ナッジを協会の活動や運営に応用しよう
「ナッジ」という言葉をご存じだろうか。
「ナッジ」とは、おおざっぱにいうと、
人間の心理を利用して行動を促す、さりげない仕掛け・優しいテクニック
を指す。
強制ではない、さりげなさや優しさがポイントとなる。
イソップ物語の「北風と太陽」でいうと、太陽がポカポカと温めたことにより旅人がみずから上着を脱いだ。
あれがナッジだ。
身近な例をあげると、
店舗のレジ前に足跡マークがついていると、人々が勝手に並ぶ
階段に「この階段を上るとxxカロリーが消費される」と書いてあると、人々は階段を使う
スーパーの棚に並ぶ商品のうち、目の高さに置いてあるものが最も売れる(これを逆用して、最も売りたい商品を目の高さに置く)
電気代の明細書に他人との比較を入れておくと、節電意識が高まる
皿を小さくすると食べすぎが減る
周囲の音を下げると食事の咀嚼回数が増える
これらも典型的な「ナッジ」。
もともとは「肘でそっと突く」という意味の英語から来ている言葉だ。
「ナッジ」にはこういう例もある。
有名な話なのでご存じの方も多いのでは。
▽
「ナッジ」はおそらく協会にも応用できる。
「ナッジ」の考えかたを取り入れると、ほんのちょっとした刺激や工夫を使って、上手に人を誘導できるようになるのではないだろうか。
「気持ちよく操る」というと誤解を呼ぶかもしれないが、でもきっと、「気持ちよく操る」は当たっていると思う。
苦い薬を飲ませるためのシュガーコートにも似ている。
そこで、しばらくのあいだ、「ナッジ」をテーマにした記事をお届けしようと思う。
ナッジの種類や効果、応用例などを紹介しながら、ナッジの背景にある心理学的な原理を解説していく。
最終的には、筆者自身も自分でナッジをいろいろと考え出せる頭になりたい。
ナッジを学ぶことで、協会の設計や運営が大きく変わるかもしれない。
ナッジは会員の行動をこっそり方向づける、強力なツールになりうるからだ。
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