京島共同凸工所

墨田区京島にひらかれる、誰でも使える街の工作室。3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル機材も使えます。なおし、つくり、シェアできる場所を目指し、2023年7月から運営が始まりました。 @東京都墨田区京島3-64-10

京島共同凸工所

墨田区京島にひらかれる、誰でも使える街の工作室。3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル機材も使えます。なおし、つくり、シェアできる場所を目指し、2023年7月から運営が始まりました。 @東京都墨田区京島3-64-10

マガジン

  • 京島鉢日記|Kyojima Pot Diary

    京島を彩る路上園芸は、歴史ある街の隙間を埋めるブリコラージュのようであり、その場の個性が強烈に滲み出ている。本企画では、京島共同凸工所にある3Dプリンターやレーザーカッターなどの機材を用い、街や店や人にインスパイアされた「植木鉢」を制作し、その日の出来事とともに記録し公開する。

  • 日誌「京島の10月」

    筆者はライターとして2022年にすみだ向島EXPOを取材で訪れた。その後この街の魅力に惹かれ引っ越し、京島共同凸工所という工房を立ち上げたが、公私を問わず、半年ほどの生活の中でもあまりに多くの出来事が続き、このエリアでの生活を文章で示すことの困難さ・傲慢さ・果てしなさを感じた。 来訪者から住民へ、住民から事業者へと変わりゆく立場の今、特に変化の多い「京島の10月」を、それでもどうにか文章で表してみたい。主観よりも客観を重視する日誌として、この街の姿を書き残すことに挑戦する。

最近の記事

京島鉢日記|30. 咲くやこの花、この話

10:00起床、20度、晴れ。 後悔しないとはどういうことだろう。取材者/鑑賞者としての1年目、出展者/記録者としての2年目に比べると、今年は関わり方がだいぶ幅広くなった。計5回のワークショップやイベント出展、EXPOや関連イベントのためのノベルティ制作、お客さんとの対話etc、活動量が増えたのは間違いなく、僕自身が顔を出せる場は減ったかも知れないが、僕や凸工所が関連したアイテムが人の目に触れた回数は圧倒的に増えたのではないだろうか。 その一方で、メインとなる鉢日記の更新

    • 京島鉢日記|29. こちらこそだよ感謝祭

      10:00起床、18度、雨。 昨晩はどすこいドーナツの量産を手がけ、溜まった日記の作業も進めるうちに日が超えていた。今日は電気湯で感謝祭というイベントがあるため、弊京島共同凸工所からはシルクスクリーン装置を持って参戦。電気湯のロゴでも剃ろうかなと考えるうち、どうやら入場特典としてタオルを配布するようなので、その隅に入れるサイズでアヒルを作ろうと思い立つ。当日の朝の思いつくヤバさはさておき、脳とマシンが直結したような速度で作業が進み、無事20名ほどのタオルに墨を入れることがで

      • 京島鉢日記|28. ようやく取り戻す

        8:30起床、18度、雨。 昨日が10月末で木曜日。色々締めまったし、ラボも営業日だしEXPOも残り3日だし、遅れに遅れている制作を進めるしかない。まずはずっと見たかった「午前11時の泥ばばあ」をNANZOで体験。目の前の大きな穴に成人女性が結構な勢いで転がり込んでいくのにはビビった。びちゃびちゃの泥を纏い、京島の土を連れて日光を浴びに外に出る。今日は特別編だったようで、太陽で刊行する作品を作るために青い布の上で当面寝転んでいるようだ。パフォーマンスの終わり方が気になりつつ

        • 京島鉢日記|27. 溢れまとめる10月末

          12:00起床、19度、曇り。 10月が最終週となり、あっという間具合が恐ろしい。個人事業主家業なので、今月分の請求書を制作して送る準備を進める。EXPOがあって忙しいはずなのに、むしろいつもよりも多く働いていたことが金額からもわかってしまった。思わずハードに過ごしてしまったのは悪いことではないけれど、あまりにも制御できなかった感じが悔しくはある。体重は増減を繰り返してややキープに収まったので偉い。 月末に請求をまとめるのと合わせて、月報というものを個人のnoteにアップ

