麗らかに #20 クレプトマニア
長男が、学校でお金を盗まれた。
高校3年生の時なので
今から 8年前のできごとだけど。
その額 2万5千円💸💸💸大金よね😱
正月のお年玉を財布に入れ
学校に持って行き
札だけを抜き盗られた。
長男は
ずいぶんと先生に責められた様子で
(大金を学校に持って行ったということで)
悔しさや情けなさや
様々なショックから
翌日人生で初めて、登校拒否したww
しかし
後日
とどめを刺されるような
衝撃的な事件が起こるとは
この時誰も予想だにしなかった。
窃盗の加害者として考えられるのは
彼しかいなかった!
少年Aだ。
少年Aとは
〇長男と高校2~3年で一緒のクラス
〇2年の時に互いの家に数人で泊まったりするほど仲良くなる。
〇明るく活発、クラスや部活でも常に中心的な人物。キラキラくん。
しかし
彼は、おそらくは放課後の教室や部室で
大小様々(シャープペンシルから高額なヘ ッドホン、スニーカーなど)な物の盗みを重ね
一部を中古販売サイトで売ったりしていたようだ。
そしてその被害者のほとんどは
こともあろうに
仲の良い、ごく身近な友達。
自分達の身の回りに起こる様々な物の紛失が
少年Aの窃盗によるものであると
数々のエピソードをもって
点と点がつながり
”疑惑”⇒”確信”に変わっていくまで
時間はかからなかったようだ。
少年Aは、虚言も多く
盗んだ物を
自分の物 として普通に使用し
他者に自慢したり、あげたりする
”サイコパス”(当時の長男のことば)ぶりを発揮していた。
とは言え
〇窃盗現場を目撃した者はいない。
〇教室に防犯カメラはない。
〇担任と少年Aは仲がよく(友達のような)
信じてもらえそうにない。
結局誰も本人に問い詰める勇気は持てず
とにかく距離を置こう!(関わらない)
大事な物は学校に持って行くな!と
警戒対策はしていたはずだった。
長男の場合は、もらったお年玉を
考え無しに財布に入れて持ち歩き
放課後、コートのポケットにいれたまま
別のクラスの友達の所に行ったようだ。
(アホだ)
物は無くなっても
これまでお金が抜き取られたということは
無かったこともあり
完全に油断していたようだ。(アホだ)
そんな中での現金💸紛失事件
よりによって
時は高校一大イベントである
大学入試センター試験🏤✏️を
2日後に控えた日だった。
先生方も、大事にしたくはなかったのだろう。
「厄介な問題の種を撒いた」長男を
責める気持ちは、まぁ理解できる。
とにかく学校側としては
現行犯として押さえていない以上
窃盗事件として取り扱うことはできず
”事情をきいて一緒に探す”
ことが精一杯の対処だった。
当然現金は見つからず、このまま泣き寝入りか……
と、諦めていた。
しかし
受験を無事に終えた2日後の朝に
”事件”は再び起こった。
それはそれは恐ろしい😱
長男が登校し席につくと
少年Aが
長男の席の後ろに移動し、声をかける。
「なぁ、もう1回机の中の教科書の間、見てみたら?2万5千円だろ?大金だよな」
長男は『はぁ??ふざけんなよ!』と
(心の中で思い切り毒づきながら)
机の中に押し込めてあった
教科書の数冊を抜き出し
(わざと本人の前でやりたかったが怖いので
前を向いたまま)
パラパラ📖 𓂃𓈒 𓂂𓏸とすると
……2万5千円が……
はらはら〜〜と目の前に!!!
少年A:
「あったじゃーーん!👏👏👏
みんなぁ!〇〇(長男の名前) の2万5千円
教科書の間から発見されました〜
お前の机の中汚なすぎだろぉꉂ🤣𐤔
とにかく良かったな👏👏👏
これで一件落着」
ありえない
ありえない
紛失当日、担任含め
それこそクラス総出とも言える勢いで
教科書の間など100回以上もパラパラしたぞ。
そもそも財布から抜かれた札が
教科書の間から出てくるなんてありえない。
そして
紛失したお金が”2万5千円 ”
だったことは
担任とごく親しい友人しか知らないはず。
長男:
『うまいこと返したように思ってんの?💢
まさか、先生に入れ知恵されてやったんじゃないよね?俺2万5千円だって、先生にしか言ってないんですけど!これって "自分がやりました” って自白したようなものだろ!!!』
と、言ってやった!
はずもなく……
かたまる。
カタマル。
katamaru。。。
「背中がゾッとする😱😱😱
って、こういうことかって初めて体験したわ」
と、恐怖体験を語った。
わかるわぁぁ……
私も……きっと言えない……💦💦
高校を卒業し進学し
Aは現在公務員として働いているはず。
彼はいったい
どんな大人になっているのだろう。
実はその昔、私も高校1年生の時に
〇財布の中の 5千円
〇制服のブレザー(信じられない)
〇家庭科でパジャマ作成用に持って行った生地
以上3点を、入学してから友達になった人に
教室で盗まれた経験がある。
〇初めて物を盗まれるという体験
〇友達だと思っていた人に裏切られた衝撃
〇私の側に問題があったの?という疑心暗鬼
ショックだったなぁ。
世の中には、私たちの周りには
残念ながらそういうことを平気で
繰り返す、病的に繰り返す人がいるのだ
ということを、その時に初めて知った。
仕事をするようになってからも
同僚の財布の中から繰り返し現金をくすね
退職に追いやられた人もいた。
クレプトマニア(病的窃盗、窃盗症)と
いう言葉を最近小説で知り
思い出しくない話を
がっつり思い出してしまった。
そしてその晩
なんだか頼りない
私に似た長男のことを
夢の中で延々と心配していた。
麗らかにありたい……。