パラレルワールド

かみさまを待っていた
幼き日

あの頃の夏休みを思って
永遠に感じるほどのときに
くらくらと目眩をおこす

何も変わらなかったのだよ
そればかりか

絶望はふかくふかく
年を重ねるごとにくっりきと刻み込まれてしまった

夏の日
そろばん塾の前にあなたは確かにいた
湿気にまみれて丈夫な体で
つっ立って息をしていたね
あなたはもうかみさまに会いましたか?

あっという間に大人になってしまったよ
かなしみの中で
ますます弱くなったのだよ

救いようのないわたしをみて
どうか泣かないで

あなたの中に芽生えた
小さな喜びの芽に
どんな日もかかさずに水をあげたい

あなたにとってすごく難しかった
そんなことが
わたしのできるちっぽけなこと




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