        マガジン

        • 京島鉢日記|Kyojima Pot Diary
          30本
        • 日誌「京島の10月」
          31本

        記事

          京島鉢日記|26. 自我はどこまで噛み合うか

          10:00起床、16度、小雨。 EXPOがお休みだが月末締切が近い。ダレた身体をえいやと起こし、ノウドで2時間集中。ひとかたの目処がつき、ラボで作業を続けねばと思うがやたらとお腹が空いて仕方がない。忙しいと太るか痩せるか、昨晩そんな話をしたが僕は太る側だ。夜に頑張るから、という理由でコンビニ飯を買ってしまったり、エネルギーが必要なんだと自分を納得させてご飯を食べたり。今日もきっとそうだからと、曳舟の中華名店・フェーフェーで日替わりの油淋鶏定食と転身セットを食べていたら、店の

          京島鉢日記|26. 自我はどこまで噛み合うか

          京島鉢日記|25. 突然の秋雨風冬

          9:00起床、17度、くもり。 びっくりするほど寒い!去年の十月はむしろずっと暑かったような気がするので、ちょっと驚きだ。長袖パジャマの準備が追いついていないので、多分余裕で風邪を引くだろう。エアコンの便利さを実感した凸工所にて、今年もまた石油ストーブに火を灯す時期が来そうだな、などと思いつつ、月末納品の依頼品を作るために手を動かし続けていた。 夜、いやーまだやることがたくさんあるけれどもという焦りを感じつつも、京島トキメキ合唱団の会合へ。凸工所が始まる前からの付き合いで

          京島鉢日記|25. 突然の秋雨風冬

          京島鉢日記|24. 僕が休んでいるうちに

          8:00起床、22度、雨。 10月最終週を迎える。先週末のワークショップ、その後の資格試験などでいつもの週末が週末「休み」ではなくなっており、それがこの1ヶ月だいぶ続いている。EXPO期間中忙しくなるのはあらかじめわかっていたが、僕はまだ体のリズムがそれに追いついていないようだ。毎日、毎朝、きちんとパフォーマンスと生活を両立している町の先輩たちには頭があがらない。 今日、ぽっかりできた時間で仕事をせねばとフラフラ歩くが、なんだかチェーンの喫茶に行く気がしなくて、向島あたり

          京島鉢日記|24. 僕が休んでいるうちに

          京島鉢日記|23. 歴史に触れるための資格

          6:00起床、17度、晴れ。 なぜこの時間に起きたかというと、試験があるからだ。第二種電気工事士の筆記試験が待ち受けており、曳舟から京成線で金町の東京理科大学に行ってきた。何度か解いた過去問で合格ラインは超えていたが、いかんせん本番は何が起きるかわからないし、落ちたら格好つかないしで気が気ではない数週間だった。試験の内容はというと、想定よりもちょい難ではあったが、自己採点では問題なくクリアできたので、ひとまずは安心である。 さて、なぜ僕がこんな資格を取ろうと思ったかという

          京島鉢日記|23. 歴史に触れるための資格

          京島鉢日記|22. 壁と本のナイトマーケット

          8:00起床、24度、くもり。 京島の壁採集ワークショップ当日。SNSやEXPO、はたまたご近所さんネットワークを通じて集まった4名の仲間たちと京島を探検。それぞれの得意分野や興味から見出される壁、見上げればツギハギの電柱や几帳面に積まれたビールのロング缶、当たり前のように長引くツアーなど未知と既知の面白さが織りなす濃密な時間が過ぎていく。 会場にはWALL JAPANの金田ゆりあさんディレクションで、前回のWSで採集した壁の写真や書籍作りで参考にした本、試作品の数々が並

          京島鉢日記|22. 壁と本のナイトマーケット

          京島鉢日記|21. 知らぬ人、知ってる壁

          9:30起床、23度、曇り。 ラボの営業日兼EXPO公開日。明日のワークショップの準備、明後日の試験の準備、そんなことは関係なく日常がやってくる。ラボにとっての日常は「わりかし暇で、その間に僕が仕事をしている」みたいな感じだったのだが、ありがたいことにお客さんも増え、何よりこの10月は一般来場者も多いので今までの感覚だと振り落とされてしまう。 レーザーカッターの利用者さんを見守りつつ、外の往来を見に行った足で空き地を見ると、謎の写真が転がっていた。明らかに日本ではないどこ

