春よ来い
小さい人は脆弱で
正しく愛される必要があった
大きな声で怒鳴られずに
信頼する父と母が互いを憎しみ合わずに
尊重されて
生きていることを肯定してもらう必要があった
反対に
痛みと悲しみを刻み込まれた
それは体の成長で皮膚や骨が伸びるに従って
どんどん広く深くなって
存在を否定した
わたしは愛されなかった
そればかりかおぞましい
ぎゃくたい
をうけた
そのことが認定されたとき
せかいで
ひとりきりだった
それから
わたしは冬眠している
たまに目覚めてはじさつみすいをする
ニンゲン
でもわたしは
人生の責任を
引き受けなければならない
理不尽なこと
奪われて傷つけられたものは
不様に助けを求めて
七転八倒しながら滑稽な姿を晒して
裏切られる覚悟で信用して
そうやって最後は
自分の力で
立ち上がらなければならない
わたしは愛されなかった
けれども
わたしは愛する