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Arrange #10 ウミユリ海底譚 / #11 DIVE with Ü / #12 千本桜
面倒くさがって解説を書いてなかった3本をまとめて雑に解説.
I. #10 ウミユリ海底譚 (n-buna feat. 初音ミク) / Tale of the Deep-sea Lily (n-buna feat. Miku Hatsune)
n-bunaという字面を見たことがない人でも「ヨルシカ」の名を聞いたらピンと来るだろう.ヨルシカのコンポーザーであり,ギターを弾いているのが彼,n-buna氏である.
この曲は氏がボカロPをやっていた時代の曲.YOASOBIのAyase氏や米津玄師として活動しているハチ氏辺りももとはと言えばボカロPだった.この辺りの有名Pがボカロを捨てて人の声に走っているのを見るとネット老害は少々悲しさを覚えるが,まあそんなことはどうでもいい.
きっかけ的には最近(?)あおぎりに入ってきたVTuber萌美氏のこの歌みた.
これを聞いて思ったのである.変ニ長調のウミユリが予想以上に良いと.また同時に,原曲ほどスタッカートでなくてもピアノ寄りに流れるような演奏でも結構耐えるのでは?と.
思い立ったが吉日.やってみようと思った.斯くして今回のアレンジが出来上がったというわけである.
巷は「原曲をピアノの88鍵の中で再現する」ことを目的とした編曲で溢れかえっているが,こと私の編曲に関してはそこまで再現性は重視していない.勿論,原曲の欲しい音は欲しい音で入れるのだが,必ずしも入れるわけでもない.逆に自分が独自にこんな音を入れたいなぁと思ったらそれを突っ込むのである.そして最終的に「自分が聴いていて最高に気持ちいいように作り変える」のが目的なのだ.
いわば,私がやりたいのは翻訳(translation)ではなく翻案(adaptation)なのである.分かりやすいのは六兆年で,原曲にはないゴーストノートが大量に入っている.
ノアの方舟に至ってはゴーストノートどころか普通にオリジナルのフレーズを作曲してしまっている.冒頭5-8小節目.
原曲はギターロックらしい歯切れの良いサウンドだが,本編曲はピアノらしいエレガントさを求めて基本ペダルはベタ踏みにした.意外とこういうのもいいっしょ?
II. #11 DIVE with Ü (REDALiCE & t+pazolite & kobaryo & エリザベス (CV:大西沙織) & リリィ(CV:青木志貴)&ルーン(CV:河瀬茉希))
うちのチャンネルのリスナーは十中八九知らんだろう.100%私の趣味である.WACCAという音ゲーの曲らしいが詳細は知らない.たまたまおすすめに流れてきて一瞬で心を掴まれた.変ニ長調でアップテンポで四つ打ち.好きな要素しかない.文句があるとすればフル尺でも短いといった点か.老害だから長い曲の方が好きなんだ.
楽器をやる人,特にピアノ弾きあるあるだと思うのだが,「楽器を弾ける」=「音ゲーが出来る」というわけではない.音ゲーをするのは知らない楽器をやるようなものである.何ならその楽譜が五線譜でなく,画面上で降ってくる光だというのだから至難の業だ.
さて,ピアノなので原曲ほどの音圧は諦め,とにかく弾いてて楽しいように作った.ほぼストレートに小細工せず作ったので言及するような部分はない.
III. #12 千本桜 (黒うさP (WhiteFlame) feat. 初音ミク) / Thousands of Cherry Trees (Kurousa-P (WhiteFlame) feat. Miku Hatsune)
令和の今になって今更引っ張り出すような曲ではないのは重々承知なのだが,やってみたくなってしまったので仕方ない.普段は絶対使わないトランスポーズで何となく遊んでたら,ロ短調の千本桜良くね?ということに気付いてしまい勢いで作った.
冒頭がサビスタートなのは和楽器バンドArrのオマージュ.今年いっぱいで活休してしまう.かなしいね.
この曲を初めて聞いたのは確か小6の時だったろうか.子供故まだ耳も良くなく,縦の繋がりはおろか横方向の音の繋がりもろくに分かっていなかったが故の勘違いなのだが,原曲では
![](https://assets.st-note.com/img/1730808270-ROqoByHXWn0IEtjUiwGfzbe4.png)
となっているところを,この下の「ド」と,2拍目の2,4音目の「ド」をひとまとめにして,
![](https://assets.st-note.com/img/1730808319-6bULyQz7de8Sjv4kZVhsKwYx.png)
というモチーフが裏で流れていると勘違いしたのだ.それ故この音がないと気持ち悪く感じるので,この音だけは絶対に入れると決めていた.
もう1つこだわったのはサビの左手.通常は[E](Bメロ)のようにオクターブを交互に行き来する伴奏系が使われるのだが,原曲のサビは単なる8ビートではなく,すべてが強拍で,常にスネアがバスドラと一緒に鳴っているのだ.この独特のリズムを損ないたくはなかったのでここも重視したポイントだ.
IV. クレジット
作曲: n-buna 様,REDALiCE 様,t+pazolite 様,Kobaryo 様,黒うさP 様
編曲・執筆・浄書 (#11): kyoka (@kyoka20011218)
浄書 (#10, #12)・動画編集: Noah
見出し画像: フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)