          京島鉢日記|21. 知らぬ人、知ってる壁

          京島鉢日記|20. うさぎ、風船、ヴァイオリン

          9:30起床、23度、曇り。 週末日曜日に控えた電気工事士の勉強をモリモリする。当落線上にいてギリギリだ。久々にがっつり時間を取って勉強だけした。スマートフォンやPCの通知に心を動かされてはならない。かつての受験生、そしてクラスでノートが人気になるほどの優等生だった自分を思い出しながら、浮ついた集中力で過去問たちと向き合っている。 模擬試験を印刷するためのプリンター、3Dプリンターがあるからこんな持って回った言い方になるのだが、を使うためにラボに行く途中、夕刻のヴァイオリ

          京島鉢日記|20. うさぎ、風船、ヴァイオリン

          京島鉢日記|19. 薬湯に溶ける身体

          11:00 起床、22度、曇り。 夜遅くまでラボでの作業を見届けたり、新しい取材先に単身飛び込んだりしていつもより心身の疲労が多い。できるだけ健やかでいたいのだが、気分がささくれ立って、知り合いと元気に会えるような気分でもなくチェーンの喫茶店で個人仕事を進めていた。最低限の言葉しか交わさない、そういう日であり、つまりは疲れが溜まっていたわけだ。 余裕がないと風呂もシャワーで済ませがちだが、こういう時こそ銭湯である。知り合いに出会う場所ではあるが、程よい距離感で、ぼーっとで

          京島鉢日記|19. 薬湯に溶ける身体

          京島鉢日記|18. トタンに花を添えましょう

          9:20起床、19度、晴れ。 今日は久々にラボに行かず, 在宅で勉強や原稿仕事を黙々とこなす。久々のソロワークDayと思いきや各方面からの連絡はあるし, 夜からは浅草向島ツアーの同行取材という新仕事。まだ知らぬ墨田の一面を見れたが, さすがに疲れが蓄積してきた感じが強い。 さて、今週末の土曜日には壁採集ワークショップを予定している。日本全国の壁を採集する最高な取り組みを、人の手がこれでもかと残された京島でやるナイスな企画だ。2024年1月に第1回を実施し、それは素晴らしい

          京島鉢日記|18. トタンに花を添えましょう

          京島鉢日記|17. シルク、けん玉、踊る鬼

          6:30起床、10度(記録ミスっぽい)、晴れ。 乱れがちだった生活リズムを整えようと意識が働いたのか、やたら早くに目が覚める。休暇続きでスタックしていた仕事をウォーと進め、午後にはラボで関係者チケットをお渡ししたり、鉢の制作などを続けていた。 さて、墨田区は日本におけるけん玉カルチャーの聖地のようになっているらしい。聞くところによれば、日本で世界大会が催されるなら渋谷か墨田かぐらいのレベルで、10月26日(土)にはBattle At The Deltaというイベントも開催

          京島鉢日記|17. シルク、けん玉、踊る鬼

          京島鉢日記|16. 折り返しはドーナツと

          6:00起床、17度、晴れ。 はちゃめちゃに気持ちがいい秋晴れ。ただでさえお祭りの多い墨田区だが、この日は錦糸町周辺で大きなジャズフェスティバルが催されていたり、近所の洋菓子店で3周年のマルシェが開かれていたり、そもそもEXPOだってやっていたりと行楽シーズンを真正面から受け止めていた。 そんなにたくさんの音楽フェスに行った経験はないが、ステージごとに出演者がいてタイムテーブルが組まれていることは知っている。アレが区内全体、あるいは京島全体で併発していて、良くも悪くも全体

          京島鉢日記|16. 折り返しはドーナツと

          京島鉢日記|15. 街あるきスキャン日和

          8:00起床、室温24度、曇り。 今日はすみだ向島EXPOの企画「U15ツアー」を実施。実施というかサポートというか、会場提供とお土産作りを全力で手伝った。去年のEXPOでは日記を書く以外に、京島を練り歩いて拾ったものでお土産を作るワークショップを行った。予約フォームも曖昧なスタートだったが、存在しないボウリング場やスカイツリーの木札などが生まれ良い時間となり、それに似たかたちでお手伝いすることになった。 今年は僕はツアーに同行せず、何十回何百回と街を案内してきた先輩方に

          京島鉢日記|15. 街あるきスキャン日和