ひとよひとよのよまいごと #4M-1と人文社会と
ネットニュースでたまたま読んだ堀江貴文(ホリエモン)氏の発言。
要約するとM-1はオチが予想できてしまうのでつまらない。言語能力人間ほどM-1を見ない。というものだ。詳しい内容はYouTube等で動画を見て頂ければ正しく理解できると思われるのでぜひ実際の発言をご視聴いただければよいかと思う。
この人が言う言語能力が高い人がどう頭の良い人を指すのかは判然としないが、少なくとも旧帝大学で文学部生をやっている私はM-1を毎年視聴しているし、オチを予想しながら見るのも当たっても外れても楽しいし、面白いと思う。まあ、件の発言自体は2年ほど前のものらしいので今更それに言及するのもあれかもしれないが。
私がこの発言を見て最初に思ったのはM-1が面白いという反論ではなく、
「こういう発言をする人間が文系・文学不要論を唱えるんだろうな」
ということだった。
勿論少々飛躍した論理であることは理解しているし、反論があっても良い。
漫才の伏線回収、オチへ向けて展開していく笑いの取り方と堀江氏が面白いと評価したハンバーグ師匠などの一人芸の意外性による面白さの違いが文系分野と理系分野の違いに重なって見えるのである。
理系分野の研究というのは確実な新発見、新たな技術が生まれることが(ある程度)確実な中で答えが出ることも決まりきっているが、
文系分野の研究というのはそれとは対照的に、既にあるものの中からあるかどうかも確証のないものである。
私は漫才を文学的なものとリンクする分野だと考えているので、
その紆余曲折さを愛している。
それを愛せない強要の乏しい人間が増えてしまうことで、
人文社会分野は危機に立たされるのではないかという危惧を拭えないのだ。
そんな風に思いながら、今日も夜は更けていく。
(終)
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