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家を購入する方へ、日本家屋を建てるという選択肢はどうですか?

これから家を購入する方へ、選択肢の一つとして是非日本家屋の建築ということを検討してほしい。はっきり言って国産木材に瓦屋根、漆喰塗など建築コストは掛かります。大手ハウスメーカーぐらいの費用は掛かります。ですので、大手ハウスメーカーもいいんだけど、なんかもっとお洒落な家とか人と違う家に住みたいなって考えている方に特にお勧めします。

土地の購入から、既設建物の解体、建築設計事務所への依頼、建設会社との契約、法務局への登記、ローン契約など家の購入に関わるフローをほぼ自分で行いました。自分でこれだけ行うのは結構大変でしたが、悩みながらも楽しみ自分の納得いく形で家を建てれたので、労力は掛かりますが一生の買い物をより良いものに出来たのではないかなと思いますので、このフローを共有したいと思います。

最近の家はハウスメーカーが機能性は良いがどこも同じような形をしているのと思いませんか?今流行りの家の形などがあると思います。今はかっこいいかもしれません。

しかし、周りの家を見てみましょう。築10年以上の家を見てかっこいいと思いますか?時代によって流行りは変わりますし、自分の感性も変わるでしょう。

そこで、選択肢に入れて頂きたいのが日本家屋なんです。ここは日本です。日本家屋は10年経っても流行り廃りなどがないんです。ここが日本であり続ける限り日本家屋は不変なものなのです。

私は、富田林寺内町という重要伝統的建造物保存地区に日本家屋を建築しました。外観は新築と言うとビックリされるぐらい町に調和した町屋となりました。内装は、無垢材を使った和モダンなものにしました。

それでは、家が出来るまでの長い道のりを書いていきましょう。

土地の購入について

気になる土地をSUUMOなどで探しましょう。住む場所の好みはそれぞれあると思いますので、あくまで私の考え方をご紹介します。住宅開発されている土地は、10軒未満のものから大規模開発で100軒以上建てられるような場所もあるでしょう。同世代が多く子育てには良いかもしれません。しかし、その場所が山を削って造成したような場所であれば、駅から遠く自動車ありきの場所ではないでしょうか?老後でも暮らしやすい場所でしょうか?公共交通機関のあるなしは考えておく必要があります。また、裏が山で雑草が生い茂っているような場所でないか、土砂災害がないか、河川近くで洪水の恐れがないかなども検討しておく必要があるでしょう。


私がお勧めするのは旧市街地で駅から近いところです。やはり駅が近い、スーパーが近くにある、公共施設や郵便局があるなど旧市街地はなかなか便利です。そこで、空き地や建物付きの土地を探します。注意点として、接道が私道ではなく自治体の管理する市道であるかを確認して下さい。建物付きの場合、解体の必要がありますが、その分の値引き交渉は可能です。購入したい土地が決まったら、不動産屋を通して購入の意思を売主に伝えます。購入するときの自分側の不動産屋選びも重要です。私ははじめに町の不動産屋に行きましたが、この土地を安く買いたいんだけどと相談すると、SUUMOなどに出ている値段の、それでは50万円ぐらい安く依頼してみましょうかとなりました。しかし、事前に路線価などである程度の相場を調べており、売主が高めに設定していたことは把握済みでしたので、そんな価格では買えないと考えていました。
路線価の図に書かれている数字×面積で参考価格が出ますので計算して参考にして下さい。

そこで違う不動産屋さんに、強気の約500万円引きの値段で交渉してくださいと伝えたところ、いけるかどうかは分かりませんが探ってみますとのことでした。もちろん相手のあることなのでどうなるか分かりませんが、早く売りたい事情がある場合もあるので、私の場合は約500万円引きに応じて下さいました。売主側も値引きを想定して高めに設定していたのかもしれません。ここで頼む自分側の不動産屋によって価格差が大きく出ました。それは、不動産屋は仲介手数料【3%+6万円】を収益としますので、売買契約額に3%が掛かるので金額が高い方が儲かるのです。そして、高い金額の方がもちろん売主は納得するので売買契約が成立するのです。買主がその価格で良ければ不動産屋にとっては一番いいのです。しかし、購入側はもちろん安い方が良いですよね。ですので、自分側の不動産屋選びは重要です。

そして、不動産売買が成立すると所有権移転登記を行いますが、これは必要書類を売主側がある程度用意してくれますので、登記申請書、売買契約書、登記原因証明情報、印鑑証明など必要書類を法務局に持って行くだけなので司法書士等は必要なく自分で出来ます。詳しくは検索してみてください。

