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京島鉢日記|21. 知らぬ人、知ってる壁

9:30起床、23度、曇り。

ラボの営業日兼EXPO公開日。明日のワークショップの準備、明後日の試験の準備、そんなことは関係なく日常がやってくる。ラボにとっての日常は「わりかし暇で、その間に僕が仕事をしている」みたいな感じだったのだが、ありがたいことにお客さんも増え、何よりこの10月は一般来場者も多いので今までの感覚だと振り落とされてしまう。

レーザーカッターの利用者さんを見守りつつ、外の往来を見に行った足で空き地を見ると、謎の写真が転がっていた。明らかに日本ではないどこかの国で、顔も名前も知らない女性がこちらを見ている。外国人アーティスト関連の何か、それとも解体中の空き家から? 謎は深まるばかりだが、先を辿れぬ痕跡の一つとして、心のザワザワする部分に記録しておこう。


今日の鉢「壁かけブロック」

凸工所の壁は僕が初めて来たときから赤い格子で覆われている。設計士のナイス判断で、おそらく掲示物やラックなどを想定していたのだろう。あまり有効活用できていなかったので、これを機に鉢という名の物入れブロックを制作してみよう。

お馴染みとなったfuzzy skinは水平面だと機能しないので、薄いパネルを垂直に単独で出力したのち、裏側のボックスに差し込む形とした。スリットにちょうどよく入る感覚が気持ちよく、表面のざらざら感も悪くない。こうやって細かなニーズを丁寧に拾った先に、世の中のしっかりしたプロダクトが多数生まれているのだな。

このnoteは「すみだ向島EXPO2024」内の企画、京島鉢日記 / Kyojima Pot Diary として 淺野義弘(京島共同凸工所)によって書かれているものです。


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