10年は聴ける洋楽ロックの名盤4 もはや映像のない芸術映画 MUSE 「ORIGIN OF SYMMETRY」
始めてこのバンドの音源を聴いたのは出張時の飛行機の機内音楽だった。
当時かなり衝撃的で記憶に鮮明に覚えている。
今やビッグバンドとして有名になったので説明不要とも言えるが改めて記しておきたい。
この作品はバンドとしては2作目。
デビュー作品がリリースされた際はあまり評判が良くなくレディオヘッドの二番煎じみたいな扱いだった。
因みにレディオヘッドは「OKコンピューター」の頃から聞いているが未だに好きになれない。
脱線してしまったがこの作品以降はどれも映画のようである。
歌詞が英語で、英語が分からない私には好都合に想像が膨らむ。
この後にリリースされた「アブソリューション」も間違いなく名作で楽曲としては好きな曲も多いのだが、とても残念な点があるのだ。
それは当時はびこっていたコピーコントロールCDだったという事だ。
録音を邪魔するだけにとどまらず音質もひどい。
アーティスト側の問題ではないので非常に残念だが是非ともリマスターして再販してもらいたい一枚なのだ。
さてこの作品の話に戻るが、この作品が彼らの転機になったのは間違いないし、彼らも大切な足跡として意識しているからこそ2023年にレコードとしてリマスターしている。
PCでは聞いたが、この作品が持つ音圧が聞こえてこないので是非ともCDでリリースして貰いたいものだ。
この作品ではキリキリとした鋭いトーンで歪むギターや、独特な世界観と音圧を醸し出すベースプレイと、再生ボタンを押した瞬間から最後まで心拍数が上がるような緊張感が楽しめる。
私は勝手に想像する。例えば歯が痛みだして、もがいて、痛みが引いたかと思えば、又痛み出す。
覚悟して歯医者に行き、待合室でのざわつく緊張感を味わう。
そして恐怖の治療、大して痛くなくとも、キリキリとした機械音。
そして治療後の安堵感、みたいな勝手なストーリーが脳内に写される。
もはや映像がない映画なのである。
私は緊張感を高めたい時、この作品に手を出す。
アルバムとしての統一感 ★★★★★
メロディー ★★★★★
演奏のカッコ良さ ★★★★★
スルメ度 ★★★★★
トータル ★★★★★
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