詰ませる力を鍛えるアプリに「詰めチャレ」はいかが?ただし毒にも薬にも…
今日は「詰ませる力」を鍛える方法について書いていきたいと思います。終盤力っていくつかの分野に分かれると思っていて、具体的には、
・相手玉を詰ませる力
・必至や詰めろをかける力
・囲いを崩す力
・終盤入り口から寄せる力
ほかにもいっぱいあるかもしれませんが、とりあえずこんな感じですかね? そして「相手玉を詰ませる力」はこの中で一番大事だと思います。終盤入り口からうまく相手玉に迫り、囲いを崩し、詰めろをかけても、この力が無ければ勝てません(笑)。もっとも、上記の力はどれもこれも「鶏と卵」なので、どれが一番大事というのもナンセンスな気がしますが…
今回の記事では、「相手玉を詰ませる力」を鍛える方法として「詰めチャレ」を推薦したいと思います。有名なアプリですからご存じの方も多いかもしれませんが、またやってみたことが無い方におかれましては、ぜひお試しいただけたらと思います.
1.そもそも「詰めチャレ」って何?
「詰めチャレ」とは何? という話からしていきたいと思います。これは「将棋クエスト」というスマホアプリ内の「ひとりで練習」の中のコンテンツの1つで、正式には「実戦!詰めチャレ」というそうです。ほとんどの人が正式名称で呼びませんので、ここでは「詰めチャレ」でいきたいと思います。
具体的な内容としては、実際に将棋クエストの実戦で出てきた「詰みが有る局面」が出題され、1問30秒以内で相手玉を詰ませるというものです。一言で言えば「実戦で出た局面を用いた実戦詰将棋」ということになります。
2.詰将棋は「詰ませる力」向上のためにはベストではない
「詰ませる力」を付けるなら詰将棋を解けばいいんじゃない?という声が聞こえてきそうですが(笑)、私は普通の詰将棋は「詰将棋独特の手筋」を用いることが多い(例えば捨て駒が無い詰将棋なんてほとんど見ないし、邪魔駒消去だって滅多に必要にならない)ので、実戦的な詰ませる力を付けるのにはベストではないと考えています。
余談ですが、以前も書きましたけど、詰将棋は「読む力」を鍛えるための基礎練習みたいなイメージ。もちろん3手詰めや5手詰めには実戦でもよく出るパターンの手筋が出てくることもあるので、「3手詰ハンドブック」や「5手詰ハンドブック」くらいまではほぼ暗記するくらいまでやりこむのは「詰ませる力」を鍛える上でも効果があると思います。
3.詰めチャレのいいところ
その点詰めチャレは、なんといっても実戦で実際に出た局面を用いた詰将棋ですから、実戦的な詰ませる力を養うには最適です。
また、1問を30秒以内に解かなければならないですし、一度指してしまうと後戻りはできない仕様です。したがって、頭の中だけで考えなければならず、実戦の時間が無い終盤戦を想定した練習ができるのかなと思います。
4.詰めチャレの欠点・注意点
まず、答えがありません。間違えたらそれで終わり。間違えた問題は時間制限が無い状態で何度も解きなおすことができますが、自力でわからなかったら永遠にわかりません。ツイッターなどにアップすると大抵すぐに有識者が教えてくれますから、ツイッターの利用はほぼマストです。アプリで解いてくれるものもあるそうですが私は知りません(笑)。
次に、レートや段級位が出てくるのですが、これが余計です。だいたい、1問正解するプラス数値に比べて、1問間違えた時のマイナス数値が大きすぎます。「だいたい7割5分正解すればレートがほぼ変わらない」感じで問題を出してくるのですが、すごくストレスが溜まります。
また、問題を正解しても間違えてもその問題の難易度が出てくるのですが、これもムカつきます。苦労して解いてもレートが低かったら腹立ちますし、間違えた問題のレートが低くても自分の無能さにムカつきます。
そして、段級位のおかげで、常に数字の上下にストレスを感じてしまうんですよね。私の場合、段が上がって嬉しいということはあまりなく、段が下がった時にすごくイライラして、なんとか戻そうと廃指ししてしまうことが多くて。本当に時間の無駄ですし、はっきりと数字にこだわり過ぎです。
5.上手に詰めチャレを利用しよう!
そもそも、将棋クエストというアプリが将棋連盟の公認というわけでもなく、この中で扱われる段級位にはなんの価値も無く、当然詰めチャレの段級位もレートにもなんの価値も無いんです。
なので、数字はこだわらず、あくまでも練習台という意識を忘れずに使えば、上でも書きましたが大変効果のあるアプリだと思います。でも、思わずそのことを忘れて廃指ししてしまう毒性もあるアプリでもあります。
とにかくレートや段級位には何の意味も無いことをちゃんと理解したうえで、上手に詰めチャレを使えたら、毎日の勉強に組み込む価値が高いと思います。無料ですし、無意味な数字に一喜一憂することなく、使えるものは効果的に使っちゃいましょう。