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梟の視界

お湯が沸いている
もう夜も遅い
少しのんびりして
眠りの扉を探す
こんな時間が心地良い
昼間が嫌な訳じゃない
ただ何となしに心地良くなるだけだ

静けさが集まって来る
私の足元に懐いて来るように
だからと言って愛想も無い
まるで知らんぷり
そんな態度が好きだ
無視されたい訳じゃない
ただ分かっているから好きなだけだ

梟の声は遠い
時々は近くにもなる
けれど遠いくらいが丁度良い
きっとあいつも同じ事
今頃思って鳴いている
聴かせたい訳じゃない
ただ鳴きたいから鳴いているだけだ

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール