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IQ検査(心理検査)徹底攻略!KーABC/田中ビネー/新版K式の解説

疲れた~

ようやく連日缶詰状態だった研修を終えました。

厳しい研修だった・・・。

試験にパスしなければ単位がもらえないのですが、
1回目はまさかの41点。

50点未満の点数なんて久しぶりに取りました。笑

「LDや特性のある子たちの気持ちが分かるでしょ?」

と言われ、
「まさしく」と痛感です。


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


今週の「お品書き」です🎵

📘今週のLIBRARYのラインナップ📗

(2024.8.12~8.18)

📒→全員最後まで読める記事
📓→メンバー以外は途中まで読める記事

【月曜日】
📒IQ検査(心理検査)徹底攻略!KーABC/田中ビネー/新版K式の解説
【火曜日】
📒日本は睡眠負債国家!睡眠障害は知っておいた方がいい!
【水曜日】
📓警察が学校に駐在・・・賛成?反対?
【木曜日】
📒🌻夏休みもっと欲しい/早く学校始まってほしい あなたはどちらだった?
【金曜日】
📓天下一授業決定戦
【土曜日】
📓「知恵」の時代
📒いよいよ国語がいらなくなってきた?止まらないAIの進化
【日曜日】
📒共同運営マガジン記事紹介

読みたい記事があれば、
是非、LIBRARYにお越しくださいね✨


以前に発達心理検査の、
ウェクスラー知能検査の解説記事を書きました。

かなりマニアックな内容の記事でしたが、
読んだくださる方もいて、
少しでも何か役立てたようでよかったと思います。

そして、
他の検査に関しての質問も出ていたりしたので、
一度、主要な心理検査全般をまとめておこうと思います。

厳密に言えば、
発達心理検査はたくさんの種類がありますが、
定期検診や、学校現場でよく見かける物は、
大体絞られているので、

そのような検査をメインに解説していきます。

ウェクスラー式知能検査以外は、
筆者は持っていませんし、
検査者として実施したことはありません。

よって、
特徴を解説するぐらいになりますが、
何か参考になれば幸いです。



日本で使用されている心理検査

日本で使用されている知能検査は、
大体以下の4つとなっています。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

■ ウェクスラー式知能検査
■ ビネー式知能検査
■ KABC
■ 新版K式

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

これらの他にも、
LDの状態を測定する検査もあります。

STRAWという、
読み書きスクリーニング検査もありますし、

LD-SKAIPという、
タブレットで行える
LDの詳しい能力差が分かる検査も、
開発されています。

しかし、
LDに関する検査は、
まだまだ日本ではそこまで実施されていないのが現状です。

「いや、上の4つの発達心理検査でLDも分かるんじゃないの?」

といったことを思った人も
いるかもしれませんね。

その辺りを含め、
順々に解説していきます。


ビネー式知能検査

ビネー式知能検査は、
就学前の子どもに多く使用されている検査です。

これは、
対象年齢が2~13歳となっており、
低年齢でも取り組むことができるのが特徴。

ウェクスラー式の検査でも、
低年齢用の検査はあるのですが、
長いし、難しいのです。

ビネー式で現在使われているのは、
田中ビネーVが主流かと思いますが、

ビネー式は、
様々な道具を使って検査を行うため、
低い年齢の子どもや、
集中力が低い子どもでも取り組みやすいのです。

そして、検査時間は、
ウェクスラー式よりも短い。

そうなると現実的に、
検診時などで使用する場合は、
どんな子でも取り組みやすく、
検査時間も短いビネーが採択されやすくなります。

検診などでは、
知能指数が分かって、
自治体から支援を受ける証明として検査結果を
使う目的もあるので、
ビネーが扱いやすいのかもしれません。

ただ、このビネー式検査は、
欠点があります。

それは、
個人の能力の凸凹が分からないということです。

言語の能力値が~で、
記憶の能力値が~で、

というように種類別になっていなく
ひとまとめに知能指数や、
精神年齢を記載してしまうので、
どこをどのように支援したらよいかが分かりづらいのです。

成人用のビネー式検査では、
その辺りの種類別の能力値が分かるようになっています。

構造上の問題なのか分かりませんが、
ビネーだけでは支援方法は分からないということです。


K-ABC

KーABCⅡが現在主流で使われている検査。

このKーABCⅡの検査は、
筆者の感覚では、
ウェクスラー式に続いて、
ナンバー2に役に立つと考えています。
(4つの心理検査の中では)

