議論を楽にするために「ゴール・目的が曖昧」って言っていませんか?(自戒)
仕事がうまく進まない時には何らかの課題があると思いますし、それらを発見し、解決しようと頑張っている人たちが大勢いるとおもいます。ですが、本当にそれが解決したらどれくらい効果的なのかを考えずに課題を提起することは、仕事の改善を遅くします。
今回はそんな典型例として「ゴール・目的が曖昧」っていう場合と、仕事は「規律とゴールの両輪である」ということを大事にしているということをまとめておきます。 身近な例としてソフトウェア開発や新規事業開発の場合を紹介します。
参考書籍
ゴールが曖昧だといいたくなるケース
「ゴールが曖昧」という言葉。私たちがプロジェクトや業務で立ち止まってしまう時、心の奥底から漏れてくるこのフレーズには、課題解決への一歩というより、自分たちの不安や不満を表現するための言葉として使われることが少なくありません。
この言葉がでるとき、目的が曖昧であることが問題であるというよりも、その背後に潜む他の課題への焦点を逸らすための言葉として使われていることもあります。
例えば、ソフトウェア開発の場合を考えてみましょう。この領域では、「ユーザーストーリー」や「要件定義」などという方法で目標を明確化します。しかし、ゴール自体が曖昧であると指摘されるとき、それは必ずしもゴールそのものの明確さが問題というわけではありません。実際のところ、問題となっているのは「どのようにゴールに到達すれば良いのか」、「そのためにどんな工夫が必要なのか」、「どの範囲までがゴールの一部なのか」など、実装の手段や範囲の不確実性によるものであることも多いです。
これは新規事業開発でも同じです。新規事業開発のゴールは、多くの場合、新しい市場を作り出すこと、新しい顧客層を開拓することなどがあります。しかし、これらのゴールは非常に抽象的であり、それ自体が実現可能かどうかさえ分からない場合が多いです。そのため、ゴールが曖昧であるという指摘が出る場合、その本質は「我々は本当に新しい市場を開拓できるのか?」、「私たちは本当に新しい顧客層を見つけることができるのか?」といった、事業成功の不確実性に対する懸念が現れているときもあります。
「ゴールが曖昧」という表現は、表面上の目的の明確さに関する問題だけでなく、その背後にある実装方法や事業成功の不確実性などの問題を含んでいることが多いです。そのため、我々は「ゴールが曖昧」というフレーズに対して、単にゴールの明確化を求めるのではなく、背後に潜む課題を見つけ出し、それを解決することにも焦点を合わせることが必要になります。
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