panya
少女たちのつぶやき
詩を掲載しています
エッヒミッヒ森を舞台に、魔女や動物たちのお話を覗くことができます
わたしの名前は、勝部あかり。わたしにはいま、好きな人がいる。
勝部あかりさんと猫のお話
朝、あたしの気分はよく分からない。 おろしたての真っ白なシャツの匂いを、一気に吸い込むような感じ。 それから、じんわりと悲しい鉛色がシャツを汚していくような、あの感じ。 気持ちのいい爽やかな朝、そんなものは幻だ。 不思議な癖で、昼間カーテンを閉める。 せっかく差してきた陽を遮ってしまうのもったいない気がするけれど、逆かもしれない。 オレンジ色のライトを点けて、好きな彼の絵をみてみる。 描いてあるのは、決して嫌なものではないのだ。 けれども、彼のキザなところが目
「猫山さん、お仕事するときに氷食べてますよね?」 頭が真っ白になった。そのとおり、私だ、間違いない。周りに音、聞こえてたんだ。 小さい頃から私にはとある癖がある。それは、飲み干した水筒の底にたまった氷を食べてしまうことだ。小さくなった氷の塊を、しばらく口の中で転がすのだけれど、最後は我慢できずに噛んでしまうのだ。どうやら私は無意識に、会社でも氷を噛み砕いていたらしい。 「どこから聞こえてくるんだろって思ってました。笑 誰か煎餅食べてるのかなって」 わ〜すみません、気をつけます
幸せは思い出の中にあるって言いたいわけじゃなくて。 女はうっすら男のこと嫌いだよ。 結婚するなら女の子の方がいいって思ってるんだけど、、、。 胸の内にしまっておくね。
わたしが住んでいる町は標高300mの場所にある。五月でも少し山を登っていけば桜が咲いている。 この町に越してきて二年目の春。背丈よりも高く積もっていた雪はようやく解け始めて、今では腰の高さくらいになった。 旅館が立ち並ぶ山を少し登ると、温泉を町中へ行き渡らせるための管理棟が建っている。その外壁からは、細いパイプが飛び出していて、チョロチョロとお湯が出て水たまりができている場所がある。まだ雪の深い時期にそこへ行ったとき、その水たまりに向かう足跡をみつけた。足跡の彼は、
この時期になると、額の少し上の内側のほうから外側に向かってムズムズするような感覚になる。 そして駆り立てられるように文章を書きたくなるのだ。 まるで熊が冬眠から目覚めるみたいだ、と思うことがある。 今まで全く文章を書こうなんて気にもならなかったのに、今では取り憑かれたようにぐるぐると文章を考えている。 おかしな気分だな、と思う。 人間の気分には浮き沈みがあってまるで波のようにリズムがある、ということはよく耳にするけれど、ひょっとしたら私のこの衝動も動物的な本能の一種なのかも
11月1日。 そう、明日は11月1日なのです。 信じられない。オーマイガー。 私がクリエイターマガジンへの参加が決まってから早くも一ヶ月が経とうとしていました。 辺りを見渡せば、いつのまにか山頂は白んで麓の街路樹は紅葉が盛りを迎えていました。 いつからか季節の変化に気も留めなくなりました。 夏休みも文化祭も期末テストも、どれもが今の私には遠い存在になったからだと思います。 少女が大人になる瞬間。 夜明けの空が白んでいく瞬間。 缶詰の蓋を開ける瞬間。 そういった変化の瞬間が
あのね、生きていると色んなことがありますよね。 色々な複雑なことが身の上にふりかかってきます。 今回はその中のひとつ。 ノロイ、について。 あなたの本棚の隅、もしくは押入れの奥に追いやられている使っていないけれど捨てられない物はありますか。 私の場合は、なにかの記念品、10代の頃の体育祭Tシャツ、だれかから貰った物、一緒に買った物。 この先使うことはないだろうけど捨てることができないまま追いやられている物たち。 こういうのを総じて私の友達は「ノロイ」と呼んでいます。 私はその
今ね、悲しいことをしてしまいました。 描き溜めてたノートの下書き、スケッチを消してしまいました。 もし下書きをしていたのがアナログの紙だっなら、消してしまうこと、に躊躇してそのままとっておいたんだろうな、とふと思っています。 アナログなら傷跡だらけのカセットテープやセピア色に変わってく写真みたいに時間の流れが蓄積されていくけれど、デジタルの世界ではそのままの姿で保存されていきます。 例えば、あなたが昔、抑えきれないほどの衝動を持って書き上げた恋文だって姿変わらず保存されていく