「〈社会〉と〈人間〉の切断」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』
「〈社会〉と〈人間〉の切断」 【しぜんとしゃかいのせつだん】
人類史を〈人間〉、〈社会〉、〈自然〉の三項関係として捉えたときに見えてくる、人間の存在様式の質的変容に関わる第三の特異点のこと。
ここには、「近代的社会様式の成立」が人間社会の論理のみによって突き動かされてきた結果、自然生態系との「整合性」を欠いた形で肥大化してきたように、まさしくその延長線上において、今日、肥大化する〈社会〉が人間存在それ自身に対して「整合性」を失いつつあるとは言えないか、そしてまさしく〈自己完結社会〉の成立に伴う〈生の自己完結化〉と〈生の脱身体化〉、そして〈関係性の病理〉と〈生の混乱〉こそが、そうした側面の表れではないかという問いかけが含まれている。
とはいえこの説明は不十分なものであり、本書では「〈生〉の分析」や「〈関係性〉の分析」を用いてさらに深めることになる。
このページでは、筆者が2021年に刊行した『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版)に登場する用語(キーワード)についての概略、および他の用語との関係について説明したウェブ版の用語集のnote版です。
(現在リンク先は、すべてウェブ版を借用していますが、徐々にnote版に切り替えていく予定です。