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”ヌサンタラ”の意味とは&独立記念日に観たい映画

今日、8月17日は当地インドネシア共和国、79回目の独立記念日です。

先月7月後半から町なかには国旗売りのおじさんたちがリヤカー?を引いて各種国旗を売り歩きはじめ、学校、会社、町内会・地区など、いたるところに国旗の紅白のデコレーションが見られるように。インドネシアの8月の風物詩です。

今年は新首都ヌサンタラではじめて執り行われる独立記念式典に、世界の注目も集まりました。

※独立記念式典についてはそれだけで一記事かけるくらい内容も話題も盛りだくさんなので、今回は詳細は割愛します。

新首都のヌサンタラという言葉は、実は新しい名前というわけではなく、これまでも「インドネシア」という国を表す別名のような感じで普通に使われてきました。ではこの「ヌサンタラ」とは一体何なのか、ということが今回のテーマです。

これまでも聞いたことがあるけど、その意味まで考えたことがなかったこの「ヌサンタラ」について、「特別感」があることを知ったのは、今回ご紹介するインドネシア映画のワンシーンを観たときからでした。

その映画とは、2013年公開の Seokarno. 


私の中でこの映画の位置づけは、あの”ホームアローン”となんとなく似ていて、クリスマスシーズンにホームアローンが観たくなる人がいるように、独立記念日の頃に観たくなる映画。

去年も独立記念日の頃に観て泣きました。笑


カリスマ溢れるスピーチで有名なスカルノ。そのすごい気迫のスピーチが映画の中でも再現されていて観ると鳥肌が立ちました。

しかしなんと!今までNetflixで観ることができましたが、今年も観ようと思ったらNetflixから無くなっていました・・・残念!

だから、ここに紹介しても皆さんが観れないかもしれないです。汗
でもじつはYoutubeにフルバージョンでアップされていました・・

この映画の中で、いよいよインドネシアの独立が近づいているか?!という頃のシーンで、当時の独立準備調査会のメンバーたちが、独立後の国の構想を熱く語り合う場面があります。

メンバーたちの間ではインドネシア統一、というよりもジャワ島だけがインドネシアになる、と思っている人たちが多い。そんな中スカルノは、インドネシアといえば全土をもってこそ「統一インドネシアだ」と言うのです。

他のメンバーが、そんなこと言ったって、ジャワ島だけでも人々をまとめるのは大変なのに・・などと言いますが、スカルノは譲りません。その場面でスカルノが語るのが「ヌサンタラ」についてなのです。

13~15世紀にかけて現在のインドネシアのようにほぼ全土をまとめていたMajapahit (マジャパヒト) 王国。この時のヌサンタラ (Nusantara)と同じように島々全部をまとめてこそインドネシアだ!とスカルノは言うのです。

マジャパヒト王国の名将ガジャマダの名前がこのシーンで出てきます。
反乱をおさえ、今のインドネシアと同じ東西に広がる大きな国土をまとめたマジャパヒト王国を理想のインドネシアのイメージとしていたようです。


歴史的名将ガジャマダ (gajah Mada)のイメージ画像

Nusantara ヌサンタラという単語はマジャパヒト王国が栄えたよりも少し前に栄えたシンガサリ王国の頃から使われていたそうです。

サンスクリット語由来で、Nusa が島々を表すそうです。antara は現代インドネシア語単語にもある、~の間というantara。

余談ですが、司馬遼太郎作品の小説「坂の上の雲」の中で度々、明治時代の軍人たちが戦国時代の名将の戦法や考え方を多く参考にしていたということが書かれていますが、映画Seokarnoの中でもこのように12~15世紀この地に栄えていた王国からインスピレーションを得ていたのだなぁ、と日本との共通点のようなものを感じました。

首都の移転、そしてその名前ヌサンタラ、もしスカルノやハッタ、また当時の独立のために戦った人たちが今の様子をみたらどんなことを思うのかな~、なんてことを考えてしまうのは私だけでしょうか。

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