back number「水平線」について熱く語ってみた。歌ってみた動画も公開♪
こんばんは、きょうこと申します。今日はback numberの名曲、「水平線」について語ってみようと思います。歌ってみた動画を公開したので、BGMにお聴きいただけると嬉しいです。
以下、YouTubeの概要欄より転載します。
きょうこと申します。back numberの「水平線」ピアノバージョンを歌わせていただきました。
ここでは、曲の制作背景や私なりの解釈、思い入れについて語ってみようと思います。少し長くなりますが、お付き合いいただけると幸いです。
伴奏:One Note様 ※キーを2つ上げました
https://www.youtube.com/watch?v=KRtMagbjdh0
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この曲が作られたきっかけは、コロナ禍によって全国高等学校総合体育大会(インターハイ)が中止になり、落ち込んでいる高校生たちがback numberに手紙を書いたことです。
インターハイの開会式でback numberの「SISTER」が演奏される予定だった、ということもあり、back numberは高校生たちに向けて曲を書き下ろしました。
そして本来ならばインターハイが開催されるはずだった日に、「水平線」のMVがサプライズで公開されたのです。back numberが新曲を出すのは、約1年5か月ぶりだったといいます。
この曲は、単純に高校生たちを励ます歌にはなっていません。「頑張れ」「立ち直れ」「ポジティブに考えろ」というような押しつけがましさは全く感じられない、どこか静寂をたたえた歌のように聴こえます。
作詞作曲者である清水依与吏さんも、次のようなコメントを寄せています〔出典:「水平線」公式MV概要欄〕。
「費やし重ねてきたものを発揮する場所を失くす事は、
仕方ないから、とか、悲しいのは自分だけじゃないから、
などの言葉で到底納得出来るものではありません。
選手達と運営の生徒達に向け、何か出来る事はないかと相談を受けた時、
長い時間自分達の中にあるモヤモヤの正体と、これから何をすべきなのかが分かった気がしました。
先人としてなのか大人としてなのか
野暮な台詞を探してしまいますが、
俺たちはバンドマンなので
慰めでも励ましでも無く音楽を
ここに置いておきます。」
一言も「頑張れ」と言っていない歌が、何故こんなにも背中を押してくれるのか。その秘密は歌詞の言い回しにあるのではないかと思います。
ここからは私なりの解釈を書かせていただきます。
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私の解釈では、この曲のテーマは「物事の多面性」です。
インターハイ中止、もっと広い視野でとらえればコロナ禍は、決して良い出来事ではありません。
この悲惨な出来事が起こらなければ良かったのにと、心から思います。
しかし、「水平線」をはじめ、多くの素晴らしい音楽がコロナ禍がきっかけで生まれたのも事実です。音楽だけではなく、他の芸術やエンターテイメントにも同じことが言えるでしょう。
(コロナ禍は素晴らしい作品が生まれた原因ではなく、あくまでもきっかけであり、作品が生まれたのはアーティストの皆様のおかげです)
また、オンラインライブが普及したことにより、ライブ会場に行けなかった人がライブを体験できるようになりました。ステイホームをきっかけに歌の配信などを始めた人も多く(私もその一人です)、コロナ禍は音楽界にとてつもない災いをもたらすと同時に、ある部分には恩恵を与えました。
さらに、昔からヒット曲や名曲は、しばしばアーティストの個人的な辛い体験から生み出されています。
失恋、挫折、大切な人との死別……決して「良い出来事」ではありませんが、それらの出来事から生まれた曲が多くの人を救っているのもまた事実です。
ここで、「水平線」のサビの歌詞を見てみましょう。
「あなたの希望が崩れ落ちて 風に飛ばされる欠片に 誰かが綺麗と呟いてる
悲しい声で歌いながら いつしか海に流れ着いて 光って あなたはそれを見るでしょう」
この部分は、まさに物事の多面性を表現しているのではないかと思います。
この歌詞のすごいところは、「物事には色々な面があるよ!」とか「生きていれば良いこともあるから!」などと直接的なことは全く言っていないところです。
さらに、難しい言葉は使わず、誰にでもイメージできるような歌詞に仕上げています。
静かに、平易な言葉で、しかし力強く語りかける歌詞の力。作詞作曲者である依与吏さんの天才的な言葉のセンスと、高校生たちへの想いが鮮烈に伝わってくる歌詞だと思います。
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2番のサビでは「あなたの夢がひとつ叶って」と、1番とは逆の状況が現れます。
「あなたの夢がひとつ叶って 歓声と拍手の中に 誰かの悲鳴が隠れている」
これもシンプルでありながら心臓を射抜くようなパワーを持つ歌詞だと感じます。
1番の歌詞は、悪い出来事が巡り巡って誰かに恩恵をもたらすというメッセージでした。ところが2番は、「良い出来事が巡り巡って誰かを傷つける」という、辛辣とも思えるメッセージを伝えています。
例えば、あるミュージシャンがブレイクしたら、そのミュージシャンや関係者、ファンの皆は歓喜するでしょう。
しかし、それはブレイクのポストが1つ埋まってしまうことを意味します。1人がブレイクすれば、他の誰かが埋もれてしまい、売れる可能性が低くなってしまうのです。
「歓声と拍手の中に 誰かの悲鳴が隠れている」というのは、このようなことを表しているのではないかと思います。
つまり、1番と同じく「物事の多面性」を言っているということです。
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この曲は、今年配信されてから大ヒットして、2021年に最もヒットした曲の一角となりました。2020年に公開されたMVの再生回数も1億回を突破しています。
曲の受け取り方は、もちろん一人一人違っていいのだと思います。私とは全く違う受け取り方をする人もいるでしょう。
個人的には、「苦しんでいる高校生たちをどうにか力づけたい、自分たちにできることがあるならやりたい」という切実な思い、優しさが感じられる曲だと思っています。そして、物事の多面性という深遠なテーマを平易な言葉で表現した名曲だと思います。
もしここで初めてこの曲を知った方がいるならば、とても嬉しく思います。また、「理解が深まった」「より良い曲だと思えた」などと思っていただけたら嬉しいです。
ここまで読んでくださった皆様、聴いてくださった皆様、本当にありがとうございました。
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noteを始めました。音楽について、また持病である精神疾患について書いています。覗いていただけると幸いです。
https://note.com/kyoko211114
●おすすめ動画
これまで公開した動画の中で、苦しい時に聴いて/読んでいただきたいものを紹介します。
①Smile Again(合唱曲)【一人で合唱してみた&概要欄で語ってみた】中山真理:作詞作曲
②カナリヤ/米津玄師【歌ってみた&概要欄で語ってみた】https://youtu.be/X05gbMWZ97I
③明け星/LiSA【歌ってみた&概要欄で語ってみた】
https://youtu.be/55OW-UuBGqM
●公式MV
https://www.youtube.com/watch?v=iqEr3P78fz8
●録音環境
【DAW】GarageBand
【録音端末】iPad 第9世代
【マイク】オーディオテクニカ AT2020
【オーディオインターフェース】TASCAM iXZ
【キー設定】原曲+2
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