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「一体感を味わう体験」少なくなってませんか?

台風が通過している現在、
お住まいの地域は大丈夫でしょうか?

急角度の進路変更で、
きれいに日本列島に沿って台風が通過している感じです。

そこまで焦って急カーブしなくていいのに・・・

と個人的には思いますが、
皆さんが何事もないことを祈るばかりです。


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


運動会の組体操。
野外学習のキャンプファイヤー。
地域の伝統的な祭り。

このような行事は、
準備や練習が大変ではあるけれど、

それを皆でやり遂げたときに
一体感を味わうことができました。

小難しい考えもなく、
ただそのやり遂げた瞬間を
手を取り合って喜ぶ

そんな一体感を経験することで、
ちっぽけな自分だけの殻に閉じこもることなく
人とのつながりを強くしていく。

行事には
そのような一面があると思います。

教員になってからは、
そんな一体感を味わわせたいと、
何度も、クラスみんなで熱くなる経験を
積んできたものです。

しかし、現在は
そんな一体感を味わう機会が
非常に少なくなってきている気がします。

それは、子どもだけでなく
大人もそうではないでしょうか。

この一体感を感じるという
人間の特性は、
どのような仕組みになっているのか。

脳科学的な知見を含めながら
論じていきたいと思います。



一体感は生まれる前から始まっている?

「波長が合う」

なんていう言葉があります。

この波長が合っていると感じるのは、
一種の一体感であると言えるでしょう。

仮に、波長が合うことを
感じる能力があるとするならば、
それはどこで養われるのでしょうか。

その始まりは、
お母さんのお腹の中です。

人間は言葉を発する生き物です。

そして言葉というものを分解すると、
筋肉のゆらぎ、息の流れ、
音響振動
などでそれが構成されていると分かります。

赤ちゃんは、
お母さんが言葉を発する度に、
そのゆらぎや流れ、振動を感じ取っている。

そうやって、
お母さんの波長を
自分に同期していく
のです。

だからこそ、
お腹にいるときに

「音楽を聴くとよい」

と言われたりするのですね。

リラックスした音楽であればその波長と、
それを聞いたお母さんが出す、
安心感ある波長が
子どもに伝わって同期されていく。

赤ちゃんであっても、

「ありがとう」

と伝えると、
笑顔になると言います。

胎内で聴いていた
「ありがとう」という言葉の振動と、
お母さんが発する安心感ある振動
分泌する心地よいホルモンの感じを覚えており、

それが分かるからこそ、
意味が分からなくても
笑顔になるのかもしれません。

言葉に関する脳科学を研究する方が、
講演会を行った後に、
参加者から以下のようなことを言われたそうです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3人の子どもを産んだ後
妻が他界してしまった旦那さん。

男手一つで、
3人の子どもを育ててきた。

そのお母さんである妻は、非常に

「ありがとう」

を口にすることが多い人だった。

すると、末っ子が、
母親のことを知らないのに

実にありがとうを口することが多く、
母親の口調で、
母親のタイミングでそれを言う。

今日、そのわけがようやく分かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そのように
言ってきたそうです。

例え、
外の世界で一緒に過ごすことはできなくても、
10カ月間一体となって過ごした期間は、
これほど大きい影響を与える。

全ての人が「一体感」という
感覚が分かるのは、

母親との胎内で
一体感を覚えてきていることが
出発点なのかもしれませんね。


ミラーニューロンのピークはいつか?

一体感を根源的に宿している赤ちゃん。

そこから外の世界に出て、
様々な世界の理を学んでいきます。

一体感を得るためには、
共感できる力は必須。

そんな共感する下地となる力は、
いつ頃に培われていくのでしょうか。

その答えの1つが
ミラーニューロンです。

ミラーニューロンは、
その名前の通り、
周囲の動作や表情などを、
鏡のように映し取り、
真似て吸収していく神経細胞です。

ミラーニューロンがあるからこそ、
ことばを獲得することができ、
コミュニケーションという
動作のまとまりを学んでいきます。

実は、赤ちゃんの脳は、
大人の何倍もミラーニューロン効果が高い
と言われています。

だから、
物凄い吸収力で
あらゆることを学んでいくのです。

しかし、
その能力を保持し続けると、
行動範囲が広がった時に
あまりに多くの刺激を得過ぎてしまい
何が最も重要なものかが紛れてしまいます。

よって、
ミラーニューロンを通した脳の共鳴力は、
2歳半頃には、かなり低くなっていくのです。

余分なミラーニューロンを無力化し、
大事なミラーニューロンだけを残す

それが行われるのが、
3歳までの年齢です。

この3歳までに、
養育者の愛情をたくさん感じ取り、
たくさん笑いかけてもらい、
たくさんの温かい共鳴を共有したことで、
「共鳴力」が残っていきます。

愛着のテーマでも、
この3歳が重要な指標としてあげられますが、

その背景には
ミラーニューロンの選別という脳の変化が
関係していると見ることができますね。

3歳までに培われた共鳴力。

もし、この共鳴が阻害されるとするならば、
何が原因となるのでしょうか。

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