麗らかに #24 トラウマと大切な思い出と
『真面目かっ!』(自分へのツッコミ)
で思い出した幼い日の出来事(事件)
あれは小学2年生か3年生の今頃。
友達4人と家の前の公園で
枯葉を沢山集めて遊んでいた。
1つ年上の友だち(フミちゃん)が
「枯葉に火をつけて焚き火をしてみよう」と言いだした。
火遊びをすることが悪いことだと
もう、わかっている年齢。
私はすぐさま
「そんなことしたら怒られるよ、ダメだよ!」と言ったが
フミちゃんは
「危なくないようにすれば大丈夫。
ゆりっぺ、家からマッチ持ってきて!」と、フミちゃんの家も公園の目の前なのに
命令は迷いなく私に下された。
私は最後まで抵抗したが
結局は断りきることができず
家で畑仕事をしていた
(同居していた父方の)祖父母の目を盗み
仏壇からマッチ箱を持ち出し
公園に戻った。
そして…事件は起きてしまった。
とても風が強い日だった。
枯葉を集めてちょっと燃やすつもりが
あっという間に火は、公園の隣家の木に燃え移ってしまい、小火騒ぎとなってしまったのだ。
たまたま自宅で庭仕事をしていた住民と
道路向かいで畑仕事をしていた
私の祖父母が直ぐに気づき
バケツ🪣放水だけで鎮火でき
消防車🚒を呼ぶような大事には至らずに済んだ。
「被害というほどのこともないし、小さい子供がやったことだから」と、お咎めなしだったが
その後、私を含めた4人は、私の自宅で
祖父の事情聴取を受けることとなった。
そこで、フミちゃんが衝撃の発言をする。
「ゆりっぺが葉っぱに火をつけて遊ぼうと言いだした。みんなダメだよと止めたのに、ゆりっぺがマッチを持ってきて、やろうやろう!って言うからやった」
パニックがおさまらず
泣きじゃくる他の友達2人
いろんなことが頭の中をグルグルと回り、かたまる私。
3人が帰宅した後
私は叱られることを覚悟し
縁側で、柿の皮剥きを始めた
祖父の横に正座した。
祖父が
「ゆりっぺ、さっきの話は本当か?」と私に聞く。
すぐに答えることはできず
ずいぶん時間が経過してからだったと思う。
「ほんとは、フミちゃんがやろうと言った。やめようと言ったけど、(実際に)マッチを持って行ったのは私だし、(結局止められなかったのは事実だから)フミちゃんに、『それは嘘だ!』とは言えなかった」と、答えた。
※幼かったのでどんなふうに話したのかはわからないが、確かそんな説明をした。
祖父は
「さっき、みんなの前で
言わなかったのは…偉かったな。
ほれ、うまいぞ!」
そう言って、剥いた柿を渡してくれた。
号泣しながら1片だけ食べたそれは
まだなんとなく渋みの残る
硬い柿だったことを覚えている。