あたし #19
悪夢
人を信じられなくなったのは、いつからだった
のだろうか。
いつも心から喜べなくなったのも、いつからだろうか。
最高に喜ぶ展開を予想しながら
最高に最悪な展開も予想する。
長男が産まれた後、年子になるはずの
お腹の赤ちゃんは流産してしまった。
「手術の前に、お腹が痛くなったら直ぐ来てください」
手術の前にお腹が痛くなった。
痛がるあたしに、背中を摩ってくれたけど
長男がいたからなのか、、、
わからないけど、病院へ連れてってくれたのは、片道三十分の母だった。
病院についた時には、出てしまっていた。
二度目の流産と、陣痛のように苦しむ
あたしを目に、病院へ連れてってくれなかった
元旦那に対しての苛立ちで
もう別れたい。
そう思っていた。
そんなある日、友達から電話が鳴った。
夜働いていた友達からだった。
「◯◯君がお店に来たんだけどきょうちゃん連絡とりたい?」
そう深く好きになった人はあまりいない
人の一人。
懐かしさと、このタイミング。
「うん」
きっとこの選択と、元旦那との結婚
もきっと間違えたのだと思う。
違うかあたしが産まれたことこそ、間違いだったのかもしれない。
普通に連絡とって会う約束をした日に
会いにいった。
向こうの都合で会えず
会わず終いになった。
別れようとした元旦那との間に
子供ができたからだった。
その人にも、彼女が居て
後々結婚すると言うところ
まで連絡をとった。
「こう言う運命だったね」
いつもタイミングが絶妙に違った。
いい意味でも悪い意味でも単純な人
だったから、あたしの言葉の真意を
分からなかったのだと思う。
いや、わかったけどそう言うてい
にしたかったのだと思う。
おろす選択肢はあたしにはなかった。
別れようと決めているのがわかったのか
無理やりだった。
そんな頃から、あたしの第二章とも
言うべき悲劇が勝ってに幕を開いた。