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自分で自分に発達心理検査(WISC)をやってみた結果
共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨
教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌
どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
発達障害を診断する上で、
ほとんどの場合は、
発達心理検査が行われます。
日本でメジャーに使われている
発達心理検査は、
現在のところ主に4つ。
・田中ビネー知能検査Ⅴ
・新版K式発達検査
・KーABCⅡ
・WISC(ウェクスラー式知能検査)
他にも様々ありますし、
現在開発されているLD専用の検査もありますが、
実際はこの辺りが主流でしょう。
この中で最も多く
小学生を対象に行われる検査が、
WISC、通称ウィスクです。
ある年の筆者。
特別支援コーディネーターの役職をもらい、
なんとか色々な知見を取り入れて、
学校の支援体制を前進させていこうと思っていました。
そして、ふと、
師匠が発達心理検査を学校で行っていることを
思い出したのです。
「よし!じゃあ発達心理検査を取り入れよう!」
単調な筆者はそう思い、
12~13万円ぐらいの検査キッドを
自費で購入しました。
(たけぇ・・・)
届いてから中を開いてみると・・・
「以下の資格をもっている人が実施してください」
と、資格の指定があったのです・・・/(^o^)\ナンテコッタイ
良く調べもしないで購入してしまう、
まさに衝動性の塊です。笑
「じゃあ、資格を取るか!」
ということで、現在、
特別支援教育士を取得中です。
(もうすぐ取得できます♪)
ただ、
WISCを自分自身に試して
練習するのは構わないだろうと思い、
自身に検査をしてみました。
そのような体験も踏まえて、
WISCという検査を解説していきます。
かなりマ二アックな記事になりますが、
お子さんがいる方は見ておいても損はないと思いますし、
IQというものの仕組みが分かって、
ある種、興味深いと思います。
楽しんでご覧ください。
ウェクスラー式知能検査とは?
![](https://assets.st-note.com/img/1718614833651-WexQrkSMyy.jpg?width=1200)
この検査は、名前の通り、
ウェクスラーという人物が
知的能力を診断することを目的として
開発した検査です。
心理学という学問は、
非常に歴史が浅く、
検査が開発されてから、
まだ50年程度しか経過していません。
もちろん、
100年以上前からの、
受け継がれてきた心理学の知見を
結晶化させたからこそできた検査でもあります。
ウェクスラー式は、
年齢区分によって検査が分かれています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■ WAIS(ウェイス)・・・大人用(16~89歳)
■ WISC(ウィスク)・・・児童用(5~16歳)
■ WPPSI(ウィプシー)・・・幼児用(3~7歳)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここからはWISCに絞って解説します)
このWISCを説明する上で、
絶対に強調しておかなければならないのは、
これは診断をするための検査ではないということです。
そして、
IQがいくつであったという、
数値を重視する検査でもありません。
では何のための検査かと言うと、
その子どもの得意と不得手な部分を把握し、
日常の支援に生かしていくための検査なのです。
よって、日常の支援に生かさず、
ただレッテルを貼るだけの検査であれば、
やらない方がマシです。
ただ単に、
子どもの自己肯定感を下げて終わります。
「子どもが学校や社会に適応しやすくなり、成長し自己肯定感を高めるための検査である」
その共通理解をした上で、
進めていきますね。
あまりにマニアックなことを話しても、
なかなか伝わりずらいと思うので、
かなりシンプルに伝えさせていただきます。
また、
WICは現在WISCⅤ(ファイブ)まで
改訂版がでていますが、
まだそこまで広まっていません。
最も使われている率が高いであろう、
WISCⅣを中心に解説していきます。
WISCⅣ 4つのIQ
![](https://assets.st-note.com/img/1718614845017-aFzc6nCMQ4.jpg?width=1200)
WISCⅣは
4つの大きなIQの指標があります。
以下の4つです。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
■ 言語理解(VCI)
→語彙力、言葉で考える力
■ 知覚推理(PRI)
→視覚情報で考える力
新しい状況への対応能力
■ ワーキングメモリ(WMI)
→聞いた話を覚えておき対応する力
■ 処理速度(PSI)
→手を使った事務処理の力
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
もっと簡単に言ってしまえば、
言語理解と知覚推理が、
理解する力、一般的な知能を表し、
ワーキングメモリ、処理速度が、
理解したことを実行する力と
分けることができます。
これらの4つのIQが、
100を標準値として示されます。
パーセンタイルといって、
100人中何番目かを示す値もあります。
例えば、
言語理解のIQが155あれば、
上位0.1%の出現率となります。
どの項目も130あれば
めちゃくちゃ高いです。
逆に、
1個でも80を下回ると、
授業についていくのが、
かなりしんどい可能性があります。
そして、
IQが高ければよいという話ではなく、
問題は4つの指標の中で、
大きな差の開きがある場合です。
例えば、
言語理解は120なのに、
処理速度が85とかの場合です。
では、なぜ差が開くと困難を抱えやすくなるのでしょうか。
次章ではそれを解説していきます。
差が開くとなにが問題なのか?
