ショートショート 「悲しいパフェ」
ここは、刑務所のなかの喫茶店です。
塀の外から、小学生の女の子が喫茶店の中に入ってきました。
女の子はメニューをみて、注文しました。
「悲しいパフェください」
女の子はお店の人に、お父さんの写真を見せて言いました。
「おとうさんと会う約束してるの」
悲しいパフェは、お父さんが昔、雪の降る外国で、働いていたときに、
食べていた、雪だけでできたパフェです。
チンとベルが鳴って、悲しいパフェのオーダーが入ると、
雪が降り始めました。
しばらくするとお父さんがやってきました。
女の子