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野生のキノコを食べてみた
今日は、初めて食べた野生のキノコの話を書きたいと思います。
この季節になるとキノコを食べて食中毒を起こした話をたまに聞きますね。今朝も公園でとったキノコを食べて病院に搬送された、というニュースを目にしたところです。キノコの中で、食べられるキノコと有毒なキノコの割合はどの程度なのか調べてみました。
日本に生息する菌類の内、きのこの生息数は5,000~6,000種と言われており、その中で名前の付いているものが約2,000種(北陸のきのこ図鑑で1,403種)で、名前の付いているきのこ全体の約10%の200種程度が食用きのこです。
たった10%しかないとは、食べられるキノコは思った以上に少ないのですね。
そんな危険なキノコとは無縁に生きていたのですが、先日、長野県某所を歩いていると、大きくて赤いキノコが生えているのが目に入りました。雨が降っていたこともあり、真っ赤なキノコの傘は、つややかに、毒々しさを増しています。「スーパーマリオ」のキノコのような、かなり大きめのキノコがたった一本だけポツンと生えている様子を写真に撮り、旧twitterにアップしました。
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「毒っぽいね」「怪しいよね」などと友達とTwitter 上で会話をしていると、見ず知らずのアカウントから「タマゴタケ フランス料理、イタリア料理では高級茸としてよく使われる」と、暗号のようなコメントをもらいました。
タマゴタケって聞いたことあるような、ないような。ただ、高級茸と聞いたからには、正体を突き止めたくなってしまうものです。知り合いの素晴らしいピアニストが、キノコ博士並みにキノコに精通していたことを思い出し、キノコのアップ写真と生えていた環境の写真を送って問い合わせてみました。すると、「食菌のタマゴタケです。ツボから生えていて、傘のふちに条線があり、柄が黄色と白のだんだら模様が入っています」と詳しい見解と回答が。なんと、やっぱりタマゴタケなのか!
食菌、ツボ、条線、だんだら模様…などと聞きなれないワードが多いため、一語ずつ意味を調べてみると、博士の描写は私のキノコにピッタリ当てはまります。
最後に「傘の裏のヒダが黄色であれば100%間違いありません」と書いてあるのを読むや否や、暗闇に飛び出して猛ダッシュでキノコの元へ舞い戻り、ひっこ抜いて捕獲。それっ!と、ひっくり返してみると、傘の裏は真っ黄色。
![](https://assets.st-note.com/img/1719307851344-5gfgCjPeHa.jpg?width=1200)
おおおおおOMG!!!
キノコが生えていたツボも見つけたので、これは食用のタマゴタケで間違いなし。
キノコを得意げに持って歩く私の姿を見た人達には、呆れた顔で散々「ぜったいに食べるな、触るな」と言われましたが、ビニールに入れて翌日まで保管し、新幹線に乗って東京まで大事に持ち帰りました。移動中にスマホで調理法を調べると、タマゴタケはオイルやバター、また卵との相性も良いとのこと。初めて食べるキノコの味をしっかり味わうには、シンプルなソテーが良さそうだってことで、さっそくオリーブオイルと塩胡椒で炒めることにしました。
野生のキノコとは、なんて濃厚な旨味なのでしょう・・・食感も風味も良く、これまでに食べたことのないお味でビールにもワインにも合う。ジビエを食べた時に感じる、血管がゾワっとする野生味がキノコからもうっすら感じられて、とても美味しくいただきました。
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と、まぁ味の方は大満足だったものの、衝動的に食べたキノコが猛毒で、あっさり死んだらバ◯ですよね。しばらく緊張して過ごしていましたが、特に何の異変も起こらず。
こうして私はキノコで新たな成功体験を積んだわけですが、キノコ狩りに行ってまで自分でとって食べようとは思わないのですよね。野生のキノコの旨味は忘れ難いとは言え、所詮は素人、過信するときっといつか猛毒キノコを引き当て、痛い目に遭うに違いありません。これは何にでも言えて、例えば通訳講座に行き始めた時もそうでした。日常会話ができるからと言って、通訳や翻訳を引き受けるのはとんだ勘違いだとは重々承知していたけれど、いざ本格的に勉強を始めると、求められる能力の歴然とした違いに、うっかり手は出してはいけないと自分を改めて戒めるわけです。趣味が昂じた先にプロの世界があるわけではないし、「にわか」が一番楽しいとも言いますしね。
キノコはにわかで食べたら死んでしまうので、スーパーに売っている味のぼやけたブナシメジや、栄養のない舞茸をおとなしく食べておこうと思うのでした。
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