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建築末端仕事の裏側と雇われと独立・家具職人の日当の違いを考える

私の仕事は家具職人

雇われ職人を経て独立してから介護まではお客様から直接依頼を受けて納品、現在は介護の合間に技術と時間を提供するフリーランス家具工として携わっている

いわゆる忙しい時だけ呼ばれる木工所のバイトのおばさんである。直取引とは違い、決まった図面を納期内に製作して日当をいただく仕事。

今ちょうど携わっているのが、某アミューズメントパークのグッズ売り場の陳列棚、店舗什器って基本的に短納期、夜中搬入など不規則なイメージが昔からある。

知り合いも陳列屋さんは大変だと口にするけどきっと設計士やデザイナー、インテリアコーディネーター的な目線からだと華やかでやりがいがあり、完成した空間を見て賞賛(称賛)されたりするので自分の作品に誇りを持てる良い仕事だと思う

一方、末端で製作する側は納期と予算が決まっているのに、依頼主側からの指示待ちによりギリギリまでなかなか決まらない材料や色、図面承認後に作り始めたのに急な変更で1から作り直し、

だけど納期と予算が変わらないという事象がある。作り直しにかかる費用ももらえないケースになると本当に災難。もちろん全てではないけどある。作り直すと材料も日当も増えるのは当たり前なのに気づいてないフリをする

間に合わせるために残業することになると人件費が上乗せされるので単価が上がるのは当たり前。

しかし、依頼主は予算決まってるから次の仕事で上乗せして〜といい、仕方なく予算オーバーをかぶるも、次の仕事では担当が変わったから聞いてないなどとスルーしてくる過去もあった

※私はこの元請けや中間業者の理不尽が嫌で独立してからはこの体制の仕事は請けないし、事情を説明して真っ当な取引として戦う→めんどくさがられる 笑

最近でこそ、お互い様精神で理不尽が改善されているとは思うし、私自身個人のお客様には恵まれて良い取引ができてきた。(でも慣例として変えれず泣き寝入りする人諦めている人もいるらしい)

続いて、職人の日当やオーナーの利益の話、

家具代が30万として、材料代や経費、事務所費など諸々から出した単価が20万とする、すると人件費は10万、

例えば単純計算で1人の日当1万円としたら、1人なら10日以内、2人で5日以内、に仕上げないと赤字になる、

雇われの日当の人は作る手間がかかって12日かかってしまっても12万もらえるけど、オーナーだとタダ働きになる、会社は赤字。

逆に7日で出来たら雇われは7万円、オーナーは通常より3万円利益が増える

結局、雇われ職人の場合、急いで早く仕上げても給料変わらない、なんなら早く終わると日数が減ってしまうので給料減る、それならのんびりできるペースで仕上げたら給料は増える

いわゆるダラダラ仕事して残業代を稼ぐようなもの。

残業代が出なくなるとササッと定時で帰る人、いるよね?今までの残業は何してたん?残業代稼ぎやん!ってわかりやすいタイプ

これが自営業オーナーになると早く仕上げたら利幅が増えるから頑張って早く終わる工夫をするし、自分に責任があるから丁寧に作るし、顧客開拓で次に繋がる良い対応を心がける。

昔の職人さんが1人親方の受け取り制度でこの仕事はいくら、とか、一台当たりいくら、でやってきた方は仕事が早くて丁寧で責任があるから仕事内容には信頼できる(だからこそ足を引っ張ると厳しく怖いけど)

なので、家具職人は儲かるか?という回答は『個人の技術と環境体制による』そして『取引先による』と思う

またこういう価値観が違う人たちが共同で現場に入ったら、ゆっくり日当確保系と、段取りよく早く仕上げる出来高制でぶつかり合いお互いにストレスになるのだ…

好きな仕事が嫌になる要因でもあるし、人付き合い難しい〜と悩んでしまう。

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