージだったけれど、あちらこちらに規格の低い1,000㎜のメーター=ゲージが敷かれて、インディア=ゲージと混在していた。
だから日本でいう戦前、インドでいう英領時代はインド目線で日本の鉄道を貶すことなんてできなかった。日本の方がネットワークの観点からはずっと上だったんだから。
しかしスタンダード=ゲージの東海道新幹線が造られたことで風向きが変わってしまう。
長い目で見れば新幹線に合わせて在来線もスタンダード=ゲージに改めるべきだったのに、やらなかった。
まあ、新幹線は乗り換えを無駄に増やした悪事はあれど、今までなかった路線が増えただけだから、そこまでの問題にはならなかったのかもしれない。
盛岡ー博多と大宮ー新潟まではそうだった。
だけど、これ以上新幹線を増やそうとしたなかで、並行在来線との共存が難しくなり、話がおかしなことになっていく。
並行在来線を経営分離するだけならまだよかったけれど、碓氷峠の在来線は長野新幹線(北陸新幹線)と引き換えに廃止になり、2004年の中越地震で大きく後悔することになる。
北海道の函館ー長万部間では沿線自治体が並行在来線の運営を放棄したため、貨物輸送をどうするのかてんやわんや。
佐賀では新幹線が来るよりも在来線を守る声の方が強く、武雄温泉ー長崎間だけ先に開業した西九州新幹線が離れ小島になってしまった。
もし在来線がスタンダード=ゲージだったら、在来線に新幹線車両を通すか、新幹線に普通列車や貨物列車を通すという選択肢も生まれたはずなんだけどね。
それに対してこんな皮肉も。
これに対するリプライが傑作。
これとは別に昨日も書いたミニ新幹線、つまり在来線を部分的にスタンダード=ゲージに改める施策もあり、時系列的には整備新幹線より前なんだけど、
これは部分的にやってしまったために、大きな禍根を残すことになる。
いい例が米坂線。
今年8月の豪雨で橋が崩落したけれど、JR東日本は復旧の見込みを出していない。恐らくは東日本大震災での気仙沼線、大船渡線と同様に廃線にするつもりだと思う。
かつては新潟と山形、仙台、福島を結ぶ重要路線で、都市間急行列車が1日何本も走っていたけれど、山形新幹線のせいで米沢から先に直通ができなくなり路線自体が壊死してしまった。
整備新幹線による在来線の除け者扱いと、ミニ新幹線によって日本の在来線ネットワークはだいぶ壊れてきた。
もうひとつ、問題と感じているものに近鉄がある。
ケープ=ゲージではない他の大手私鉄は路面電車に起源があったりしてそこまでの長大な路線ではなく、せいぜい京成や京急、西鉄あたりにJRと互換性があればよかったかなぁ、と思うくらいだけど、
長大な路線網を持つ近鉄とJRに互換性がないのは結構痛い。
近鉄は全部がスタンダード=ゲージではなく、阿部野橋発着の系統はケープ=ゲージ。
以前はこれ以外にもケープ=ゲージ路線、さらには762㎜のナロー=ゲージ路線すらあったけれど、ランニング=コストが嵩んで経営が分離された。
貨物列車が見直されている今、東武、西武、小田急、相鉄、名鉄、南海といったところもJRの貨物再生に組み入れられる可能性は高いし、近鉄のケープ=ゲージ網もこれに入っていくだろうと思う。もちろん旅客輸送でも直近のJRと相鉄の直通運転にこの先予定されているなにわ筋線におけるJRと南海によるリソースのシェアリングといったことは起きていく。
近鉄もスタンダード=ゲージ同士で阪神電車と直通運転をしているし、大昔は京阪電車ともしていた。復活もありうるんじゃないかな。
だけど、路線網が長大であるだけに、やっぱりJRと互換性があった方が日本全体のネットワークに資すると思うのね。
例えば上本町ー紀伊勝浦間のディーゼル特急とかさ。(紀伊半島は関西志向が強く、特急南紀のほとんどの乗客が松阪か津で近鉄に乗り換えてしまう)
新幹線と近鉄が日本の鉄道ネットワークをぶち壊していると言っていい。中途半端なスタンダード=ゲージの導入がネットワークを壊しているというのが鉄道三流国「失われた150年」2つめの蹉跌。
英領インドでは前述したようにインディア=ゲージとメーター=ゲージが拮抗していて、鉄道のネットワークはバラバラだった。インド独立の1947年から山形新幹線開業の1992年までの45年間で見れば日本の方がインドよりまともだった。
だけど、その日本が新幹線の建設に躍起になっている間、インドでは粛々とメーター=ゲージをインディア=ゲージに改めてきたんだ。
その結果、今ではインディア=ゲージが鉄道総延長の95%になり、北から南、東から西へびっくりしちゃうくらい縦横無尽に直通運転している。
例えば南の果てからウッタルプラーデシュ州の聖地ヴァラナシへの巡礼需要があるし、鉄道がむしろそれを後押ししているとすらいえる。
弊害もないわけじゃなくて、元々タミル=ナードゥ州チェンナイから同州ニルギリ山地のウッティまではメーター=ゲージが続いていて直通運転をしていたけれど、チェンナイーメットゥパラヤム間がインディア=ゲージ化したために直通運転ができなくなった。
それでもインド全体で見れば線路の幅を統一することに尽力してきて、崩壊気味の日本よりもしっかりしたネットワークができている。
インドが一流の鉄道国、日本が三流の鉄道国になったのは1990年代から2000年代じゃないかと思う。それまでは統一できてないインドも、レールがショボい日本も二流国だった。
ちなみにパキスタンはメーター=ゲージの魔の手が伸びてきておらず、レールに限って言えば規格も統一性も一流国。
それに対してバングラデシュは両方のレールが拮抗しているのをほぼ放置してきた。日本はだんだんと国旗のよく似た国に状況も近づいているといえる。
ただ、そんなインドも日本と同じレールを走ろうとしてしまっている。
現在、マハラーシュトラ州ムンバイからグジャラート州アフマダーバードまで建設中の高速鉄道はあろうことかスタンダード=ゲージで建設している。
スタンダード=ゲージよりスペックの高いインディア=ゲージでできないはずはないんだけど、JR東日本の新幹線をそっくりそのまんま持ってきた方が早く、安くできるので、スタンダード=ゲージで建設することをモディ首相が決断したためだけど、これは必ずや禍根を残すと思う。
インディア=ゲージで建設すればアフマダーバードからグジャラート州ラージコット、ドゥワールカやラジャスターン州ウダイプルへの直通運転もできる。
ムンバイ側でもターミナルになる新都心のBKC地区は都心から離れているので、一部の列車はターネーから世界遺産のCST駅に乗り入れられる。
今後の高速鉄道の延長を考えた時も、レールが統一されていれば部分開業をしても効果を発揮できるし、在来線と規格が揃っていればランニング=コストが安上がり。
その方が合理的だし、今からでも遅くないのでレールの幅を考え直してくれないだろうか。
日本よ、インドをおかしな沼に引きずり巻き込まないでくれたまえ。
次回からインドと日本以外の脇役の国も登場させるよ💛
それじゃあバイバイナマステ💚💚🧡💙💙❤️暑寒煮切でしたっ✨
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