HS2北部区間の「中止」は妥当か
こんばんなまらステ💙💛Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ⭐️
UK🇬🇧のスナク首相(北インド系ヒンドゥー教徒)が高速鉄道HS2の未着工区間を延期とか凍結とかでなく中止にしたことが、
イングランド北部🏴やスコットランド🏴のみならず批判を浴びている。
岸田首相がこれ以上新幹線造りませんって言ったらどーなるか想像してみてほしい。
とりあえず、ちょっとこれどーなってるのか見てみたい。
まずイングランド、UKは鉄道の母国だけど、日本が生み出した高速鉄道というムーヴメントに完全に乗り遅れてしまった。
サッカーの母国だけどワールドカップでは1966年以来優勝できてないようなものかな⚽️
1994年に英仏海峡トンネルが開通し、ロンドンとパリ🇫🇷、ブリュッセル🇧🇪を結ぶユーロスターが走り始めたときも、イングランド側では高速鉄道がなく大陸区間と比較すると見劣りする速度で走っていた。
そこでイングランド側でも高速鉄道を整備し、2003年に部分開業、2007年に全線開業。倫巴間は3時間から2時間15分に短縮された。
この高速鉄道はCTRLまたはHS1と呼ばれ、CTRLはChannel Tunnel Rail Link、海峡トンネル接続線といったところか。北海道新幹線の木古内ー新函館北斗間のイメージかな。
HS1はHigh Speed 1、高速1号線ということになり、1号線もあれば2号線HS2もあるよね。それがロンドンから国内に向けた路線ということになる。
ルートとしてはUKイチの幹線であるWest Coast Main Lineに沿ったもので、西海岸本線と訳す向きがあるけど自分なら「西海道本線」と訳すなあ。とりあえずWCMLとしておく。
WCMLはロンドンからUK2位の都市であるバーミンガム、UK4位・イングランド3位のリヴァプール、UK6位・イングランド5位のマンチェスターを通ってUK3位・スコットランド1位のグラスゴーを結ぶルートだから間違いなく最重要幹線。
ただ、バーミンガムは百万都市だけど、それ以外は数十万人クラス。これが引っかかってくる。
HS2はWCMLに沿うかたちでロンドンーバーミンガム間を第1期区間、バーミンガムーマンチェスター間とバーミンガムーリーズ間を第2期区間としていた。
リーズはWCMLから北東に逸れたところにあり、UK8位・イングランド7位。またその途中のシェフィールドはUK7位・イングランド6位。
HS2自体はリーズで終わりだけど、その先にはスコットランドの首都でグラスゴーに次ぐ都市、UK全体でも9位のエディンバラもある。
ロンドンからシェフィールド・リーズについてはMidland Main Line、エディンバラについてはEast Coast Main Line(ECML)が延びていて、これもそれぞれ「中央本線」「東海道本線」と訳したいところだけど、
HS2がバーミンガムまでできることで、こちら経由にした方が速いということになる。
ただ、バーミンガムからリーズへ向かう途中のイーストミッドランズパークウェイまでは整備されるものの、イーストミッドランズパークウェイーリーズ間の高速鉄道整備はジョンソン政権の時点で既に中止になっている。
スナク政権は今回、バーミンガム以北のマンチェスター方面とイーストミッドランズパークウェイ方面を完全に中止にして、現在着工中のロンドンーバーミンガム間の建設に留めるとした。
それで本当にいいのかどうか議論は白熱している。
まずロンドンからバーミンガムまでは現状最速1時間16分が45分程度になると見込まれていて約30分の短縮になる。
バーミンガム以北のWCML沿線では、バーミンガム以北のHS2が整備されたとして40〜50分程度の短縮になるので、バーミンガム以南のみが整備されるのと10〜20分程度しか変わらない。
バーミンガム以北は短縮効果が薄いということがわかるし、百万都市もない。
ロンドンーグラスゴー間は現状最速4時間31分なので、バーミンガムまでHS2ができれば航空便を圧倒できる3時間台にできる可能性は高い。
この区間の3時間台が実現するのなら、HS2はバーミンガムまでで充分だろう。
ただ、現在の所要時間は車体を傾けて高速コーナリングを行なうペンドリーノが201km/hを出していることで成し得ていることを忘れてはいけない。
300km/h以上出す高速列車がペンドリーノ同様の車体傾斜装置を搭載している事例はなく、HS2区間で短縮した分が、そのまま全体の短縮にはならない。
高速列車は在来線区間においてペンドリーノより鈍足でしか走れない可能性が高いってこと。
ここで考えられることはふたつある。
高速列車は日立の車両で日本の新幹線技術がベースになっている。
これはTGVに走らせたくないという反仏感情、反欧感情も働いてるというけれど、
それはそれとして現在、東海道新幹線や東北新幹線の車両にはエアサスペンションをつけて簡易的な車体傾斜を実現させている。
ペンドリーノが8°傾くのに対して東北新幹線は1.5°傾くので、ペンドリーノほどじゃなくてもコーナリングを高速化できる。エアサスペンションは2°までの傾きが可能みたい。
ちなみに傾くから速くなるんじゃなくて、傾くことで遠心力を緩和してるから速く走れるのね。
線路もカーヴで傾きをつけることで同様の効果を得られ、これはカントと呼ぶ。すり鉢状になってる競輪場と考え方は同じ。WCMLのカントがどれくらいなのか知らないけどさ。
バーミンガム以北でもこうした工夫による高速化を図ることでグラスゴーまで3時間台で走ることを検討してほしい。
逆にペンドリーノを活用する方法もある。
ペンドリーノはイタリアの技術だけど、250km/hまでは出る。
HS2区間を含めて全体で250km/hまで引き上げて4時間切りを目指せないだろうか。
在来線区間の速度引き上げのためにはやはりカントの引き上げも重要になる。
このどちらかを比較検討したうえで、それでも4時間を切れないようなら部分的にバイパスを建設する必要はある。これはドイツ🇩🇪やスイス🇨🇭の得意技。
特にスイスは主要駅を必ず0, 30分に発車させるような幾何学的なダイヤを組むために、このようなことで帳尻を合わせる。
ロンドンーエディンバラ間についてはHS2ではなくECMLの高速化で対応することにしている。
こちらは既に最速4時間20分でWCMLよりカーヴが緩いので、ペンドリーノの速度引き上げで比較的容易に4時間は切れるはず。
ということで、本稿の結論としてはロンドンーグラスゴー間3時間台を実現できるなら、バーミンガム以北の新線建設はいらない、ということになる。
スナク政権はその方法を精査し世に問うべき。
そして在来線区間でペンドリーノと遜色なく走れる技術を日立に示してもらえたら日本人として嬉しいよね。
それはそれとしてHS2のヒースロー空港乗り入れの方は是非とも推進してほしい。
ヒースロー空港は国際線だけでてんやわんやで国内線に発着枠を割けない状況だけど、そうするとUK国内から国際線に乗るのが不便という状況になる。
ドイツのように航空便扱いで高速列車に乗れるといいよね。
それじゃあバイバイなまらステ💙💛厚沢部煮切でしたっ✨
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