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体が「なくなった」現代人

以前、あごが痛くなって
歯医者に行った話をしました。

無事痛みはひき、
ついでに虫歯の治療も行うことに。

すると案の定、次回の予約。
なんで歯医者って
何回も行かなきゃならなくなるんでしょうねぇ・・・


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


高度経済成長の時期に
公害が起きたように、
何事にも表と裏があるもの。

現在はAIを始め
IT機器を使うのが日常となり、
非常に便利な世の中になりました。

しかし、何事も、
行き過ぎること歪が起きるもの。

過度に便利な世の中になったことで、
人間の身体に色々と影響が出ているかもしれない。

そんなことが、懸念されています。

IT化の進行は避けられませんし、
人手が少なくなる中で
IT機器を使って社会を運営することも
とても重要です。

それと同時に、

「人間として生きるためには」

という問いも、
同時進行で考えていかなければ
ならないと思っています。

何かしら、
考える視点やひっかかりを提供できれば
幸いです。



なぜ子育ては難しい?

筆者は、

「子育てはどのような仕事よりも難しい」

といったことを
何度か伝えてきました。

今までは地域や
家族形態の変化を述べてきましたが、
今回は別の視点。

なぜ、子育てを難しいと感じるのか。

それは、
子どもが予想できない存在だからです。

現在の世の中は、
予想できることをベース
社会の仕組みをつくっています。

学校の勉強は、
〇か×かという
知識や計算がきちんと合っているかを教える。

ありとあらゆる「予防」が進んできた日本は、
ちょっとの事故や事件があると、
すぐにそれを防ぐ対策を練ってきました。

結果として、
より完璧に近い社会をつくり、
予測できない部分を限りなく小さくしようとしている。

仕事に関しても、
大抵はマニュアルが準備されており、

先輩達から仕事の方法を教わり、
その通り行えば給与をもらうことができる。

対して、
子育てはどうでしょうか。

子育てこそ
マニュアルが存在するものではなく、

十人十色
本当に一人ひとり違います

熱心になればよいというものではなく、
熱心すぎると逆に
バランスが崩れてしまう
場合もある。

そんな子育ては、
予測ができなく、
限りなく不安が大きいものだと言える。

加えて、
祖父母が教えてくれる環境がないことなども
重なりますね。

子育ての予測と難しさと相まみえて、
世の流れは激動の時代となり、
先行きが分からなくなっているからこそ

結果が予測できるものが
より人気
になっています。

将来なりたい職業ランキングで、
会社員や公務員がトップになるのもそう。

少しでも安定する指標がほしいから、
投資や貯蓄のブームが起こるのもそう。

予測ができない子育てとの乖離が
ますます進んでいる気がします。

しかし、
これまでの時代もほとんどが
結果が予測できないものだったはず。

何が違いを生んでいるのでしょうか。


人間は自然である

現代とかつての日本の違い。

その1つが、
人間が自然の一部であったかどうか、
という点です。

どういうことか。

人間は初めは
直径0.2ミリの受精卵だった。

それが、
大人になっていくまでに、

田んぼや畑、
海からとってきた自然物を食べて
身体をつくっていく

つまり、
人間も環境そのもの
自然の一部なのです。

かつてのように、
田畑を耕して種を蒔いて、
家畜を飼うような生活であれば、

生命を育てることが日常であり、
子どもを育てることも
あまりに当たり前の世界であったはず。

しかし今は、
あらゆるところで、
生命にふれたり
生命を育てたりする機会が
当たり前ではなくなってしまった。

人間は本来自然であるはずなのに、
人工物に囲まれ
自然として生きることができなくなっている。

その環境が、
身体にも違和感を与えています。


身体>脳

先の章で述べた通り、
身体とは元々自然の一部です。

しかし、
都会に行けば行くほど、
私たちは身体を使わないようになっていきます。

タクシー、公共交通機関、
全てボタンで動く機械。

身体を使わない人ほど高級な社会
なっていっている。

そうやって、
自然の一部として機能する
身体を使わなくなったが故に、
身体の使い方が分からなくなってしまった。

身体とは自然なのですから、
普段から自然を扱っていない生活では
自分の身体が「なくなって」しまうのです。

現代は、
子育ても含め
