質問はありますか?で、シーンと静まってしまう人々のナッジ
セミナーや研修、会議の終わりによく聞かれる「質問はありますか?」という言葉。
そして、その後に訪れる静寂。
日本では珍しくない光景かもしれません。
今回は、
企業研修の講師として活躍されている梶田さん
ナッジ(行動経済学における人々の行動を変える仕掛け)を研究している奈地さん
の会話を通じて、この現象への興味深いアプローチをご紹介します。
奈地さん「あ、梶田さん!お待たせしました。今日もいつものカフェでありがとうございます」
梶田さん「いえいえ。僕も研修の合間で、ちょうどいい息抜きになります」
奈地さん「先週の研修、大変だったんですって?」
梶田さん「ええ…新入社員研修だったんですが、最後の『質問はありますか?』でまたしても静まり返ってしまって」
奈地さん「あ!それ、前から興味があったんです!実は昨日も会社で同じような状況があって、私の企画提案のあとに上司が『質問は?』って言ったら、やっぱりシーンとなっちゃって。でもね、これってナッジで解決できるかもしれないんですよ!」
梶田さん「ナッジ…そうでしたね。奈地さんが3年前の研修の後に熱く語ってくれた『行動経済学』の話ですよね」
奈地さん「覚えててくださったんですね!そう、その時の研修でも誰も質問しなかったから、私だけ後で個別に質問しちゃって、そのままナッジの話で盛り上がっちゃって…あ、また長話をしそう。ごめんなさい」
梶田さん「いえ、むしろ聞かせてください。ナッジでどう解決できそうですか?」
奈地さん「はい!まず、日本人って『ヒツジ』的な特性があるんです。目立ちたくない、でも学ぶのは好き、って。私、最近それを研究していて。だから『質問はありますか?』って聞かれても、みんな自分だけ手を挙げるのを躊躇しちゃう。でも実は質問したいことはあるんですよ!」
梶田さん「なるほど。確かに研修後の個別相談では、けっこう質問が出るんです」
奈地さん「そうなんです!だからナッジで『質問しやすい環境』を作れば…たとえば、質問を書く小さなカードを配っておくとか。あ、私、こないだモカの散歩中に考えたんですけど、スマホで匿名の質問ができるアプリとかもいいかも。あ、モカって私の犬なんですけど…また話が逸れそう」
梶田さん「面白いですね。でも単にカードを配るだけじゃ、書かない人も多そうです」
奈地さん「そこなんです!ナッジのポイントは、書かざるを得ない状況を自然に作ること。例えば、『次のセッションではこのカードに書かれた質問にお答えします』って事前にアナウンスしておく。そうすると『書いておかないと損かも』って思わせられるじゃないですか。これ、実は私の夢の協会でもやってみたいなって思ってることなんです」
梶田さん「協会?」
奈地さん「あ、はい…実はナッジの協会を作りたいって思ってて。でもまだ漠然とした夢というか。今は広告代理店で働きながら、趣味でナッジの勉強をしてる段階で。あ、また自分の話を…ごめんなさい」
梶田さん「いえ、とても興味深い話です。研修でもナッジは使えそうですね。他にもアイデアはありますか?」
奈地さん「はい!例えば、質問タイムの前に『ペアで話し合う時間』を作るとか。一人で考えるより、誰かと話しながら考えたほうが質問が出やすいんです。あとは、『今日の研修では平均して3つくらい質問が出るんですよ』って言っておく。そうすると『質問するのは普通なんだ』って思えるじゃないですか。私、こういうの考えるの大好きで!」
梶田さん「なるほど。次の研修で試してみようと思います。一番取り入れやすそうなのは、ペアでの話し合いかな」
奈地さん「ぜひ結果を教えてください!あ、もうこんな時間…長話してしまってすみません。私、この後も仕事が…」
梶田さん「いえ、とても参考になりました。そうだ、もし良ければ、次回の研修を見学しませんか?ナッジの効果を一緒に確認できそうですし」
奈地さん「本当ですか!?ぜひ見学させてください!あ、その時はまたナッジのアイデアを考えておきます。この前も散歩中に考えたんですけど…あ、また話が長くなりそう。今日はここまでにします」
梶田さん「はい、また面白いアイデアを聞かせてください。その熱意は、きっと協会設立にも活きると思います」
奈地さん「ありがとうございます!では、失礼します!」