交差点の殿様(うつこさん)謎の男シリーズ②
バス停で異様な男を目撃してから数日
確かおじいちゃんと2人だったと思います
おじいちゃんに手を握られ、
私は国道の交差点で信号待ちをしていました
ふと道路の向かい側を見ると3人信号待ちをしていて、そのうち1人が着物?
江戸時代の殿様が来ているような、肩が尖っていて足が太くなってる服を着ている。
よく見るとちょんまげも結っている。
服は青い空の様な色合いで、全体に和柄が入っていました。
その光景に似つかわしくない異様な出立の殿様が、じっと私を見ている。
目が合うんです。
仮装だと思いました。
でもおかしいんですよね、私以外誰もその人を見ていない。隣のおじいちゃんも気付いてないし、殿様の隣の2人も気付いてない。
不安になった私は目を逸らしおじいちゃんの方を見た。
信号が変わって歩き出し、横目で殿様を見てみた。
いない。
いないんです、さっきまでいたのに。
私は何か良くないものを見た気がして、おじいちゃんにその事を話す事は出来ませんでした。
(続く)
※このエピソードは、インタビューを元に加筆修正を加えたものになります。