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〈関係性〉の「脱形式化」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』


〈関係性〉の「脱形式化」 【かんけいせいのだつけいしきか】

 「人間の〈関係性〉には、ときに互いが背負う「〈関係性〉の場」に触れ、〈我‐汝〉として向き合うこと、換言すれば〈間柄〉の背後にある「私」の顔を互いに表出することによって、はじめて掴み取れる“真意”というものがあるからである。本書ではこうした行為のことを、〈間柄〉による「形式化」に対応させる形で、〈関係性〉の「脱形式化」と呼ぶことにしたい。」 

上巻 219

 人々が〈関係性〉を構築する際、〈間柄〉として向き合ったもの同士が、敢えて〈間柄〉の背後にある「私」の顔を覗かせることで、〈間柄〉がもたらす〈関係性〉の負担(「内的緊張」)を軽減させるメカニズムのこと。

 その前提として、〈間柄〉を介在させることで、互いの振る舞いを予測可能なものにし、〈関係性〉の負担を軽減させるメカニズムのことを、〈関係性〉の「形式化」と呼ぶ。

上柿崇英『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版、2021年)

 このページでは、筆者が2021年に刊行した『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版)に登場する用語(キーワード)についての概略、および他の用語との関係について説明したウェブ版の用語集のnote版です。

 (現在リンク先は、すべてウェブ版を借用していますが、徐々にnote版に切り替えていく予定です。

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