既存建物の解体、滅失登記について

建物付きの土地の方が割引をしてくれると思います。解体工事費用の見積もりを取りましょう。私の場合は、一括見積のサイト3社、地元業者の1社の合計4社の見積を取った結果、地元業者が一番安く提示してくれましたので契約しました。出来れば近隣挨拶をして工事に入ってもらいましょう。

そして、解体工事が終われば建物の滅失登記という行為が必要です。こちらについても、登記申請書に解体証明書と工事業者の法人の登記事項証明書を添付して持って行くだけで、簡単に自分で出来ますので土地家屋調査士などに頼む必要は全くありません。検索しましょう。

建築設計事務所に設計依頼

私の場合は、富田林寺内町に設計事務所があり、日本家屋の実績も豊富にある一級建築士事務所有限会社ネオジオ(NEOGEO)に依頼しました。設計事務所との契約は建設費用の何%とかで決めていることが多いようです。

https://neogeo-inc.com/

私はこの土地にこういう風に建てたいと完全にイメージしていました。
初回打ち合わせで、家の名前は○○邸ではおもしろくないので、【町屋河京富月】で決まっています。日本一の町屋を作りたいんです。と伝える珍客相手に驚くも、寺内町での設計で特に力を入れて下さりました。
自分の頭の中で何度も何度も描いた町屋の絵を、現実に施工出来るように具現化して頂きました。何度も何度も細かいところまで伝え最高の設計図を作って頂きました。

自分の思いを色濃く反映するのはやはりハウスメーカーでは限界があり、建築設計事務所に頼む醍醐味かと思います。

建設会社の決定

施工会社の選定は建築事務所を通して3社、競争性を持たせるため自分で選んだ地元会社1社の4社で見積もりを取りました。その結果、建築設計事務所の実績多数である株式会社アールワンが一番いい価格を提示して下さったのでお願いしました。


http://www.reform-r1.jp/


工事現場には嫌という程足を運びました。日々出来上がってくる家の状態を確認しました。イメージと違うところは職人泣かせな部分は多々あったことと思いますがこちらの思いを伝えた結果、プロの仕事で良い家を作り上げてくださいました。自分の思いを反映するにはやはり何度も見に行って、職人さんとコミュニケーションを取ることだと思います。

住宅ローンの借入銀行決定

こちらについても自分の考え方だと思いますが、ネット銀行の変動金利で借り入れましたが今のところ当初と変わらない低金利のままなので、今後もこのまま低金利が続けば良いなと思っています。

法務局へ建物表題登記・保存登記・住所変更の提出

建物表題登記に必要な建物図面、各階平面図、所有権証明書などを揃えましょう。設計事務所や建設会社に用意してもらえるものは用意してもらいましょう。各階平面図については自分でCADを使って作成しました。こちらはちょっとハードルが高いかもしれませんがフリーのCADソフトもあるので挑戦してみてください。

最後の保存登記についても自分でやり切る予定でしたが個人では時間を要したので、建設会社の引き渡し、支払い、ローン融資実施日の調整の加減で迷惑を掛けることが出来なかったのでなくなく司法書士に依頼しました。

これは特に必要ないと言えば必要ないのですが、登記されるときは前の住所になってしまいますので、新築に引越した後は登記名義人住所変更を新築住所にしておく方が気持ちが良いでしょう。こちらも法務局に書類を持って行くだけなのですごく簡単に出来ますので新築住所に変えました。

どうですか?土地の購入から、古家の解体、設計、建築、ローン、登記の工程を経て遂に完成です。


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庭造り

後日、友人の庭師の旅象造園設計に庭造りを依頼しました。
購入した土地にもともとあって、好きで残した既存の枝垂れ梅に、好きな木の紅葉や紫陽花の他、河南町の古川庭樹園に植木を見に行って、数ある木の中から好みの木をひたすら候補を挙げて、その中から落葉樹、常緑樹を織り交ぜて選びました。
さらに親戚の家から石燈籠とか踏石を移設し、洗い出しの通路を造って日本庭園を造りました。
一緒に手伝ったのでこれもまた家づくりの一つの知識が出来ました。

最後に

自分で一からデザインする家づくりに興味が湧きましたか?ハードル高そうですか?
全国的に日本から減り続ける日本家屋を見るたびに悲しくなります。
所有者にはいろいろ事情があり、残したいけど解体されることも多いと思うので仕方ないのでしょうが、日本の独自の町並みがなくなって行くのを止めるには、守り保存するだけではなく、同時に新しく建てて増やすという発想も必要なのではないかと思います。重要伝統的建造物群保存地区内であれば、自治体より補助金も出ますので助かります。


日本独自の風情のある町並みを維持するため、新築の選択肢として町家を建てる人が増えてほしいと切に願います。

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