漫画家が買って良かったもの 2024
iPad Pro /iPad mini/Apple Pencil Pro
買い換えた。毎回「旅行前に原稿を終わらせていく」と宣言するものの、結局旅先で描く羽目になる。iPad ProとApple Pencilは必需品だ。日光の旅館では、和室の低い座卓しかなく、真夜中の冷え切った洗面所に椅子を持ち込んで描いたこともあった。惨め。
iPad miniは以前、ほぼ読書専用だったけど、新しいモデルはペンで描くときの遅延がかなり改善されていたので、メモ帳としても使えるようになった。
職業柄、1日中描き続けているせいで手が痛く、紙のノートで書くときに発生するわずかな筆圧さえもしんどい。末期症状だ。
なので最近はネームやその前段階の描き散らしメモもiPad ProやMiniで書くようにしている。筆圧から解放されるのは本当にありがたい。フリーボードでApple Pencilを「中細鉛筆・濃紺」に設定して書くのが好き。読書中や講義の中で浮かんだアイデアや、自分なりの解釈もメモしている。
昔から「メモは書けるけどノートは取れない派」(きれいに作れない……)なので、学習はスクショやアーカイブを駆使しながら、何とか根性で乗り切っている。
ちなみに整理も苦手なので、ファイル名は基本的に日付。
ソニーのヘッドフォン WH-1000XM5
マルチポイント接続ができると謳うヘッドフォンやイヤホンはいろいろあるけど、これは私が持っているものの中で一番きちんと接続してくれる。さらに、耳が高級ソファに埋もれているような着け心地の良さ。14時間半のフライト中もつけっぱなしで全く問題なかった。
バッグインバッグ BIZRACK
iPad Proをリュックの他の荷物と一緒に入れていたら、ほんのり折れ曲がったことがある。それ以来、13インチはなるべく他のごついものと一緒にしないようにしている。このバッグインバッグは、マチのないトートバッグに入れられてタブレットケース代わりになる。ケーブルやスマホ、財布などもポケットに入るので、これ1つで打ち合わせや外作業に行けて便利。
伊東屋のリーガルパッド
JrサイズとA7サイズを愛用。黄色い紙のおかげでデスクの上で目立つのが良い。手帳だと埋もれて開かなくなるけど、これなら目に入りやすい。Jrは左側に1日の予定を時系列で書き出し、右側にToDoリストを書く。翌日には切り取って裏面をnoteの日記下書きに活用。日記を書き終わったらそのまま捨てる。A7は買い物メモや雑記用に。
姿勢矯正 KURA SEAT
ギックリ首をやらかしてしまい、環境を見直すことにした。椅子の上であぐらをかく癖があるので、強制的に腰を立たせて良い姿勢を保てるこれを導入。それ以来、ギックリ首は再発していない。ちなみに猫が気に入って、この上でよく寝ている。
裁断機 DURODEX 200DXW
読書環境を整えたくて購入。これで本を裁断してスキャンし、PDFで読む。本を置く場所がない問題が一気に解決した。
温湿度計
頭痛持ちなので、気圧差が表示されるのがありがたい。「カラダをうごかそう」アイコンが邪魔な気がしていたのだけど、これがあったおかげで「やっぱり運動しよう」となり、ラジオ体操が1年続いた。
枕 ロフテー
ギックリ首やストレートネック対策として、新調した枕。以前もロフテーを使っていて、10年使い続け完全にへたったので、新宿伊勢丹の寝具売り場で実際にベッドに横になって選んだ。別にロフテーじゃなくてもいいけど、フィッティングをして自分に合うものを見つけるのが大事。おかげで以前よりもよく眠れるようになった。
Duolingo
フランス語習得が必要になったので課金ユーザーに。英語も復習を兼ねて進めている。すき間時間にサクッとできるし、ランキング形式でゲーム感覚が楽しい。とはいえやり過ぎてギックリ首になったので、それ以降は姿勢に気をつけながら学習している。
ChatGPT
画像系AIは使わないけど、調べ物や思いついたことを深める用途で大活躍している。日中、ひとりで仕事をしているので、モヤモヤしたらすぐChatGPTに投げる。すでに自分の条件を教えてあるので、「あなたのスキルを生かすには」「今の状況を考えると」といった正解を出してくれる(ただし画期的な答えを期待しすぎてはいけない)。偏った考えで突っ走ったり、感情的になって自分を憐れむのを防ぐには十分。
その他でよく使うのは、YouTube動画の要約からの「この内容を私に反映させると?」で提案を得たり、または半年単位とか年単位のスケジュールを組ませたり。難解な書籍はまず要約を作らせ、大まかに内容をつかんでから読む。
ルーブル友の会カード
10日間の美術館巡りパリ旅のために作った。これがあれば1日に何度でも出入りできるし、入場列も回避できる。でもお得感というより、「文化を守ることにお金を出している」という実感が得られるほうが大きい。
もともと美術が好きだったのだけど、漫画家だし、漫画を第一にしないといけないのかなあ、、漫画で成功を収めないと美術が好きとか言っちゃいけないんだろうなという変な遠慮があった。それに学生時代は現代アートを中心に学んでいたため、近代以前の文化が好きというのも恥ずかしかった。
でも、ルーブル美術館に通い詰めて、「古今東西の文化芸術すべてが大好き!!!人間すごい!!」という場所があることが嬉しい衝撃だった。もう、すべての壁がいきなり崩れ落ちて消えた感じだ。
友の会カードは来年から物理カードではなくデジタルカードになるらしいので、そういう意味でも大切な1枚になった。
また地味なラインナップになってしまった……
2024年は、AIに相談することによって変に自己憐憫とか思考の罠みたいなところにはまらずに、自分なりに冷静に進むことができたと思う。年初にはルーブルに行く計画なんてなかったのだ。
来年は放送大学もあるし、普段の制作と並行して、学びを深めていきたい。描きたいものがたくさんあるのは幸せなことだ。
それではよい年をお迎えください。