月に吠える獣

ぼくが世界の中心なんだって月に向かって叫び続ける獣でありたい/三島由紀夫の後輩

月に吠える獣

ぼくが世界の中心なんだって月に向かって叫び続ける獣でありたい/三島由紀夫の後輩

記事一覧

愛とロックがあればいい

久しぶりに手紙を書いた。美しい便箋と封筒を買ってきて、書き損じがあれば、便箋を新しいものにして、書き方が不安な漢字や送り仮名を調べながら、丁寧に気持ちを込めて書…

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MISSING 愛を巡る旅

私は河川敷を散歩するのが好きだ。特に夜遅い時間に見る川は昼間見るのとは全く違った顔をしていて面白い。真っ昼間の陽の光をたくさん浴びてのんびりとした顔とは対照的に…

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フルーツサンド

早起きした朝には、読書をして朝飯を買いに近くのコンビニまで散歩をすることにしている。ワンピースの新刊とフルーツサンドを購入し、清々しい朝に深呼吸しながら、道を歩…

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愛と幻想のギャンブル

私はギャンブルが好きだ。ギャンブルというのは好きになってしまった時点で、負けが確定している。勝てる人間は、純粋な期待値を追える人間であって、好きだからという理由…

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世界の切り取り方

明日は私の誕生日なの。廃線となった線路に寝転びながら彼女は私に向かって毎日そう呟く。彼女の閉ざされた世界では、夜明けと共に全てがリセットされる。だから永遠に彼女…

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中学受験と僕

あまり読み手に負荷をかける書き方はしたくないのだが、僕は世間の基準でいえば、間違いなくエリートである。中学受験で都内のトップ進学校に合格し、1浪の末、三島由紀夫…

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お笑いについて語ろう

お笑い論なんてどうでも良くて、人を笑わすことが出来れば、それがお笑いなんだろう。 でも、私はお笑い芸人ではなくて、彼らのファンなので、自分が出来もしないお笑い論…

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無我と現代社会

それではお互いに自己紹介をして下さい。今まで何度この言葉を聞かされてきただろうか。あらゆる存在は刹那滅的に、消滅と生成を繰り返しているのだから、今この瞬間の自己…

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初投稿

精神修行の賜物かは分からないが、SNSで承認欲求を満たそうなどと思うことはなくなった。だから、別に誰からも読まれなくてもそこまで気にしないだろう。 しかし、自分の…

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愛とロックがあればいい

愛とロックがあればいい

久しぶりに手紙を書いた。美しい便箋と封筒を買ってきて、書き損じがあれば、便箋を新しいものにして、書き方が不安な漢字や送り仮名を調べながら、丁寧に気持ちを込めて書く。文章というのは素晴らしい。書き言葉は、このnoteもそうであるが、いくらでも書き直しが出来るため、表現を推敲することができる。自分が紡いだ美しい表現を見ると、まるで自分の心まで美しいと錯覚することができる。

最近、少し気になっている子

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MISSING 愛を巡る旅

MISSING 愛を巡る旅

私は河川敷を散歩するのが好きだ。特に夜遅い時間に見る川は昼間見るのとは全く違った顔をしていて面白い。真っ昼間の陽の光をたくさん浴びてのんびりとした顔とは対照的に、月の光をも吸収していきそうな冷たい顔をしている。よく私が散歩する川の近くには、団地がある。駅からはそれなりに離れたエリアなので、おそらく電車をあまり使わない高齢者が多く住んでいると思われる。夜に散歩をすると部屋の明かりは大半が消えているの

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フルーツサンド

早起きした朝には、読書をして朝飯を買いに近くのコンビニまで散歩をすることにしている。ワンピースの新刊とフルーツサンドを購入し、清々しい朝に深呼吸しながら、道を歩く。

僕は夜型人間なので、たまに早起きをすると、朝早くから活動している人間の多さに驚く。道路にはたくさんの大型トラックが走っていて、まだ始発間近の時間なのに出勤している人々も見られる。かつて僕はそうした人々を見るのが苦痛であった。何もして

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愛と幻想のギャンブル

愛と幻想のギャンブル

私はギャンブルが好きだ。ギャンブルというのは好きになってしまった時点で、負けが確定している。勝てる人間は、純粋な期待値を追える人間であって、好きだからという理由で負けた自分を正当化してしまう人間は、一生勝利の女神に愛されることはないのである。お金を貢ぐアイドルオタクと同じ構造であろう。彼らより勝算はあるだろうが…

私とギャンブルの出会いは、浪人していた時期であった。勉強しない浪人生というのは、退

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世界の切り取り方

世界の切り取り方

明日は私の誕生日なの。廃線となった線路に寝転びながら彼女は私に向かって毎日そう呟く。彼女の閉ざされた世界では、夜明けと共に全てがリセットされる。だから永遠に彼女の誕生日が訪れることはない。映画『式日』より。

私は綺麗なものが好きだ。今にも壊れそうで、それでいて何にも汚されることのない強さを持つものに魅力を感じる。喫茶店のメロンソーダが綺麗なのは、炭酸の弾ける姿に儚さを感じ、人工的なまでに鮮やかな

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中学受験と僕

あまり読み手に負荷をかける書き方はしたくないのだが、僕は世間の基準でいえば、間違いなくエリートである。中学受験で都内のトップ進学校に合格し、1浪の末、三島由紀夫の後輩となった。

大学では、かねてよりの退廃主義を発揮し、退学寸前であったが、なんとか休学を駆使して卒業にありつけたので、終わってしまえば、秋になると教室にまで匂ってきたあの銀杏並木が懐かしく感じられる。

学歴自慢のようなことはしたくな

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お笑いについて語ろう

お笑い論なんてどうでも良くて、人を笑わすことが出来れば、それがお笑いなんだろう。

でも、私はお笑い芸人ではなくて、彼らのファンなので、自分が出来もしないお笑い論について偉そうに語ろうと思う。

まず、面白い人というのは、ボケのズラし方が上手なんだと思う。相手が理解できる範囲内で、普通じゃ考えつかないような角度からのボケが出来る人は面白い。そしてボケはツッコミとセットだ。漫才のようなちゃんとツッコ

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無我と現代社会

それではお互いに自己紹介をして下さい。今まで何度この言葉を聞かされてきただろうか。あらゆる存在は刹那滅的に、消滅と生成を繰り返しているのだから、今この瞬間の自己を紹介することに何の意味があるのだろうかなんて思ったりもする。

あなたと私が今向かい合って話しているのは現在であるはずなのに、自己紹介はあまりにも過去形である。外見だけでは、どのような人物か判別出来ないから、レッテルを貼りたいのだ。年齢や

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初投稿

精神修行の賜物かは分からないが、SNSで承認欲求を満たそうなどと思うことはなくなった。だから、別に誰からも読まれなくてもそこまで気にしないだろう。

しかし、自分の書いた文章を後から見返すことは楽しいし、仮に読んでくれる人がいるならば、私は表現者となろうと思う。

まず私は、仏教徒であり、キリスト教徒でもある。無我と縁起の世界に生きた上で、神をも信じている。というよりむしろ、この世界に生きていると

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