なぜなら、
このKーABCⅡでは、
子どもの学習の能力値と、
得意なインプットの方法が分かるようになっているからです。

ウェクスラー式も同じような面がありますが、
実はウェクスラー式では、
LDを判定することができません。

なぜならウェクスラー式の検査では、
勉強に関する内容がほぼ出てこないからです。

LDの子どもは、
図形や絵なんかはむしろ得意だったりします。

ウェクスラー式の検査は、
音声情報でのやりとりもありますが、
「文字を読む」という内容ではないので、
読み書きの凸凹が現れにくい。

おまけに絵や図形による検査が多いですから、
何とかなってしまうのです。

ウェクスラー式では
そこまで凸凹が見られないが、
やっぱり学習につまずきがある・・・

と思ったら、
K-ABCⅡの出番です。

この検査は、
大きく分けて、
2つの尺度に分かれています。

それが、
認知尺度と、
習得尺度です。

さらに詳しく分解すると、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

【認知尺度】
■ 継次尺度
■ 同時尺度
■ 計画尺度
■ 学習尺度

【習得尺度】
■ 語彙尺度
■ 読み尺度
■ 書き尺度
■ 算数尺度

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

という指標になっています。

習得尺度の内訳をみると、
ほぼ、学校の学習内容に沿った能力
測定していることが分かります。

ここで算数が極端に落ちていれば、
算数障害かもしれませんし、

国語系が落ちていれば、
発達性読み書き障害かもしれません。

どの道、
凸凹がはっきりします。

また、
順序立てて説明した方がいいのか、
視覚的にパッと見せた方がいいのか、
身体を動かした方がいいのか、
音声入力の方がいいのかなどは、

継次尺度同時尺度で分かります。

認知特性についての詳しい解説は以下の記事を参考に。

他にも、
どのような方法で学習するかを考える、
計画尺度学習尺度もあるので、
学習支援の分析が非常に行いやすいです。

以前に、
教室での勉強にイライラしてしまい、
友達に攻撃的になってしまったり、
じっと座っていられなかったりする子がいました。

その子のKーABCⅡの結果は、
認知尺度は大体100ちょいぐらい、
習得尺度がアベレージで75ぐらいだったのです。
(100が標準レベル)

つまり、
迷路とか、ボードゲームとか、
反射神経を競うゲームなんかは
結構得意なわけです。

実際にスポーツも結構得意でした。

その代わり、
語彙、読み、書きがかなり低かった。

それは鉛筆をもって文字を書くことすら、
うんざりしてしまうでしょう。

ただ、文字に限定しなければ、
学習する能力は結構あるということです。

よって、
何よりも大事なのは、
モチベーション支援になります。

とにかくやる気を持続させること。
課題を短く区切ること。
読み書きに関する負荷を減らすこと。

ホワイトボードに書くスタイルでもよし。
口頭で答えるスタイルでもよし。

やり方さえ工夫すれば、
楽しく授業に参加できるのです。

そして、

「やるね~!」
「さすが!」
「相変わらず鋭い意見言うねぇ~」
「やっぱりあなたなら力があると思った!」

などと声をかけていれば、
自信がついていきますし、
苦手な読み書きへの抵抗力もついていきます。

そんな凸凹が分かるKーABCⅡは
かなり有効な心理検査だと言えるでしょう。


新版K式

最後に、
新版K式をさらっと。

これは日本で開発された検査で、
生後100日後から取り組めるものです。

よって、ビネー式よりも、
もっと幼い年齢から行えます。

ただ、生後100日からの検査なので、
動作に関する検査が多いです。

3つの領域に分かれます。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

【姿勢・運動領域】
・体重を支える
・寝返りをうつ
・けんけんする etc…

【認知・適応領域】
・両手を近づける
・おもちゃを追視する
・積み木をおく etc…

【言語・社会領域】
・指さしに反応する
・検査者とボール遊び
・短文を復唱 etc…

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

検査をして分かるのは、
IQではなく、DQという「発達指数」というものです。

新版K式は、
ビネー以前の知的発達の遅れの早期発見のために
役立つと言えるでしょう。


まとめ

発達心理検査は、
どの検査もそれなりに時間がかかります。

子どもにそれだけの検査に付き合わせたのに、
得るものが何もないのでは、
一生懸命検査に付き合った子どもが、
あまりにもかわいそうです。

検査結果をもとに、
支援機関につなげたり

学習支援、
生活支援を教育者同士で話し合ったりして、
よりよい支援策を見つけたりするために
検査は存在します。

その検査をどう生かすかは、
教育分野に従事している大人次第。

ここ連日で参加していた研修も、
WISCⅣ+複数の心理検査をミックスして、
その子どものWISCをもとにした解説と、
診断などを行うやり方を習うものでした。

講師の方々は、
全国の大学の教授、教育委員会の方々、
私立の特別支援学校の理事長、
不登校特例校の代表
などなどのスペシャリストたちが、
10人以上集まって教えてくれるという
物凄い濃密な内容。

検査の種類は20種類を優に超え、
まだまだ知らないものばかりだと痛感しました。

資格を取得することができれば、
いよいよWISCの解説などを書く立場にもなるので、
生半可な知識でそれをかくことは
恐ろしいことだと感じました。

身を引き締めて、
これからも学んでいきたいと思います。


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「コメント」も残してくださると有難いです!コメントを読んだ方々が、より教育についての知見が深めることができる図書館でありたいと思います。

いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!


明日の記事は、

📒日本は睡眠負債国家!睡眠障害は知っておいた方がいい!

です。

最近は睡眠についてトピックが増えてきています。
その上で一歩突っ込んでみる。
4~5人に1人が潜在的に抱えている
睡眠障害。
ここにメスを入れていきます。

是非、楽しみにしていてください🎵

皆さんの今日・明日がよき1日でありますように😊


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