〈生の混乱〉とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』
〈生の混乱〉 【せいのこんらん】
第一の意味として、主に、人々が身体に規定された存在として生きる必然性を失っていく〈生の脱身体化〉の帰結として、人々がこれまで自らの生を規定してきたさまざまな観念、価値、枠組みを失うことで、生のリアリティや生きる意味に混乱を抱えるという事態のことを指す。
また第二の意味として、〈生の脱身体化〉のみならず〈生の自己完結化〉を通じて、「意のままになる生」が着実に実現していくなかで、「あるべき社会」、「あるべき人間」、「あるべきこの私」といった理念が突出し、「意のままにならない生」の現実との乖離において苦しむという事態のことを指している。
このページでは、筆者が2021年に刊行した『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版)に登場する用語(キーワード)についての概略、および他の用語との関係について説明したウェブ版の用語集のnote版です。
(現在リンク先は、すべてウェブ版を借用していますが、徐々にnote版に切り替えていく予定です。