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京島鉢日記|7. 24時間、戦えました。
8:30起床、室温18度、晴れ。
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今日納品のアイテムがあり午前から大わらわ。南千住のホームんセンターまで行くのに自転車を走らせるも、想像よりも距離があるし道もくねくねしてるしでやや疲弊。太陽もしっかり照っており、ちょっと汗ばみそう。これが行楽の予定だったらなんて良かったことだろう!
お昼を商店街で買おうとしたら、いつもの惣菜屋さん前に冷蔵庫が搬出されている。よもや閉店?改装?と不安になりつつ系列店に行くと、冷蔵庫の故障で翌日には戻る予定らしう。あぁ一安心、僕はここのおかずが好きなのだ。弁当セットにはできなかったが、濃い目の味付けと卵の黄身が嬉しいレバーのパックとメンチを買い、途中でおにぎりとマカロニサラダを買い足してラボにたどり着く。
夕方以降の受け渡しをするまでひた働く。ラボの営業日かつEXPOのオープン日でもあり、何人か凸工所や展示を見にきてくれた。3Dプリンタが動くところ、鉢が好きで自分も集めていること、縦と横で根を張る植物が違うこと。普段の生活ではあまり交わさない言葉が往復して、あぁ自分側の作業が残っていることがもどかしい。進行管理が甘いと言えばそれまでだが、うーん、仕事と日常と祝祭が重なるとこうなるのも仕方ないか。
今日の鉢「フェイクゴールド」
アイテムの受け渡し、夕方時点では結局終わらず、一緒に根を詰めて作業した結果、翌朝6時の解散となった。何年振りの完徹だろうか、そして不思議と疲労感は薄く、純粋な好奇心と適度なプレシャーにより、ランナーズハイのような状態になっていたようだ。夜中、虫の音が秋を告げ、明け方の白む空と共に自宅に突っ込んだ。
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作業に寄り添ってくれた時間、そして夜中に食べるコンビニフードの心強さ。プラカップで飲むアイスコーヒー、缶のリアルゴールド達は並々と元気が出る。回転体ばかりで芸がないが、缶の強度を上げるための凹みや、プルタブの位置などは面白い意匠になりそうだ。元気を与える黄金の、プラで作ったまがいもの。さながらフェイクのような勢いで、そこをなんとか乗り越える。
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夜の来客とも「最近は良い塩梅のパチモノが少ない」といった話をした。語る当人は両国にかつて存在したとされるドーナツ屋のグッズを展開しており、これは最高に良いまがいものだと思う。この数日、ほぼ休みなくフル稼働した3Dプリンターとフィラメントを組み合わせて、彼ら彼女らの空想物語に立体造形で形をもたらしたい。
このnoteは「すみだ向島EXPO2024」内の企画、京島鉢日記 / Kyojima Pot Diary として 淺野義弘(京島共同凸工所)によって書かれているものです。