分からないことがあると
とにかく調べようとします。

つまり、
身体ではなく「脳」に頼っている。

しかし、
子育てが始まったのは
数千年前から数億年前である一方、

人間の脳(意識)が生まれたのは
たかだか20万年前なのです。

よって、意識がなくても
子育てというものは身体で成り立っていた。

それは、
動物を見ていれば分かると思います。

さらに、現代の人は、

「自分が分からない」
「自分の価値が分からない」

と嘆く人が多い。

しかし、
森の中の葉が
どれ1つとして同じものがないように、

身体こそがどれ1つとして同じものがない、
かけがえのない個性
なのです。

その身体=自然を締め出すような社会にいれば、
自分が分からなくなってしまうのも
当然
と言えるかもしれません。

また、仕事に対しても、

「何が自分に合った仕事なのか」

と迷う人も増えています。

それもそのはず、
日本はもともとは
自営業が中心であったのです。

自営業ということは、
自分が得意なこと、
自分が気付けばやっていたこと、
周囲から教えてもらったこと、

そんな自分の生活の延長線上に
生業となる仕事があった
と言えるでしょう。

その生活の中心核というのは、
「身体」です。

つまり、
自分の身体というかけがけのない個性が
自然と適する仕事を教えてくれていた。

現在のように、
実生活とはかけ離れた、
画一的にカテゴライズされた仕事ばかりが並んでいては、

自分に合った仕事がないと感じるのは、
至極当然のことと言えるでしょうね。


「身体」を使おう

では、どうすればいいのか。

それは、
人間の本来の生活の延長線上になる活動に
身体を使う
ことです。

例えば、
栃木県の茂木町には、
30泊31日のキャンプが開催されているそうです。

1ヵ月間自然と共に暮らし、
自然児にさせるのです。

スマホは没収。
自分たちで火を起こす。

スタッフの大人たちは協力してくれますが、
基本的に自分たちのことは自分たちで。

よって、
火が起こせなければ、
食事にありつくことはできません。

そんな環境だからこそ、
生きるために本気になり、
身体を生活の為に使うようになります。

他にも、
東京都に自由学園という学校があります。

この学校に伝えられているのは、

「不便が人を教育する」

というもの。

学習で使う机や椅子を自分たちで作ったり、
生徒が自ら昼食を作ったり、
畑で野菜を育てたり、
家畜を育てたり、
植林活動を行ったり・・・・

まさに、

「手と頭がつながる教育」

です。

集団のルールも
自分たちでつくらなければならないので、
様々な気苦労を重ねます。

しかし、
そんな気苦労を通して、

今まで、
成績のことや友達関係のこと、
進路のことといった
自分に関する悩みばかりだった生徒が、

みんなの生活がどうしたら
もっとよくなるだろうという、
他者に向けた悩みに変わっていったそうです。

身体を通して、
共同作業を行っていくからこそ、
本当の共同体感覚を皆でもつことができる。

楽ではない。
面倒なことは多い。

しかし、
温かいつながりというものは、
そういう面倒さから生まれてくるもの。

家族も面倒なことはたくさんある。
地域のお祭りに係として参加するのも、
正直言って面倒。

しかし、
そういった面倒な関係から
は生まれる。

そうなると、
自分に対する悩みが
人と生きることを前提とした悩み
なっていくのかもしれません。

現代の子どもたちは、
自分のことで悩んでしまう子が
多い気がします。

子どもに限らず、
大人もそのような人が多い。

身体を通して、
実生活に沿った活動を他者と行えば
自分から他者へ心が開かれていくかもしれませんね。


まとめ

このような問題は
多くの人に伝わるものではなく、
一部の人にしか響かないものかもしれません。

しかし、
不登校になる子ども、
精神疾患になる人が増え、

たくさんの身体
危険信号を出してくれている状態に
なってきていると思います。

社会の維持と、
人間の自然な生活を
どう両立させていくのか。

答えは簡単ではないかもしれませんが、
「人の本来の生活」を抜いて
社会のIT化の仕組みづくりだけを進めるのは
あまりに危険です。

過度に人間が自然から離れた
行動経済成長期に
自然との不和が起こったように、

過去の過ちから
学ぶ知恵をもっていきたいですね。


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共育LIBRARYりょーやん元教師

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