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京島鉢日記|11. 卓球台のためのエトセトラ
8:00起床、室温23度、曇り。
午前中にオンラインの会議があり、夕方からは東京の西側で取材。EXPO期間中、10月といえども自分個人としての仕事は続いており、お祭りのような日常、イベントが過密で追いきれない京島を後にするむず痒さは去年も感じていたものだ。
今日は商店街の中の空き地に卓球台が新設され、そのお披露目会があったらしい。SNSで盛り上がりをチラリとみつつ、実物をチェックできたのは夜になってから。コンクリートの存在感が格好いい、ちょっとやそっとじゃ動かない根を張った、定住式のピンポン台が爆誕していた。
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卓球台の手前には背の高い植物も飾られており、なるほどこれは植木鉢チャンスだと心得る。PingPongPlatzのロゴマークをモチーフにした鉢を作って、ゲリラ的に追いてみたらどうだろう?植物を植えるのみならず、ピンポン玉やラケットも保管できる器になったら楽しそうだ。
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今日の鉢「平積みラケットポット」
平面のデータは再現できるが、ただそれをZ軸に拡張しただけではなんとも締まりのない形になってしまう。卓球のラケット感を出すためには、あの独特な形状と厚みを際立たせる必要がある。そこで、基本的には押し出し形状として、上下の二箇所だけフチとして太くすることにした。マグカップのような雰囲気もあるが、ロゴが際立ちいい感じだ。
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底部には水抜き用の穴を用意。こちらもPingPongPlatzのロゴを活用して、機能面と意匠面が良い塩梅で両立できた。ミニチュア版はカプチーノでも楽しめそうなサイズで可愛らしい。全体的にナイスな仕上がりだ!
思いついてすぐ作るを繰り返すため、企画者たちに見せるのは完成してからになる。怒られはしないだろうが、でもどう受け止められるかは不安でもある。午後6時、夕刻のヴァイオリンを聴きに行きがてら実物を見せると、すごく面白がってくれて、僕もすっごく嬉しくなった。
去年の日記は完全に僕の思考にかぎっていたが、今年は作ったものを人に見せることで相互作用が生まれている。朝から晩まで頑張ったとて、人に出会うタイミングは選べないから、その日のうちに後悔する日記との食い合わせは最適ではないかもしれない。がしかし、この変化はポジティブなものだと思うので気負わず続けていこう。
このnoteは「すみだ向島EXPO2024」内の企画、京島鉢日記 / Kyojima Pot Diary として 淺野義弘(京島共同凸工所)によって書かれているものです。