![](https://assets.st-note.com/img/1718615256603-ygYg75ifzU.jpg?width=1200)
差が開くことによる支障を説明する前に、
WISCの大まかな読み取り方法を記載します。
本当に大まかなレベルです。
以下に4つの指標を表にまとめた図を掲載します。
![](https://assets.st-note.com/img/1719145929466-hkdHHnUs4k.jpg?width=1200)
これは、
4つの指標を筆者が勝手に表に配置したものです。
まず縦軸で見てみます。
言語理解+知覚推理で、
世間一般で言われる知能が
大体分かるのでした。
ワーキングメモリ+処理速度で、
理解したことを実行する力を
示しています。
次は横軸に見てみます。
言語理解+ワーキングメモリで、
聴覚の強さを表すと言えます。
よって、この2つが高かった場合は、
聴覚優位の可能性が高いです。
知覚推理+処理速度が高ければ、
視覚優位の可能性が高くなります。
さて、
問題はアンバランスさが出る場合ですね。
例えば、
言語理解や知覚推理が高くても、
処理速度が遅かった場合、
頭では分かっているのに、
実行のスピードが追いつきません。
これは、かなりイライラします。
そして、
「分かっているのに結果が出ない」
と、自己肯定感を低めてしまう原因にもなります。
発達凸凹の子は、
一般知能は高いのに、
実行力が弱いパターンがよく見られます。
グレーゾーンと呼ばれる子ですね。
情報のインプットは得意でも、
ノートに書くのはすごくエネルギーを使うので、
「ぼくはノートに書きたくありません!」
という子が出現します。
IQが80未満のものが、
幾つかある場合は、
発達凸凹というよりも、
軽度知的発達症となる可能性があります。
自治体によって基準は変わりますが、
療育手帳を取得でき、
色々な割引などのサービスを受けるレベルですね。
前の章で、
症状のレッテル貼りに使うのならば、
むしろ使わない方がいいと伝えました。
大事なのは、
得意なところを生かして、
凹みの部分をカバーすることです。
例えば、
ワーキングメモリが凹んでいるのならば、
覚えなくてもいいように、
情報がまとめてある一覧表などを渡せばいい。
処理速度が遅いならば、
課題を細かく区切ってあげたり、
書く量を減らしてあげればいい。
聴覚系が弱いならば、
視覚情報を活かせばいい。
逆もまた然り。
そうやって、
本人の能力を生かすために、
発達心理検査は存在します。
ちなみに多くの心理士は、
支援の方法の大枠は示せますが、
具体的な細かい方法のアドバイスは難しいです。
なぜなら、心理士は、
授業を研究してきているわけではないからです。
逆に、教師の場合は、
工夫方法は知っているけれども、
子どもの特性に合わせて選択したり
カスタマイズしたりすることが苦手です。
筆者はその両方を知って、
より深く適切な支援を助言できるように、
自身も勉強を重ねていこうと思います。
まとめ
![](https://assets.st-note.com/img/1718615271594-8Y2ZRsFrX9.jpg?width=1200)
ここで紹介したことは、
ほんの入り口の限られた情報です。
本当は下位検査といって、
具体的にどういう問題を出題するのかを
加えようとしましたが、
あまりに長くなってしまうために、
ストップしました。
相当マニアックなので、
発信するならば、
クローズドな空間にした方がいいかなと思っています。
また発達心理検査は、
検査者の腕によって指標が変化します。
最も専門の勉強をしているのは、
医師、公認心理士、臨床心理士などでしょう。
そのような人物が
きちんと検査してくれる機関をおススメします。
ちなみに筆者は処理速度が低いです。
言葉とかが出てくるのも遅いので、
どうしても雑談とかだと聞き役に回ってしまいます。
逆に前もって何を話すかを準備できる
プレゼンや授業なんかは強いです。
(「強くなった」が正しいかもですが)
だからこそ、
制限なく一人でじっくり思考を深められる時間を
愛しております。笑
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共育LIBRARYりょーやん元教師