京島鉢日記|6. 喉越しからの一年間
9:30起床、室温18度、曇り。今日も寒くて長袖で寝た。
朝から工房で作業を続ける。ちょっと締め切りが迫っていて落ち着かないが、一進一退の攻防といったところだろうか。鉢をモデリングしたり作業をしたり、10月は毎日やることが多くて、迷わずせかせか動く必要がある。ここまでくると、普段はいかにのんびり過ごしているのかと不安になる。
作業の途中、イトーヨーカドーの買い出しついでに食事を済ませる。リンガーハットの野菜たっぷりちゃんぽん、そして餃子は健康食品だと己に言い聞かせながら。ペッパーランチも捨てがたいが、肉よりも野菜になってきたのは年相応の変化なのかだろうか。
給水機に置かれたポットは花王のリサイクリエーションプロジェクトで作られたものらしく、廃プラスチックから蘇ったエコな器だ。一度捨てたものに別の活路を見出す、はてどこかで聞いたような。
本日の鉢『薄壁ウィルキンソン』
今日は10月10日で銭湯の日。去年は電気湯でお花を配るキャンペーンをやっていて、そこで湯上がりに花とウィルキンソンの空き瓶をもらったのだ。聞けば、花なんてどう飾ればいいかわからないというお客さんも多かったらしく、こういう瓶とかが使えればいいよねと話した記憶がある。
ウィルキンソンに敬意を表して、まずは形を真似てみる。うねうねとしたカーブ、合理的かどうかはわからないけれど魅力的ではある。花瓶としてはちょっと安定性に欠ける気もするが、滑らかなカーブを演出してみよう。
花瓶と鉢を隔てるものはなんだろう。あまり考えたこともなかったが、育てるものと飾るもので違うのか!これまで気にしてきた鉢の性能は、あくまで土の中における水分や風通しに影響するものだ。咲いた後の花であれば、透明なガラス瓶に飾って問題ない。あー、当たり前のことに気づいていく。こういうのが楽しいんだよな。
いま凸工所ではMAX4台の3Dプリンターが稼働していて、実寸台の鉢を出す余裕がなさそうだ。ミニチュアサイズで一旦アップしておこう。育てたい植物に合わせて、ウィルキンソンの意匠をパラメトリックに変えるなんてことができたら楽しそうだな。欲望とアイデア、あとは時間と技術!